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[巻頭言2021/11より] 不易と流行

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2021年11月号)

不易と流行

 ときどきでもweb siteの外部向けコラム「学ぶことは素敵なこと」をお読みいただいている皆様はご承知と思うが、この「巻頭言」のバックナンバーの連載を昨年から細々ながら続けている。スタートが2006年4月なので、15年前のものから遡って、これがお手元に届く頃は、ようやく10年前あたりまでくるはず。

 当然のことながら月例の掲載で、年ごとの繰り返しになり内容もかぶるものもあるが、そのときどきに思うこと、感じたことを書き綴ってきたので、時事的話題だけでなくとも、今のうちの塾の姿からすると内容が古いだろうと思いながら、読み返し、今の目線からの注釈やコメントをつけながら掲載してきた。

 だが予想に反して、書いてある根本は変わらないものがほとんどであることに驚く。それだけ、見かけ上の流れが変わったように見えても、その教育の本質は変わらない、ただ本質に向けて前進してきただけということなのだろう。

 そしてそれは世の中の教育の全体にも当てはまるのではないだろうか。確かにコロナ禍が1年半以上続き、学校でもIT化やオンラインなど見えるものは変わったように感じるかもしれない。また入試改革、教育改革も叫ばれ続けてきた。だが、教育に対する考え方、求められているものの本質は不変のはずだ。

 私たちも、コロナ禍で、映像授業、オンライン授業、AI学習など目に見える形で変えてきたものはたくさんある。昔の巻頭言を掲載した頃と比較すれば、演習テストは電子採点になった。東進も当時はDVD再生で講座のディスクを1枚1枚探して手渡ししていた。目に見えにくい授業の内容やカリキュラムも実は大きく変化して進歩させ続けている。今の時代に迎合するのではなく、適応して、本質を変えずに進化を追い続ける不断の努力が求められていると信じて前進します。
(web版コラムのバックナンバーもご笑覧ください。)

※この内容は2021/11塾だよりに掲載したものです。
 ここのブログでの「巻頭言」の話である。
 ちょうど新年度に向けて、いろいろと構想を練る時期なので、こんな話題になった。
 時代の変化、社会の要請に応えて、進化すべきものはたくさんある。そのためには、たとえ現状では困難に見えても挑戦していかなければならない。
 しかし、その基の私たちがこだわってきた「考え方」の中には、不変の真理があるはずだ。私たちが考える、教育が真に目指すべき道、志というもの。私たちに賛同していただいている皆様の期待に応えるために、その「志」に向けて、前進する努力を続けていく覚悟である。
 日々の営みは、その志に通じると信じて進む。

[巻頭言2010/07より] 効率がよい?

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年07月号)

効率が良い?

 4月の難関中学高校受験研究会SPでご講演いただいた篠原先生とお話して以来、脳科学の本をたくさん読んで研究している。これがなかなか興味深くかつ役に立つ。

 「わかった」「できた」と脳が考えるとそれが行動に対する否定語として働き、努力する意思を止める働きになる、という。また「簡単にできる」形にして脳に与えると脳は活性化しないので、学習効果がでない。できそうで「できない」ものを与えると脳自身が活性化して「効率的にできる」ようにと努力する。これが学習効果につながっていくようだ。つまり初めから効率的に学習させようとしたプログラムでは逆に効果が低いというわけだ。あえて困難を伴う課題を乗り越えていくことで効果がでて、それが結果として効率をあげることになる。

 卒業生たちが「あの夏」と振り返る誉田進学塾の「夏期講習」も、結果として効率を生み出していると思う。只今鋭意準備中!!  

(6月で、保護者対象の前期イベントが終了しました。多くの保護者の皆様にご参加いただきありがとうございました。)

※この内容は2010/07塾だよりに掲載したものです。
 科学的エビデンスの基づいた教育の原理原則が大切だと、ずっと信じている。
 教育では、目の前の結果だけ簡単に求めることは禁じ手のはず。勉強は、今、目の前にある範囲の限られたテストの得点だけをとれるように、単純化して詰め込むことではない。もっと先の未来で、自らの力で解決力として発揮できるように、若き日に本質的な能力を磨くべきものである。そのためには、あえて簡単にして効率を求めすぎてはいけない。難しいから、努力する意思が働き、その結果として能力が高まるのだ。
 定期試験の過去問だけで反復学習させたり、手取り足取り指示をだして解き方を覚えさせるだけであったり、取れそうな問題だけを暗記させ詰め込んだりと、それに逆行するような塾・予備校の話を見聞することも少なくない。
 ただ他者を批判していても意味がないので、私たちの考え方がより多くの生徒たちの力をより高く伸ばせるように、努力していきます。

[巻頭言2010/06より] 日本でいちばん大切にしたい...

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年06月号)

日本でいちばん大切にしたい...

 誉田進学塾と誉田進学塾ismの保護者対象「難関高校受験研究会Advanced Program」の開催が順に進んでいる。またpremium高校部の受験生保護者対象「難関大学受験研究会受験生Program」も開催した。多くの保護者の皆様にご参加いただきありがとうございました。

 さて先日、「日本でいちばん大切にしたい会社2」出版記念講演会とパーティーに参加してきた。著者の坂本光司教授と本で取り上げられた2社の社長の講演をお聞きした。坂本教授は日本全国のとくに注目すべき中小企業6300社を実際に訪ねて研究し、その中からとくに素晴らしい会社を紹介する本を書かれた。今回そのとてもすてきな会社を経営されている経営者のお話を直接お聞きし、さらに坂本教授の情熱に大いに触発されてきた。まだまだ素晴らしい会社がたくさんある。そのどこにも負けない努力で私たちも精進します。

(とてもよい本です。保護者の皆様、ぜひお読みください。)

※この内容は2010/06塾だよりに掲載したものです。
 ご存じの方が多いと思うが、坂本教授は元法政大学大学院政策創造研究科、法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長の経営学者である。このときは「日本でいちばんたいせつにしたい会社2」と出版記念だったが、このシリーズはその後、昨年出版の7まで続いている。
 この頃は、経営についていろい学び、はっきりと方向性が定まってきた時期だった。坂本教授のお話は何度もお聞きしているが、直接お聞きすると、常に「人にやさしい経営」を広めるための情熱が強くあふれていて、刺激を受ける。
 また幸いにも、取り上げられた企業の経営者の方々のお話をお聞きする機会も得たし、実際に複数の会社に訪問して見学し、肌で感じる体験もでき、大きな影響を受けてきた。
 永続する企業を目指しての経営はまだまだ先は長い。
 一歩ずつ進みます。

[巻頭言2010/05より] 背中

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Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年05月号)

背中

 「難関中学高校受験研究会Special Program」、今年も、たくさんの皆様にご参加いただきました。ありがとうございました。

 第二部の特別講演、篠原先生の脳科学の話はいかが感じられただろうか。「心を込めて」の効果の科学的データ分析など、やっぱりそうかと思われた方が多かったのではないか。何ごとも楽しんで、自らの意思で行うことで効果がでる。「学ぶことは素敵なこと」これこそ若き日に親から伝えなければならないことだ。その姿をまず親が率先して見せる志をもっていただきたい。

 また、第一部では、高校入試がとても厳しいこともご報告した。それに対する具体的な取り組みは、このあと5・6月に小中学部で教室学年別に開催する「難関高校受験研究会Advanced Program」でお話しする予定である。具体的な学習法に加え、塾での学習の様子もご報告する。もちろん「子育てのヒント」も用意している。ぜひ、皆様、ご参加ください。

※この内容は2010/05塾だよりに掲載したものです。
 これまでに何度も紹介してきた通り、保護者向けの様々な「研究会」を開催している。この講演のときは子供の勉強に活かせる「脳科学」。
 最新の脳科学で得られた知見から、勉強に対して、どう活かせるかについて、テレビなどでも有名な脳科学者の公立諏訪東京理科大学篠原菊紀教授に講演していただいた。
 講演も、当然、非常に興味深く、意外な事実もたくさんあったのだが、その会の前後に、控室で直接いろいろとお話を伺うことができた。質問して、新たな気づきを得られただけでなく、私たちの日々の指導法に対しての「脳科学」からの解釈もひも解いてもらうことができた。
 このときから、「実験」によって得られた「脳科学の原理」を、積極的に私たちの指導法「メソッド」に落とし込んで進化させることに取り組んできた。
 「脳科学はつい最近になって急速に進歩し、いろいろな事実が解明されてきているのです」とお話いただいて、10年以上たった。日々の進歩に対して、バージョンアップさせてきているが、さらなる「メソッド」の進化に取り組んでいきます。

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「清水先生は脳科学をよく勉強していてわかっているので、これを使って代わりに話してくれていいですよ」とヨイショされて、いただいた篠原先生の実験データより

[巻頭言2021/10より] 両極端を併せ持つ

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2021年10月号)

両極端を併せ持つ

 9月初め、社団法人全国学習塾協会と語学、音楽、スポーツなどの民間教育主要団体、関係4省庁、アドバイザリーボードの感染症専門家の方たち、日本小児科学会、日本小児科医会それぞれの幹部の医療関係者たちを集めた、学習塾での感染防止に関する会議がオンラインで行われた。夏期講習前後に起き報道された塾でのクラスター情報を共有し、協会ガイドライン改訂などに対する医療関係者からの意見を聞くことが中心だったが、医療関係者の皆さんの使命感が非常に高く、予定時間を大幅に超過するものだった。幸い、その場に参加でき貴重なお話をお聞きすることができた。おかげで必要な措置のうち追加が必要なことはいち早く対処できた。

 さて、その中で感じたこと。一般に問題が生じた場合、その状況を分析して原因を特定し、それに対して直接的効果がある具体的な対策で解決することが重要なはずだが、今回の場合、状況がほとんど公開されず(場合によっては原因の特定調査もされていないのかもしれない)、具体的な対策にフィードバックできることが非常に少ないということだ。もちろん医学的なことに対しては、専門的な治験、無作為化した比較対照実験などの正しい実証が必要であろう。まさか条件を変えてわざと感染させる人体実験を試すわけにはいかない。そのような下で現実的な感染防止対策を素早くとるには、いわゆるプロファイリング的手法で、原因の可能性が高いものはとりあえず全て潰してしまう方が得策だろう。情報共有不足が大変残念だ。

 これは、教育の世界でも同様であろう。学習プロセスと学習効果についても、原因となる要因を変えて、生徒をモルモットのように実験するわけにはいかない。

 ビッグデータのプロファイリングによる仮説と実証がこれからは重要になるだろう。ただし、ロジカルなデータ分析を重視しても、プロセスはいわゆるアナログ的手法、生徒と指導者との心と心が通うやり方に拘りたい。並立は可能なはずだ。

※この内容は2021/10塾だよりに掲載したものです。
 幸い、ようやく今のところ、コロナ禍は静まった状態にある。ただ、当面のところというだけで、完全に安全になったわけではないので、まだまだきちんと対処していかなければならない。
 ここで書いているように、この夏の一番大変な時期の直後に、貴重な話が聞けたので、すぐに打てる手をやりつくすことができた。おかげで、今のところ少し安心して推移をみていられることとなった。
 ただし、いよいよこれからが受験のシーズンである。
 最後まで油断せずに、塾生たちのゴールまで導けるように、頑張ります。

[巻頭言2010/04より] 行動こそ

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Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年04月号)

行動こそ

 春期講習中である。一部の大学入試以外の結果もほぼ出そろった。高校部は東大・京大・東工大合格、早慶上智理科大など大躍進の成果を残してくれた。それと同時に、まだまだやれることと詰める余地があることも、たくさんつかめた。それが、今後のさらなる進化につながると確信している。

 何事もまずチャレンジしなければ成果につながらない。そして一回でうまくいくことはほとんどない。何度も失敗を繰り返しながら、やり方を改めていき成功につなげていく。一度成功するコツをつかめば何度やってもすぐにうまくいくようになる。それに対して、たまたまうまくいったことは再現性がない。勉強ではとくによくそれが当てはまるのではないだろうか。

 成果を生み出すのは行動のみである。失敗を恐れずにチャレンジしなければ、次への改善も進まない。新しい季節。どんどんチャレンジしよう。

 入試についてのまとめの詳細はSpecial Programでご報告します。

 毎年好評の難関中学/高校受験研究会Special Programの特別講演。今年も、新しい出会いとなると思います。ぜひご両親でご参加ください。

※この内容は2010/04塾だよりに掲載したものです。
 成果は行動からしか生まれないことは、勉強だけでなく仕事も同じ。
 失敗を恐れずにチャレンジしなければ、次への進化も生まれない。成功には偶然が作用するが、失敗には必ず原因がある。失敗する原因をできるだけ取り除くことでしか、再現性を高めることはできない。
 実験段階を十分用意して、早くたくさん失敗しておいて、結果への影響がないように解決してしまうことを目指します。

[巻頭言2010/03より] 特別の瞬間

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年03月号)

特別の瞬間

 この塾だよりが届く頃には、公立高校の一般入試の発表待ち、そして大学入試も終盤の発表待ちの時期となる。

 去年も書いたが、大切なことなので敢えて繰り返して書きたい。入試は受験生にとっては特別の瞬間だ。入試を受けている瞬間、合格発表の瞬間に人生の運命が分かれたかに見える。しかしそのときだけが特別なのだろうか。

 人生の運命は、実は毎日毎日の日々刻々全ての瞬間に少しずつ分岐し続けている。一見単調な、どちらに進んでも大差ないように見えるその瞬間瞬間をどう充実して過ごしたかで、未来が少しずつ変わるのだ。そして差がはっきり見えるまで気づかない。いつでも、今このときが特別の瞬間。二度と帰らない大切な時間であることに気づいて、充実して過ごしてほしい。

 さあ、塾では新しい学期が始まる。充実した毎日が未来を拓く。後悔することのない一年としよう。

※この内容は2010/03塾だよりに掲載したものです。
 このバックナンバー企画も、また1年を一巡して次の年度となった。
 毎年同じ時期には内容も同じようなものになるが、敢えて同じことを繰り返して書いているものもある。この、どんなときでも「特別」の瞬間であり、なにか特別のある瞬間があるのではないという、「一期一会」の話しは、繰り返して書き続けている。
 私たち塾の現場に身を置いていると、入試という瞬間ですら、毎年毎年の繰り返しに見えてしまい勝ちだ。それではいけない。
生徒や保護者にとっては、その入試に向かう一瞬一瞬が一生のうちの二度とない特別の瞬間であるということを、私たちが油断して忘れないように、襟を正して真摯に向かい合うためにも、書き続けていかなければならないと考える。
 振り返ってあのときがあったからと、未来で評価されるように、真剣に向かい合っていきます。

[巻頭言2010/02より] 成長するチャンスとは!

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Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年02月号)

成長するチャンスとは!

 入試シーズンの中盤である。これが届く頃には、中学入試は都内入試、高校入試は私立後期が終り公立特色化、大学入試はいよいよ私大個別試験の時期だろう。昨年は高校入試で過去最高記録を次々に更新する勢いを見せた。今年は、スタートの時点でそこまでは到底いかないだろうという出発点から、終盤の追い上げでなんとか取り戻して来た。難関校がさらに倍率を上げている中、一昨年は上回って昨年に次ぐ結果までいくところまで来ている。大学入試では、今年は素晴らしい実績を上げてくれそうだ。

 とはいえ、不合格で涙する生徒も少なくない。しかしその経験は、実は成長への大きな機会なのだ。原因が自分のどこにあるかを逃げずに見つめ、次へ向けて自分自身を改革することが、未来への大きな飛躍のチャンスとなる。若いうちに挫折を知らないことは弱点にもなりうる。ここで乗り越えて掴め!

※この内容は2010/02塾だよりに掲載したものです。
 課題意識を強く持ち、自らに困難を課して、失敗を繰り返しても諦めずに、うまくいくまで少しずつ工夫し変化しながら、やり続ける人でなければ成長し続けることはできない。成長に対して一番恐れるべきは、たまたまうまくいってしまうことであろう。
 もちろん、あえて挫折することを選ぶ必要はないが、若いうちに、厳しい現実を味わう体験が少なければ、気づかないまま社会にでて、どこかとんでもないところで挫折することもあるだろう。受験の結果もゴールではなく、通過点の過程であると考えれば、一時的に涙したことが、将来の飛躍のために重要なステップになりうるかもしれない。
 しかし、今の時期はまだ来るべき受験の結果を大きく変えうる毎日がたくさん残っているはずだ。日々の小さな選択が未来を変え続けていく。受験生はその気持ちで、二度とない特別の今日を過ごしてほしい。
 今日は、今日だけしかない「今日」なのだ。

[巻頭言2010/01より] 今年も挑戦します!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年01月号)

今年も挑戦します!

 新年、あけましておめでとうございます。今年も、スタッフ一同、心新たに次へのステップに挑戦します。今年もよろしくお願いします。

 「挑戦する」、言葉だけなら簡単である。単なる形だけの挑戦なら誰にでもできる。挑戦し達成するのに必要なもの、それはできると確信することと継続すること。人は、必ずできると確信しているところまでしか達成することができない。その限界すれすれのところに目標をおくことがスタート。そして、誰にでもできることを、誰にもまねできないほどやり続けることで目標を達成する。ひとつ達成すると限界の先までさらに届くと確信できるようになる。この繰り返しで成長し進歩する。偉大な業績も小さな成長の積み重ねにすぎない。子供たちひとり一人が、そういう成長ができる環境を提供できるように、私たちスタッフも、ともに成長し、全力で努力します。

※この内容は2010/01塾だよりに掲載したものです。
 (恒例の時期外れの内容(苦笑;))
 練習したことが成果につながるにはいくつかの重要な原理原則がある。
 気まぐれな行動による運に依存するではなく、日々の積み重ねで少しずつ成長し、必然的に成果につながるように進歩することが重要な必要条件であることは言うまでもない。
 さらに、モチベーションと目標設定には重要な相関があることは、すでに明白である。俗に「目標は高ければ高いほどいい」というのは間違いで、本人ができると信じている上限にギリギリか少し上にしたときが一番効果が高い。そして、そのような目標設定能力自体が、成果と強い相関があることもよく知られている。
高い困難な目標でも、本人ができると信じる力が強ければ努力し続けてゴールできる確率は高くなる。
 そういう高い目標を自らに課して挑戦する気持ちを引き出していきたい。

 この志のゴールはまだ遠く遥かに高い。
 私たちの挑戦は続きます。

[巻頭言2009/12より] 達成したもの!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2009年12月号)

達成したもの!

 年末である。まだやりたいこと、やるべきことがたくさんある。それに対して時間が足りないとあわてる、そんな時期だ。

 だがここまでにやってきたこと、やり遂げたものもきちんと振り返って評価したいものだ。何がどこまでできたのかをはっきり掴むことと、目標と現状の差をしっかり測ることで、はじめて、この先の計画を実現可能な形で正しく描くことができる。ただその現状が良いか悪いかばかりに目を向けてはならない。今の状態は次へのひとつのステップにすぎないのだから。そして、ここまでに達成したことをそのまま承認することが次への意欲を生みだす。

 とくに子供たちは、大人と比べて時間の感覚が未成熟なので、時間の流れの中での自分の位置や目標を掴むのがとても不得手だ。大人が、ちょっとだけ、ここまでやってきたことを承認し、目標の位置を確認させるのを手伝ってやるとうまくいく。受験勉強は、そういう力を磨くことにもなる。

※この内容は2009/12塾だよりに掲載したものです。
 廻ってきて、また時期がずれた話になった(苦笑;)
 自分のことでも人のことでも、できないことはすぐに見えるが、できたことを正しく認識、理解することは、案外難しい。とくに初めて経験する子供たちにとっては、難しい。
 そんなときに、大人が、ちょっとだけ承認してやることが、大きな効果を持つ。これはできたね、これはまだだけど、次はできるよ、いつかできるよ、とフィードバックすることで、成長する原動力を強くする。
 自分はできるはずと信じる気持ちを育てましょう。