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国語力強化の冬、だそうです。

こんにちは、ismユーカリが丘の後藤です。

昨日、石井先生に書いていただきました通り、冬期講習では国語力に力を入れるそうです(けして、他科目には力を入れないということではありませんので、ご安心ください!)。

まあ、私は理系科目の教務なので国語力とは無関係でして………とはなりません。なにしろ、ちょうど今国語を使ってブログ記事を書いていますからね。

https://www.nippon.com/ja/features/c04703/
教科書が読めない子どもたち:AIに仕事を取られる前にすべきこと

1年以上前の記事で申し訳ありません。「教科書が読めない子どもたち」はベストセラーとなった書籍でして、電車の広告などで見たことある方も多いと思われます。この記事の中にある問題が載っています。
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*幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。上記の文が表す内容と以下の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。
1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
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正解は「異なる」です。「幕府が大名に何かを命じられるわけない」と分かれば、社会科の問題としても解けますが、正解率は中学生で57.4%、高校生で72.3%だそうです。つまり、高校生でも3割近くがこの問題を間違えています。


国語力、というと国語で点を取る力、つまり、漢字をいっぱい書けるとか、難しい単語や熟語をいっぱい知っているとか、長文問題が解けるとかと思われるかもしれませんが、国語以外の科目でも教科書や問題文は国語で書かれています。国語力は国語を理解する力です。この力があるかどうか、というのは「先生のいないところでも自分でテキストを読んで勉強できるか?」に直接関わってきます。

例えば、下記の問題は2013年センター試験数学ⅠAの問題文です(一部表現を変更しております)。

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*点Oを中心とする半径3の円Oと、点Oを通り、点Pを中心とする半径1の円Pを考える。円Pの点Oにおける接線と円Oの交点をA、Bとする。また、円Oの周上に、点Bと異なる点Cを、直線ACが円Pに接するようにとる。直線ACと円Pの接線をDとする。
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問題はこの後です。図形の問題ですが、センター試験には図がありません。「この文章を読んで、自分で正しい図が書けるか?」まだ何も聞かれていないようで、もう試験は始まっているのです。

中学入試や高校入試では図形の問題には図が書いてあることが多いですが、図形以外の問題でも、「自分でイメージできるか?」、「頭の中だけでは限界な時に、図を紙に書けるか?」という部分でつまずく生徒は少なくありません。例えば、下記のような文章題でも…。

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*家から駅までは1480m離れている。父は駅から自宅へ電話をして、駅から家へ分速80mで歩いた。電話を受けたA君は、家から駅へ分速75mで歩いて父を迎えに行った。A君が家を出発したのは、父が駅を出発した3分後だったとすると、2人が出会うのは家から何mの地点か。
(新中学問題集 数学1年p.74より引用。)
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中学生用の問題集ですが、方程式を知らずとも解けるので小学生でも解けます。小学生が解くにしろ、中学生が解くにしろ、この問題で最も大切なこと、それは「A君と父親の動きがイメージできるか?」です。小学生でも解ける問題である一方、イメージができないと中学生でも苦戦する問題です。

今回の例は数学・算数でしたが、このほかの科目もこういった(国語の問題よりは)短い文章の読解力が必要不可欠ではないでしょうか?「problemとquestionの違い」であったり、「浮力は物体が押しのけた液体の質量に等しい、というアルキメデスの原理」であったり、「『元寇が襲来したことにより、鎌倉幕府が倒れる』に代表される歴史のストーリー」であったり、「『道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合は、例外的に自動車による歩道の通行が認められている。』というルール」であったり………(最後の例は入試とは無関係ですが、わからないと将来運転免許が取れないかも…?)

読んだことを理解すること、これが全ての勉強の第一歩です。誉田進学塾では中学生のみならず、小学生のうちからもそういった「勉強への土台作り」に力を入れております。