こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。
八千代緑が丘校の休憩スペースでは、
休憩時間に集まった生徒たちによる
様々な会話が展開されます。
今日は、その中から興味深いなと思った会話を
ご紹介したいと思います。
物理で電磁気の分野で、レンツの法則が出てきますが、
そのレンツの法則を拡大解釈したAくんの
興味深い発言が聞こえてきました。
「世の中って、何か変化が起こったら
それを元に戻そうとするような傾向が無ければ、
世界は安定に存在しないよね~。」
みなさんはどのように感じますか?
そのように考えたこと自体はとてもあっぱれなことですが、
ただし、これは間違いなんですね。
Aくんに限らず、
『レンツの法則は何かを緩和するという傾向があり、
これは自然界の一般的な傾向である。』
というような、拡大解釈をこれまで何度か耳に
したことがあります。
例えば、
夏のじりじりと熱い日、太陽から得たエネルギーで
地面の温度が上昇しますね。
地面が熱くなると、地面近辺の空気の温度が上昇しますね。
すると、空気の密度が下がり、地面付近の空気が上昇していき、
上昇気流が生じます。
すると、上昇した熱い空気が上空の冷たい空気に触れて
水蒸気が凝結します。
これが雨粒となって降り、地面が冷えます。
(これが夏に夕立が起きるメカニズムですよね。)
つまり、地面が熱せられると、地面が冷えるような
自然現象が併発するわけなんです。
このことを見ると、
『自然界は地面が熱くなり過ぎないように冷ます
という傾向を持っているんだ!』
という感じがしませんか?
しかし、よ~く考えて頂きたいんですね。
「お~、自然界はうまくできているなぁ~」
と思うのは、ナイスな誤解なんです。
では、太陽ってどうですか?
太陽は、大昔、ガスが凝縮して、
ある程度重力が強くなったところで
中心付近で核融合が起こり始め、
今でも太陽では核融合が起こっています。
太陽はどんどん燃えて熱くなりますが、
太陽の温度を冷ますような、自然現象って
起きていますか?
太陽は一度燃え始めると、
燃え尽きるまで燃え続けるんですよね。
別の例で見ると、原子力発電所では、
一度臨海状態になったら、もう人間の手では
止めることができないですよね。
(核燃料が核分裂すると、複数の新しい中性子が飛び出し、
その中性子が次の核分裂を起こします。
このようにして、連続的に核分裂が続いていくことを
核分裂の連鎖反応といいますが、この連鎖反応が
自発的に持続している状態を臨界といいます。
原子力発電所では、原子炉を臨界状態に保つことで発電を行います。)
つまり、この世界は安定にできているとか、
変化が起きると、それを緩和する傾向があると
一般論を言ってしまうとまずいわけなんです。
この自然界には、一度変化が起きたら破滅するまで
変化し続ける現象もあります。
一番わかりやすい例として、核反応の連鎖反応がありますね。
ですから、レンツの法則を一般化しすぎて
「この世界は安定に存在するんだから~」
と捉えるのは正しくないと思うんですね。
この世界は、変化するとそれを緩和するような現象もあれば、
一度変化したら、破滅するまで変化し続ける現象もあります。
その中で、この儚い一時を私たちは生きているんです。
ちなみに、よくレンツの法則とルシャトリエの原理が
類似していると誤解されがちなんですね。
「緩和する」という点だけ見れば似てはいるのですが、
本質的なところが異なります。
レンツの法則の本質は『エネルギー保存則』です。
一方、ルシャトリエの原理の本質は
『エントロピー増大』ですね。
このように背景にある法則が異なるんです。
こんな感じの科学ネタの雑談に花が咲くこともあります。
科学に興味のある方、一緒にトークで盛り上がっていきましょう!
(八千代緑が丘校 轟)
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