こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。
先に、マクスウェル方程式についてブログで書いたところ、
生徒から早速、「この記号(∇)って何ですか?」
と質問がありました。
これは「ナブラ」と読むのですが、
ナブラ(∇)は「微分の方向」を表すベクトルのような微分記号です。
英語では「nabla(ナブラ)」と呼ばれていて、
ギリシャ語の竪琴の形からきています。
つまり、x・y・z 方向への微分を並べたもの=「方向つきの微分」
だと思って頂ければOKです。
ナブラは何に作用させるかによって意味が変わるのが特徴です。
代表的な3つの使い方をご紹介致します。
1. 勾配(gradient:グラディエント)
これは「スカラー場(ただの数字)f」のもっとも増える方向を示す
ベクトルです。
例:気温 f(x, y, z) が空間でどう変化しているかを表すとき、
∇f はいちばん気温が上がる方向を示します。
イメージは「山登り」。
fが「標高」だとしたら、∇fはいちばん急な登り坂の方向です。
2. 発散(divergence:ダイバージェンス)
これはベクトル場の「出入りの量」を表します。
例:空気の流れを表すベクトル場 Fがあるとき、
その場所で空気が「広がっている(発散)」のか
「集まっている(収束)」のかがわかります。
イメージは「風船の中の空気」です。
風船が膨らんでる場所では、空気が出ていく(発散している)=値が正。
しぼんでる場所では、空気が入ってくる(収束している)=値が負。
3. 回転(curl:カール)
これはベクトル場の“回転するような動き”の強さや向きを表します。
例:水の流れや風の渦を表すとき、その場に渦の中心(回転)が
あるかがわかります。
イメージは「水流に棒を浮かべたらくるくる回るか?」です。
回れば curl が大きい、回らなければ curl はゼロです。
マクスウェル方程式など電磁気学ではナブラ記号が大活躍しています。
①電場の発散 → 電荷の分布に関係
②磁場の発散 → 磁荷がないことを示す
③電場の回転 → 磁場の変化と関係
④磁場の回転 → 電流や電場の変化と関係
このように、自然界の力の“流れ”や“回り”を1つの記号で表せるのが、
∇(ナブラ)のすごいところです。
上記3つをまとめると、以下となります。
勾配(gradient) :スカラー場がいちばん増える方向
発散(divergence):ベクトル場がどれくらい広がっているか
回転(curl) :ベクトル場がどれくらい渦を巻いているか
∇(ナブラ)は「空間の中で何が起こっているか」を調べるための、
魔法の道具みたいな記号です。
数学が得意じゃなくても、「方向」「広がり」「回転」といった
直感的なイメージを持っておけば十分です。
これをきっかけに、ベクトル解析や電磁気学の世界が
少し楽しく感じて頂けたら幸いです。
(八千代緑が丘校 轟)
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