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∇(ナブラ)ってなに?ベクトルの世界をつなぐ魔法の記号!

こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。

先に、マクスウェル方程式についてブログで書いたところ、
生徒から早速、「この記号(∇)って何ですか?」
と質問がありました。

これは「ナブラ」と読むのですが、
ナブラ(∇)は「微分の方向」を表すベクトルのような微分記号です。

英語では「nabla(ナブラ)」と呼ばれていて、
ギリシャ語の竪琴の形からきています。

ファイル 4906-1.png

つまり、x・y・z 方向への微分を並べたもの=「方向つきの微分」
だと思って頂ければOKです。

ナブラは何に作用させるかによって意味が変わるのが特徴です。
代表的な3つの使い方をご紹介致します。

1. 勾配(gradient:グラディエント)
ファイル 4906-2.png

これは「スカラー場(ただの数字)f」のもっとも増える方向を示す
ベクトルです。

例:気温 f(x, y, z) が空間でどう変化しているかを表すとき、
∇f はいちばん気温が上がる方向を示します。

イメージは「山登り」。
fが「標高」だとしたら、∇fはいちばん急な登り坂の方向です。


2. 発散(divergence:ダイバージェンス)
ファイル 4906-3.png

これはベクトル場の「出入りの量」を表します。

例:空気の流れを表すベクトル場 Fがあるとき、
その場所で空気が「広がっている(発散)」のか
「集まっている(収束)」のかがわかります。

イメージは「風船の中の空気」です。
風船が膨らんでる場所では、空気が出ていく(発散している)=値が正。
しぼんでる場所では、空気が入ってくる(収束している)=値が負。


3. 回転(curl:カール)
ファイル 4906-4.png

これはベクトル場の“回転するような動き”の強さや向きを表します。

例:水の流れや風の渦を表すとき、その場に渦の中心(回転)が
あるかがわかります。

イメージは「水流に棒を浮かべたらくるくる回るか?」です。
回れば curl が大きい、回らなければ curl はゼロです。

マクスウェル方程式など電磁気学ではナブラ記号が大活躍しています。
①電場の発散 → 電荷の分布に関係
②磁場の発散 → 磁荷がないことを示す
③電場の回転 → 磁場の変化と関係
④磁場の回転 → 電流や電場の変化と関係

このように、自然界の力の“流れ”や“回り”を1つの記号で表せるのが、
∇(ナブラ)のすごいところです。

上記3つをまとめると、以下となります。
勾配(gradient) :スカラー場がいちばん増える方向
発散(divergence):ベクトル場がどれくらい広がっているか
回転(curl)   :ベクトル場がどれくらい渦を巻いているか

∇(ナブラ)は「空間の中で何が起こっているか」を調べるための、
魔法の道具みたいな記号です。

数学が得意じゃなくても、「方向」「広がり」「回転」といった
直感的なイメージを持っておけば十分です。

ファイル 4906-5.jpg

これをきっかけに、ベクトル解析や電磁気学の世界が
少し楽しく感じて頂けたら幸いです。

(八千代緑が丘校 轟)

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桜満開!

大網白里校の一関です。

一部私立高校では新学期が始まっていますが、
来週始業式、入学式を迎える方が多いかと思います。

ファイル 4893-1.jpg ファイル 4893-2.jpg

大網白里校の校舎前には、毎年きれいな桜が満開になります。
今年もこの季節がやってきたな、と風情を感じられます。

新しい門出を祝うとともに、高校新生活スタートに合わせての
学習相談は随時受付しています。
4月初めは忙しい時期ですが、だからこそ時間を有効活用して
欲しいと思います。

ワクワク感を持ちながら、必要な学習を共に進めていきましょう!
(大網白里校 一関)
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マクスウェル方程式とは?~電気と磁気の統一法則~

こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。

生徒から「マクスウェル方程式って何ですか?」
と質問を頂きました。

物理の授業の中で名前が出てきて、「何だろう?」
と好奇心を持ったのだと思います。

詳しくは、大学で学んで頂くとして、
今回は雰囲気を味わってもらう程度に
簡単にご紹介致します。

電気(電場)と磁気(磁場)には、それぞれのルールがある…
と思われていた時代に、「実はこれらは密接につながっていて、
1つの理論として統一できる!」と示したのが
ジェームズ・クラーク・マクスウェル(1831–1879)です。

彼がまとめた4つの方程式は、次のように表されます。


1. ガウスの法則(電場)
ファイル 4905-1.png

電荷(ρ)があるところに、電場(E)が生まれる
という意味の式です。

・ρ:電荷密度(1立方メートルあたりの電荷)
・ε0:真空の誘電率(電場の“通しやすさ”)

たとえば、プラスの電荷のまわりには、外向きの電場が
放射状に出ます。
中学理科でやった静電気のイメージに近いですね。


2. ガウスの法則(磁場)
ファイル 4905-2.png

磁場(B)には「始まり」も「終わり」もないく、
必ずループするという意味です。

磁石は必ずN極とS極のペアになります。
N極だけ、S極だけというのは自然界には存在しません。
磁力線は必ず閉じたループを描きます。


3. ファラデーの法則
ファイル 4905-3.png

磁場が時間的に変化すると、まわりに電場が生まれる
という意味の式です。

これが「磁石を動かすと電気が流れる」現象、
つまり電磁誘導です。

コイルに磁石を近づけると、電気が流れるのはこの法則のおかげです!


4. マクスウェル=アンペールの法則
ファイル 4905-4.png

電流(J)が流れると磁場ができ、また、時間的に変化する電場も
磁場を作るという意味の式です。

・ε0:真空の誘電率(電場の“通しやすさ”)
・第2項:マクスウェルが追加した
 「変位電流(displacement current)」の項

これによって、電場と磁場がお互いに作り合う関係であることが
わかりました。


つまりこの4式、なにがすごいのかというと、
この4つの式で、電気と磁気の現象をすべて説明できるだけでなく、
光(=電磁波)も、これらの方程式から導かれるんです!

実際、マクスウェルはこの方程式から電磁波の伝わり方を導きました。

それから、ファラデーの法則とマクスウェル=アンペールの法則からは、
次のような関係が出てきます。

変化する電場 ⇒ 磁場をつくる ⇒ その磁場がまた電場をつくる
⇒ それが空間を進んでいく=電磁波

この波が、Wi-Fiや光やラジオやX線など、すべての「電磁波」です。
マクスウェルは、「光も電磁波の一種である」と予言したのです。
(のちに実験でも確認され、大発見となりました。)

マクスウェル方程式そのものは高校では出てきませんが、
内容はすでに出てきています。
・電場と電荷の関係 → 静電気、クーロンの法則
・電流と磁場の関係 → アンペールの法則、右ねじの法則
・磁石を動かして電気を生む → 電磁誘導(ファラデーの法則)
・光は波であり、電磁波の一種 → 波の性質(光の干渉、回折など)

つまり、高校物理の知識の「根っこ」がこの4つの式にあるというわけです。

マクスウェル方程式の内容をざっくりとまとめると以下となります。
①ガウスの法則(電場):電荷があると電場が出る。
②ガウスの法則(磁場):磁場はループを描く(N極だけはない)。
③ファラデーの法則:変化する磁場が電場を生む。
④マクスウェル=アンペールの法則:電流や変化する電場が磁場を生む

マクスウェル方程式は、ただの4つの数式ではありません。
自然界のふるまいを、ものすごく簡潔に、美しくまとめたルールなんです。

「電気」と「磁気」がひとつの法則でつながり、
そこから「光」や「通信」までつながっています。

ファイル 4905-5.jpg

式の内容まで理解することは高校生のうちは難しいと思いますが、
何となく、雰囲気だけでもつかんで頂いて、早く大学に進学して、
電磁気学を学びたいと思って頂けたら幸いです。

(八千代緑が丘校 轟)

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今月末は共テ模試!

こんにちは。
八千代緑が丘校 事務の牛尾です。

最近は天気が不安定ですね。
明日も雨が降り、少しひんやりしそうです。
雨に濡れて風邪を引かない様に気を付けていきましょう。

さて。少し先にはなりますが、
4/23(日)には共通テスト本番レベル模試があります。
最近入塾した方にとっては、塾で受ける最初の模試になります。
ファイル 4882-1.jpg ファイル 4882-2.jpg
(↑模試の様子はこんな感じです♪)

「難しい…分からない…!」と感じる問題もあると思います。
ですが、焦ることはありません。
これから出来るようにしていけばいいのです。
丁寧に振り返りをして、次に繋げることが大切です。
あまり気負わず、チャレンジしてみてくださいね(#^.^#)
(八千代緑が丘校 牛尾)
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もうすぐ入学式

いよいよ4月、新学期になりました。
入学式が間近な人も多いと思います。
在校生は後輩の受け入れで部活など忙しそうにしています。

五井駅前校では、すでに新高1が学習をスタートしています。
学校の先取りで学習していくことで学校の授業が2周目になり定着度UP!
また、公立高校の生徒は学校だけでは中高一貫校のスピードに追い付けないことがほとんど。
新課程になって取り組む内容が増えている今、先取りで学習を進めるのはとても大切ですね。

先日は新高1の初HRも開催しました!
今は少数精鋭ですが、みんなで競い合い支えながら学習をしていきましょう!
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おいおい、東大もかよ~

おはようございます。
八千代緑が丘校の轟です。

生徒から、今年の東京大学の物理の第2問(電磁気)
の問題について、質問を頂きました。

それについては、明日のブログで書かせて頂こうと
思うのですが、その前に…。

ファイル 4883-1.png

今年の電磁気の問題は、第2問のⅡでは、↑の図のように、
ソレノイドコイルに、円形コイルを近づけていった際に、
円形コイにどのような力がかかるのかを考察する問題でした。

そこで、電磁誘導によって円形コイルに電流が流れ、
その電流がソレノイドコイルによって発生する磁場によって
アンペール力を受けるわけなんです。

アンペール力に関して考察する前に、
円形コイルに生じた誘導起電力によって流れる電流の大きさを
求めるの設問が出題されました。

ここから、今日の本題に入ります。

今回の問題に限ったことではないのですが、
この手の問題の問題文の作り方が雑であることが
多いんです。

今年の東京大学では、このような設問の作り方でした。

ファイル 4883-2.png

皆さん、この設問の作り方に違和感を感じませんか?

明らかに、ファラデーの法則を活用して解かせようと
していることは見え見えなのですが、磁場Φの正の向き
を定義していないため、円形コイルに+x方向/-x方向の
どちらの向きに磁場が増えると⊿Φが正になるのかが、
わからないわけです。

設問で問われているのは、電流の大きさなので、流れる電流の
向きには言及していないため、答えを出すためには支障はありません。
(ですから、出題ミスということではありません。)

しかし、そもそも、ファラデーの法則によって誘導起電力を
考える際に大切なことは、閉回路において、誘導起電力の正の向きを
右回りに電流を流そうとする向きにとるのか、それとも左回りに電流を
流そうとする向きにとるのか、そこが重要なわけです。

ですから、答えを出すのに支障がないとは言え、ファラデーの法則を
使わせる問題において、磁場の正の向きを定義していないというのは
いかがなものかと私は思うわけです。

でも、今回の東京大学の問題に限らず、入試問題ではこのように、
磁場の正の向きを定義していない問題をこれまで沢山見てきました。

その度に、入試問題を作成する大学の先生方には、この点を改善して
頂きたいなと思います。

まさか、このブログを大学の先生が見て下さっている可能性は
非常に低いですが、もし、見て下さっていれば、是非、
電磁誘導でファラデーの法則を使って解を求めさせる問題を出題
する際は、しっかりと磁場の正の向きを定義して頂きますよう、
よろしくお願い致します!

ファイル 4883-3.jpg ファイル 4883-4.jpg

では、明日、生徒から質問を頂いた件に関して、
書かせて頂きたいと思います。

ファイル 4883-5.jpg

では、今日も皆さん、良い学びとなりますように~♪

(八千代緑が丘校 轟)

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