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【生徒からの質問より】融点 第3話:結合の始まりは共有結合から

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こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。

生徒から化学についての融点についての質問から
始まったこのシリーズですが今日は第3話。

第1話
http://www.jasmec.co.jp/cgi-bin/diaryopen/diaryopen02/diary.cgi?no=2937
第2話
http://www.jasmec.co.jp/cgi-bin/diaryopen/diaryopen02/diary.cgi?no=2939

前回の第2話でお話させて頂いたように
原子間をつないでいる力は電気的なものなんです。

結合と聞くと、学校で共有結合・金属結合・イオン結語など
学習したと思いますが、原子の電子配置が元素によって異なる
ために原子間の結合の姿が異なっているだけで
電子が原子同士を結びつけているという点では
(広い視野で見ると)同じと捉えることができます。

A、Bという2つの原子があったとします。
この2つの原子が1Å~3Åぐらいの距離まで
近づくと、各原子の電子の軌道同士が連結します。
(Åは長さの単位の1つでオングストロームと呼びます。
1Åは10^(-10)mのことです。)

軌道が連結すると、Aの電子がBへ、Bの電子がAへと
電子の相互乗り入れが可能となります。
そして、連結した軌道は2つの原子にまたがる
1つの軌道とみなされ、その軌道に乗れる電子の定員は
2となります。

ここで具体例として水素について考えます。
水素原子はK殻の1s軌道に不対電子を1個持ち、
電子を1個受け取ると、ヘリウムと同じ安定な電子配置
となります。
このため、水素原子2個が接近すると
ファイル 2940-1.png
両者の水素原子の1s軌道同士が連結し、
分子軌道を形成します。
ファイル 2940-2.png
↑の図はあくまでイメージ図。

少し横道にそれますが、
東進の鎌田先生の授業を受けている人は
結合について、それぞれの原子の電子軌道を考え、
電子軌道の重なりの部分で電子を共有するという
原子価結合法(Valence Bond法)の考え方で
σ結合やΠ結合について習ったと思います。

原子価結合法は電子が局在化するという考え方をしますが、
↑の図は、水素分子になった際に、2つの電子が分子全体に
広がるという非局在的な考え方をする
分子軌道法(Molecular Orbital法)のイメージで描いてみました。
詳しくは大学の化学の授業で…。

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では話を元に戻します。

電子がこのように相互乗り入れをすると原子同士は
離れなくなります。それはなぜなのか…。

この電子の立場からすれば、1つの原子核だけに
引き寄せられている状態から、2つの原子核に
引き寄せられている状態になったため、
エネルギー的に安定化し、その状態を続けようとします。

また、原子核からすると、相互乗り入れした電子をめぐって
取り合いをしている状態でもあります。

原子核間に2つの電子が交互に入ってきて
原子核を自分の方に引き寄せようとするから、
あるいは、この電子を2つの原子核は引き寄せよう
とするから原子間に全体として引力が生じると
考えられます。

このように、2つの軌道が連結したことで
2つの電子を2つの原子間で共有することで
その電子と原子核間の引力が土台となり、
原子間に結合が生じる
のです。

この2つの電子(電子対)の共有による結合が
今日言う共有結合なのです。

今日は共有結合についてお話しさせて頂きましたが、
これは次回お話しさせて頂く金属結合
の成り立ちの話の準備になります。

ですので、今日の話を覚えておいて頂いて
また次の第4話を見て頂ければ幸いです。

(八千代緑が丘校 轟)

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