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【生徒からの質問より】時間がたつと二人の関係性が…

こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。

生徒から物理の波動の分野についての
質問を頂きました。

物理の教科書に必ず登場する「ニュートンリング」
について、教科書でも、テストで出題される問題でも
下図に記載の2つの波の干渉して干渉縞ができるという
問題設定になっています。
ファイル 3047-1.png

この生徒はここに疑問を持ちました。
「この2種類の波が干渉することはわかるけれど、
 なぜ、下図の2種類の波の組み合わせで波が干渉する
 とはなっていないのだろう?

と。
ファイル 3047-2.png

私は、この生徒は素晴らしいところに
目を付けている
と思いました。

なぜなら、この生徒が気が付いたこの新たな2種類の波の組み合わせ
については、教科書には書かれていないから
です。
そして、「まぁそういうものか」とやり過ごさず、
疑問に思ったことに対して探求して考えようという好奇心を持っている
から
、私は素直に「その疑問、いいね」と思いました。

今回は、この疑問について、お答えしたいと思います。

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先にズバっと結論を書くと
「光路差が大きくなると、コヒーレンス(可干渉性)を保てなくなるから」
です。

これだけ読んでもピンと来づらいと思いますので
解説していきます。

平凸レンズと平面レンズの隙間は、図で見ると距離が大きく
見えますが、実際は微小な距離になります。
一方、平凸レンズの端の方になれば、平凸レンズの上面と下面
との距離は確かに微小になりますが、かなり端でない限り、
距離が大きくなります。
そういった意味で、「光路差が大きくなる」ということになります。

「コヒーレンスを保てなくなるから」という部分については
高校物理の範囲を超えてしまうのですが、ざっくりお話したいと思います。

コヒーレンスに触れる前に、波束という概念について理解する
必要があります。

「光の波はサイン波のように過去にも未来にも、一定の波長・振幅で
 連続的に(途切れることなく)続いている。」
と思っていないでしょうか?
私も高校生のとき、このように思い込んでいたのですが、
実は違うんです。

「ある長さの波の塊(これを波束という)が次々と送り出されてくる」
のです。

そして、ここはぜひ覚えておいて頂きたいところですが
「光の干渉は、同じ波束から分かれた波が重なるときに起こる
 現象であり、異なる波束間の波では干渉は起こらない」

のです。

ということは、光路差が長くなると、それだけ干渉するまでに時間
がかかるため、同じ波束同士で干渉することができなくなります。

そうなると、同じ波束でないと位相がぴったりと一致しなくなって
しまうため
、光の干渉という現象が起きなくなってしまうわけです。

コヒーレンスといのは、異なる光路をと通った光の
相関関係の強さのことを示し、コヒーレンス関数
というものが存在しますが、干渉することができる(可干渉である)
状態のことをコヒーレンスがあるという表現をして
差し支えない(一般的に通じる表現)と思いますので、
先の解答では「コヒーレンス(可干渉性)を保てなくなる」
という表現で記載しました。

今回はニュートンリングを例に扱いましたが、
他にも、光の干渉の例を見ると、全て薄肉の状態である
ことに気が付くと思います。
そう、厚肉になってしまうと、上記で示したように
コヒーレンスを保てなくなるわけです。

ただ、ここで一点、どうしても付け加えておきたいことがあります。
それは、上記の話は光源として自然光や電球などを用いている場合です。
レーザー光の場合は話が変わってきます。
おそらく、厚肉であっても、うまく実験すると干渉が起きると思います。

なぜなら、レーザー光は光の波が途絶えず、
ずーっときれいなサイン波を保っているからです。

ですから、レーザー光の場合は、異なる時間にレーザーを出発した光波同士も
干渉しますし、同じ時刻に異なる場所を出発した光波同士も干渉します。
ちなみに、前者が時間コヒーレンス、後者が空間コヒーレンスと呼びます。

実際に、調べてみると、『「厚膜」における光の干渉を観察できる』
という文献を見つけることができます。
URLを下に記載しておきますので、もし時間が許せば見てみて下さい。
http://www.koshi-h.ed.jp/wp-content/uploads/2018/08/H28_02_interference.pdf


以上、今回は、光の干渉の問題を題材に
光の性質であるコヒーレンスについて書いてみました。

高校の理科の範囲ですと、まだまだ疑問に感じる部分が
たくさんあると思います。
「なぜだろう? 探求してみたい!」という思いがあると
大学という学びであり、かつ研究の場である大学は、
とっても楽しい場になることでしょう。

詳しくは大学でご堪能あれ~♪

ファイル 3047-3.jpg ファイル 3047-4.jpg

(八千代緑が丘校 轟)

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