Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2013年11月号)
得意で勝つ!
受験生はいよいよラストスパートの季節だ。この時期になると苦手科目の克服が大きなポイントになる。だが、苦手意識があるものに対して、初めから意欲的に立ち向かうことはとても難しい。そんなときは、苦手科目全体を見ずに、できるだけスモールステップに細分化して、一つ一つだけに注力する。一番苦手意識の少ない、どこかの単元、どこかの分野だけに集中して、そこだけでも得意にすることを考える。勉強はできるようになることで、意欲が増す。成果が見えず、前進している感覚がない状態が続くと意欲は減退する。そしてマイナスの気持ちからは成果は生まれない。少しずつに分けて、一つずつやり遂げていく感覚を掴むしかない。
それでも苦手科目をいくら勉強しても、結局は得点が稼げる「武器」になる科目にはならないことがほとんどだろう。ある程度までいくと、最後は得意科目も磨かなければならない。得意科目で得られる達成感は苦手科目を乗り越える原動力も生み出す。周りから、余りマイナスの気持ちを押しつけないようにしてほしい。苦手科目を一番よく知っているのは本人なのだ。
そして受験生以外は、なかなか目標を設定しにくく、やる気を維持するのが難しい、今のような時期には、得意科目を伸ばすことを優先するのがよい。どんどん問題を解いて○が増えればやる気もでる。一つでも自信を持っていると、あとで伸びるのも早い。これといった苦手科目がなくても、得意科目もそれほどでもないケースが一番伸びない。今のうちに、勉強は「勝って」終わる習慣をつけてほしい。
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※この内容は2013/11塾だよりに掲載したものです。
始めから、本当の意味での「得意」があるわけではない。「得意」だ、という思い込みが先に来るのだろう。次に、その「得意」で勝つ経験がやる気を生む。
好きだからやり続ける。やる続けるからうまくなる。うまくなるから好きになる。その繰り返し、それが得意の正体だ。
苦手はその逆。嫌いだからやらない。やらないからできない。できないから嫌いの負の循環。それを克服させると言って無理やりやらせると、嫌々の行動なのでますます嫌いになる。
得意なものをどんどん伸ばすと自信が生まれる。自分は、やればできる。他もやればできるかもという心が芽生える。苦手の克服は、自分で克服できるかもと気づいてから始めるのがよい。
受験期になれば、得意科目を生かすには、どうしても苦手科目を乗り越えなければ突破できないことに気づくはずだ。その時点で得意なものがとことん得意になっていれば、より大きな克己心が生まれるだろう。
そして、そもそも苦手で勝つ必要はないのだ。苦手は負けなければよい。いや、大きく負けなければよい。得意で勝つ。苦手で少しくらい負けていても、ひっくり返して勝つ力があるくらいまで、得意を伸ばすことの方が大切だ。
それまで、苦手に必要以上に焦点を当て過ぎないように、嫌いになり過ぎないように、騙し騙しで過ごさせることの方が大切かもしれない。「勉強」自体を嫌いなものにさせないように。