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巻頭言2024/08より] 今しかできないこと

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Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2024年8月号)

今しかできないこと

 ちょうど、夏期講習前半の追い込みの時期であろう。これを書いているのは夏期講習前の時期。夏期講習中は、スタッフ全員が朝から夜まで生徒の対応に全力を尽くす。その前のG.W.明けから7月前半までは、夏だけでなく、1年間の指導に必要なものを準備する仕込みの期間。加えて、スタッフたちは研修に力を入れている。

 また例年6,7月は、全国同業他社との研修や情報交換の時間でもある。コロナ禍が落ち着いてきた昨年からは他塾との訪問交流も少しずつ再開した。今年は、中部地方のいくつかの塾を訪問する機会があった。その一つでは、同じ東進衛星予備校を運営する県単位のトップの塾に、若手も含め数名を同行し、校舎の生徒対応の様子を見学だけでなく、幹部や現場のスタッフの皆様と、意見交換、情報交換の時間をたくさんとっていただいた。このように実際に行って感じること、そして双方からの積極的な意見交換は、参加した双方に大いに刺激を与える。自分の目で直接見て、直に感じることが重要だ。そして、同時に自分で考えることが成長の原動力になる。いつもと異なる環境と体験が、新たな思考、発想を生むと改めて感じた。

 受験生は、日々の受験勉強に集中する時期だろう。苦しいと感じることも少なくはないだろうが、捉え方を変え、今しかできない二度とない特別の時間と思って、充実して過ごしてほしい。受験学年でない塾生たちには、ぜひ、その年齢としての夏休みにしかできない様々な体験をする機会があればと願う。そしてできれば、それが知的な体験で、知的興味を生み出し、知的好奇心を育てるものであってほしい。

 ある甲信越地域で、通りがかった見ず知らずの塾の看板に「勉強は青春だ」と大書してあった。知的好奇心を持ち、前向きな気持ちで挑戦すれば、勉強に打ち込むことは、楽しく充実した特別な時間となるはずだ。勉強することは、学問の探求に続く道であり、ただ我慢して乗り越える難行苦行の修行ではないと信じる。
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※この内容は2024/8塾だよりに掲載したものです。
 本文にあるとおり、昨年あたりから訪問交流を少しずつ元に戻して、活発化してきている。夏明けにも、別の中部地方の他塾訪問を実施した。この他塾訪問はコロナ禍前までは頻繁に交流していて、社員合宿を兼ねて全社員での見学会も毎年実施していた。貸し切り大型バスを仕立てたり、新幹線の利用も。さすがにこちらの人数が増え過ぎて受け入れ先がなくなったので断念。
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 もともと、うちの塾に来訪いただくことは歓迎しているので、そちらも、これまでにたくさんの皆様に来ていただいた。
 どちらも必ずたくさんの気づきがある。校舎の様子を一目見ただけでも、その感触の違いにピンとくることが少なくない。さらに質疑応答・意見交換を通して、さまざまな気づきが得られる。大切なのは、この「気づき」。学んだものをそのまま真似してうまくいくことはほとんどない。まず、その本質を正しく理解して、その上で自分たちにどう工夫できるかを考えていくことで学びの進化が生まれる。
 自分の内側にないものを、新しく自分に適合させて取り込み、応用していくことこそ、学びの本質であろう。常に新しい外的な刺激は欠かせない。
 どんな年代でも「勉強は青春だ」!