Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2013年07月号)
逆境との遭遇
いよいよ夏期講習が近づいてきた。受験生にとっては天王山!!
つい目の前の得点や結果に目を奪われると本質を見失う。どうやって得点を上げるか、成績をよくするやり方は何かと、成果を出す方法論ばかりを見ていてはいけない。得点や成績は結果であり、その結果を生み出す本当の原因、真因を見つめてみよう。
結果を出す方法はただ一つ、ゴールから逆算した適切な行動計画を実行し続けることしかない。その行動を維持するには、心、すなわち精神力を鍛えなければならない。では、心はどうやって鍛えられるのか。心を磨くには、逆境を乗り越える経験をすることが必要であろう。簡単にたどり着くような整地された道を歩いているだけでは、決して心は成長しない。心にとって少し大変だと思うことを与えなければ磨くことはできないはずだ。
ただし、挑戦する前から無理だ、できないと諦める気持ちがあってはいけない。それでは成長する前に、簡単に挫折する道を選択してしまうことになる。一度諦めるとそれが習慣化する。
諦めない気持ちを育てるには、やればできるという乗り越える体験が必要だ。そのためには物理的な、難しいけれど乗り越えられると思えるぎりぎりの階段をうまく用意すること。そして、何より一番大切なことはその経験のスピードを限りなく早くしてたくさん繰り返すこと。実はこの夏期講習の目標の一つがそこにある。
どんなに苦しく感じるときも、毎日、休まずに通塾することが一番大切。一度塾に来てしまえば何とか乗り越えられるように工夫してある。まずは休まず塾に来ること。保護者の皆様のご理解とご協力をお願いしたい。
乗り越えるための「逆境」、ただ今、鋭意準備中です。
※この内容は2013/07塾だよりに掲載したものです。
私たちの塾は、ときどき誤解を受けることがある。高校入試直前期の塾生たちが勉強に集中する姿から、イメージだけによって、勉強をやらされている、詰め込まれているのではとの誤解だ。そのイメージは、私たちの塾との実際とは全く異なる。
いわゆる管理教育とは、まったく相反する考え方である。勉強の面白さを伝え、自分から自然に取り組み、それがわかって、できたという達成体験により、自発的、能動的に困難に立ち向かう気持ちを引き出す。小さい学年から、丁寧にトレーニングを組み立てている。どちらかというと、点数を取る詰め込みの量のトレーニングではなく、心のトレーニング。
ただ、巻頭言本文だけ読むと、初めから安全なルートだけが用意されているように少々誤解されるかもしれない。このようなトレーニングは、一人ひとりがこれは困難かもと思うようなものをチャレンジするのでなければ効果がない。それは仕組みだけでは可能にはならない。易き道に心が逸れることなく、挑戦し続ける気持ちを引き出すためには、同時にメンタルのサポートも欠かせないからだ。
このような考えによる指導によって入試時期になると、驚異的な集中力を発揮する。その姿がスパルタなものを連想することからの誤解だろう。やらされている行動と自分からやりたいと思っての行動とでは、次元が異なる力を持つ。見かけは似ているが、いわゆるスパルタによって頑張らされているのと、自らの意志で頑張り続けることとは、まったく違うものだ。
そして、その心を順調に育てていけば、大学受験では、「物理的」に手を貸すような場面はほとんどなくなるはずである。スポーツの世界で言えば、必要なのは技術コーチではなくメンタルコーチということだろう。
そのような指導で、多様な一人ひとりの生徒たちを育てるには、膨大な手間と時間がかかる。だが、それを諦めずに続けていきたい。
写真は、同じ号に載っていた、救命救急の訓練の様子です。消防署の方たちに指導していただきました。