おはようございます。。
八千代緑が丘校の轟です。
今回は、物理の学習戦略をテーマに
昨日の続きとして、ケアレスミスについてと、
テ物理で特に注意したいことについて
書かせて頂きたいと思います。

【ケアレスミスの類型】
センター物理において、高学力層が思わぬ失点をしてしまうような
問題のタイプは、おおよそ次のように大別できました。
これらの特徴は共テ物理でも(2次試験でも)変わりません。
・イメージに囚われてミスるタイプ
・複数の条件を連立するタイプ
・頻出問題とよく似ているが少し異なるタイプ
もちろん単純に物理としての難易度が高いために
低正答率となった問題もあります。
以下では,各タイプの詳細と対策について述べていきます。

□イメージに囚われてミスるタイプ
グラフや文章の選択問題、定性的な問題で、選択肢に引っ張られて
イメージに頼り、論理がおろそかになってしまうことがあります。
「選択肢から感覚的に選ぶ」というのが最悪の対処法で、
「記述式問題と同じように論理的に数式を用いて考える」
こと大切です。
□複数の条件を連立するタイプ
物理の入試問題では、設問1つに対して式を1つ立てれば解答にたどりつく
ということも少なくありません。
複数の条件を連立するタイプの問題は(センター試験に限らず)正答率が低くなります。
例えば,次のような問題などがあります。
・屈折の問題で,屈折の法則と図形的な関係式を連立する。
・回路の問題で,電荷保存則とキルヒホッフ則を連立する。
・電磁誘導の問題で,キルヒホッフ則と運動方程式を連立する。
ここでも大切なことは、選択肢が目に見えているからと言って
なめたりせず、記述式の問題のつもりで考えることです。
さらに言えば。その物理現象を支配する法則(そのタイプの問題の解法)
をきちんと考えることです。
試験場で焦っているときには,あたり前のことをあたり前にやる
ということが疎かになりがちです。
普段から意識しましょう。
□頻出問題とよく似ているが少し異なるタイプ
試験場で見たことあるような問題に出会えば、安心しますよね。
そういうときに「あぁあれか」という思い込みがミスを生みます。
知っているような問題であれば、どうせ手早く解けるのですから、
焦ってうろ覚えの答えを当てはめるのではなく、
イチから計算しなければなりません。

【共テ物理で特に注意したいこと】
□問題文の読み方
図を見てどのような問題か分かっていまうことも多いですが、
思い込みで勘違いすることもあります。
予断を持たずに読みましょう。
一方で、現実の現象を素材として取り上げる、仮説や実験を取り上げる、
会話形式にするなどセンター物理と比べて問題文自体が煩雑化しています。
大事なことは「要は○○の問題であると見抜くこと」です。
このタイプの問題では、これは全反射の問題だ、とか、
電磁誘導の問題なんだと分かった上で、余計な文章を軽く読み流してしまえば、
普通の問題に見えてくるはずです。
また、このような問題文を読む際にも、予断をもたないことも大事です。
特に、複雑な設定の問題では余計な情報を捨象していかないと混乱してしまいます。
要は何を聞いているのか、その物理現象の本質と対応する法則についてまず考えましょう。
どのような典型問題と対応するのかという考え方も有効です。
□選択肢の読み方
選択肢を読み込みすぎると、「これっぽいな」という予断を持ってしまい
間違うことがあります。軽く眺める程度がよいです。
文字式の問題では,使って良い文字のチェック程度に。
(この文字の組み合わせは運動量保存ぽいな…というような読み方は誤りです。)
数値計算の問題では、どの程度正確に計算すればよいのか判断できると、
計算が簡略化できることがあります。
しかし、不安な場合は桁数多めで計算すればよいでしょう。
文章選択問題の場合は特に、読み込みすぎると騙されるので注意。
また、正しいものを選ぶのと誤っているものを選ぶのは取り違えやすいです。
特に、複数の内容の正誤の組み合わせを表から選ぶ問題でマークミスしやすいので、
正誤問題はマーク前にもう一度確認するとよいでしょう。
□実験などのデータ処理の問題
まず、データが従う法則・式を書きくだしましょう。
グラフからの読み取りでは、値そのものを読む他に、
傾きと面積を読みとることがあります。
またその際に近似を行うこともあります。
グラフからいきなり情報を読み取ろうとせず、
どんな関係式を表すグラフなのかを考え、
対応する式を立式することが先決です。
□定性的な問題
いつも通りやりましょう。
記述式問題と同じように定量的に考える。
つまり、具体的な式を書いて考えることが大事です。
必要に応じて自分で文字を置いて計算する必要があることが
大変かもしれません。
どうしてもイメージをしなければならないときには、
極端な状況をイメージするのがコツです。
□現象理解を問う問題
成り立つ法則を問われたり、公式の導出を問うような問題も出題されています。
通常の学力があれば答えられるはずですが、誘導に従う練習ばかりだと
苦しくなるでしょう。
法則の成立条件や導出過程、解法判断の際の思考法を普段から
きちんと学んでおくべきです。
これも選択肢に惑わされる場合が多いので、記述式であれば
どのような式を立式するか、というような考え方をするのが
よいでしょう。
□部分と全体
どの部分を系と見るかにより計算が速くなる問題がよく出題されています。
ただし、時間には比較的余裕があるので、いざとなれば部分ごとに
考えてしまいましょう。
・誤差(絶対誤差)=測定値ー真の値
・相対誤差=絶対誤差/真の値(or測定値)×100%
・系統誤差 (systematic error) :理論の不備,測定器具の不備、
測定者の癖による。
・偶然誤差 (Random error) :ランダムに起こる。
・測定器を利用して物理量を測定する場合,最小目盛りの1/10まで読む。
・有効数字の計算の仕方も念のため押さえておく。
・測定値XXから他の量Y=f(X)を求める際に、
Xの誤差がどのようにYに波及するか。
□電磁気分野と原子物理分野について
電磁気分野と原子物理分野は学習が追いついていない受験生が多く、
正答率が低くなりがちです。
原子物理分野も必ず出題されていますが、最低限の典型問題が
理解できていれば解ける問題しか出ていませんので、
是非疎かにしないでください。

共通テストの物理の試験は1/19(日)に実施されますが、
まだあと約2週間、時間が残されています。
まだまだこれから学力もスコアも伸びていきますので、
できることは全部取り組み、共通テスト本番に臨んで
いきましょう!
(八千代緑が丘校 轟)
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