Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2014年01月号)
閃く瞬間
premium高校部東進衛星予備校ユーカリが丘校開校記念として安河内哲也先生特別公開授業を開催した。開会前の打ち合わせの際に、同席していたのだが、先生はお祭り的なイベントで盛り上がるのではなく、授業の内容自体で生徒に盛り上がってほしいと考えていらっしゃった。東進の先生方は、最近はテレビなどでも有名になり、ちょっとしたタレントとして見られがちだが、どの先生方も授業に対する真摯な態度は流石だ。
そして本番。授業のラストのところで、英語でスピーチ。英語は何のために勉強するのか、それはテストで点数をとるためではない、就職のため、お金のためでもない、世界中の人たちと英語でコミュニケーションできること、その英語を学ぶこと自体が素晴らしいんだとお話しされた。この授業を通して、受験英語を超越した、日本の英語教育にかける情熱が伝わってきた。
英語だけに限らず、学ぶことの本質、それは学ぶこと自体がもつ素晴らしさにある。何かのために我慢して努力することも、もちろん大切だが、学ぶこと、わかったと閃く瞬間の感動、できた瞬間の嬉しさは、他の何にも代えることのできない特別なものである。
若者たちに、若き日にその感動を体験し、学ぶことを一生の友とするような人生を歩んでほしいと願う。一人でも多くの生徒たちに、その素晴らしい体験を提供できるように、スタッフ一同、今年も今まで以上に頑張ります。
縁あってチバテレビ「知ったかぶり甲子園」というクイズバラエティのお手伝いをさせていただいた。入試問題を題材にした閃きクイズバラエティで、中高大、全ての入試を指導する。
※この内容は2014/01塾だよりに掲載したものです。
続きである。
前回に続いて、勉強の成果の原点となる法則「成果の方程式」について。
成果 = 心 × 質 × 量
「心」と「質」と「量」の積で生み出されると考える。それらは相互に干渉し、一つひとつは小さな前進に過ぎなくても、やり続ければ少しずつ加速していく。時間をかけ努力を続ければ、成果は増加し、学力は伸び続けるはずだ。
教育とは、その影響する「磁場」を創ることではないだろうか。
ここまでが前回。
磁場を創ることが、心を高めることにつながらなければ効果はでない。
学ぶ「心」は「志×考え方」に分解することができるだろう。
学ぶことへの志。何のために学ぶのかという目的意義である。目的意義が明確で使命感を持って進む人は確かに強い。だが、これは繰り返し述べてきたが、時間をかけて成長したのちに生まれ、強くなる心である。以前に書いた通り、少なくとも学問的分野で卓越した業績を上げるような人たちが、その分野を志した時期は、他の分野の人たちよりかなり遅いことはわかっている。少なくとも思春期、反抗期の後であろう。
その前の「好き」という気持ちが、やりたい気持ちを生む。そして、何か他の目的のための道具として「学ぶ」人たちよりも、「学びたい」という気持ちで動き続ける人たちの方が強い。使命感は続けていることで結果として生み出されるもののはずだ。
根源的な力を生み出すのは、原始的で素朴な、「楽しい」「好き」という気持ちであると信じる。学んでいることが、わからないからわかるに変わる一瞬、閃いた瞬間の体験は他のものでは味わえない感動がある。その体験が「好き」を生む。
根源的な力を生み出すのは、原始的で素朴な「楽しい」「好き」という気持ちであると信じる。