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[巻頭言2006/11より] 親としての役割は?

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2006年11月号)

親としての役割は?

 現在、中3の個別受験相談を実施中である。保護者の皆様にはお忙しいところを、時間を割いてもらって本人・保護者と私の三者(両親がお見えになると四者)面談をしている。といっても、結局は本人が主役。受験校の組み合わせの話も当然するが、話の中心は本人の心の中の問題点を取り除いて、入試までの覚悟を決めてもらうところにある。保護者はその間は横で聞くだけ。

 毎年、受験生を見ていると、親の気持ちが強すぎてうまくいかないケースが少なくない。親は本人のためと思い、ついつい目に見える症状ばかりあれこれ言うのだが、子供には命令や強制と働き本人の自発的な意欲を削いでしまう。子供がうまく動けないときは親が「助け」なければならないのだ。意欲を引き出すには、まず話をただ聞いてあげる、そして信頼して誉める、これが一番。今年は受験説明会でお話させていただいたこともあるが、非常に聡明な保護者の方が多く、この分なら本人の自覚と自立がうまくできそうだ。

 本人自身に問題点を見つけ出せるように引き出すため、面談の時間が予定通りに進まず、無理をお願いしてご協力いただきありがとうございました。

※この内容は2006/11塾だよりに掲載したものです。
 個別面談についての話である。当時は、まだギリギリ私が面談を担当していた頃だ。
 この頃から、すでにいわゆる「コーチング」や「リーチング」のような「メンタル」の部分も含めた指導をしていて、保護者の皆様にも協力いただいていた。
 これらの指導は、とても手間と時間がかかる。だから時間を調整することが非常に大変だった。今では、教室長、副教室長、担任など、受験生のメンタルトレーニングまでできるスタッフたちを多数育成し続けてきたおかげで、その問題はほとんど解決できた。直接生徒たちの授業を担当しているスタッフが面談するのが、一番効果が高い。
 面談だけでなく、スタッフたちの社内研修には、昔から力を入れてきた。社内だけでな、社外も含めて様々な機会を用意している。
だが、生徒たちと同様に、スタッフたちも成長するのは、結局は、本人の努力。その意欲が能力の上限をも変えていく。
 高みを目指す心、志が大切。それを引き出すのが教育のはずだ。

※2006年当時の研修の様子
外部講師を招いての社内研修の様子です。
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[巻頭言2006/10より] 受験生はこの時期がポイント!!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2006年10月号)

受験生はこの時期がポイント!!

 中3の受験説明会・個別受験相談、小6siriusの個別受験相談の時期が迫ってきた。中3は一回目のVもぎが終わり、駿台模試そして千葉県統一テストと模試が続く。小6siriusも統一合判は返却され、合不合判定の第一回も結果待ちとなっている。この時期に模試の判定をみて点数が悪いとあわてて行動に移すようなら手遅れ、結果が出る前、模試を受ける前に、目標に向けて対策を立てていかなければならない。10月に入るとすぐに入試まで100日を切る。あわてずにやるべきことを一つ一つクリアしていく以外に道はない。まだ気持ちが集中できていない生徒に対しては家庭での保護者のサポートも重要な時期だ。ただいたずらに強制しても逆効果、うまくやる気を引き出すような助言をお願いします。

 受験生以外は、前後期制で秋休みを挟み中だるみしやすい時期だ。やるべきことだけは譲らない姿勢が大切。様子をよくみてください。

 スクールフェアは塾生・保護者みなさま、多数の方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

※この内容は2006/10塾だよりに掲載したものです。
 毎月の塾だよりは、お知らせだけでなく、入試情報の提供や生徒たちの様子の報告など盛りだくさんだが、すべて「保護者に向けて」の内容。
 巻頭言も同様だ。ここまでの巻頭言はお知らせ程度の内容だったが、次号あたりから徐々に保護者への教育に対する考えに触れていくことになるらしい(過去の自分は、今は他人...)。
 うちの塾では、学び成長し、学力を伸ばすのは、結局は「本人自身」という考えに立つ。塾はそこに強い刺激を作り、磁場のように影響を与えるとはできるが、間接的な成長を促す「環境」である。保護者も同様に生徒の成長に欠かせない「環境」。だが、だからこそ保護者の役割は少なくない。かなり以前から、保護者の皆様への「役割」を考えていただくように発信し、イベントなども用意してきた。これは今も変わらない。
 保護者だからこその役割の大切さ、そして、その素晴らしさを理解していただきたいと願う。

※当時の受験説明会の様子
プロジェクタやスクリーンがあるのにここだけ使わず、敢えてアナログな志望校の解説中かな...
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[巻頭言2006/09より] いよいよ後期開始!!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2006年09月号)

いよいよ後期開始!!

 いよいよ後期開始である。

 夏期講習も無事終了した。前号でも書いた通り、とても密度の濃い夏期講習だったが、塾生全員最後までやり遂げた。とくに受験生たちは、長期間そして長時間の講習を乗り越えた。もちろん結果に繋がるまでは、まだまだの生徒もいるが、大きく成長してくれたと思う。

 さて、いよいよ後期再開、学問の秋となる。毎年受験生は大きく差がつく時期だ。夏に集中力を高めてスパートしたのに、この時期に一度緩む生徒がでる。受験生の気持ちが集中している塾生だけに囲まれていた夏期講習の塾の環境から、学校が始まり周りの生徒の様子や行事などでペースを乱すことが原因のようだ。だが入試は近い、気を抜かずに乗り切るようにご家庭でもご協力ください。

 また受験生以外は気が緩む時期。とくに中2や中1。気持ちの緩みは、生活態度などの基本的な部分に一番に現れる。こちらもご家庭で充分にご注意ください。

※この内容は2006/09塾だよりに掲載したものです。
 遥か昔から(笑)(確かに数十年継続しているけれど)、うちの夏期講習では基礎演習の徹底を重視している。授業自体は「思考力の育成」のための考えるトレーニングの時間。だが、複雑な思考を組み立てて問題を解決するためには、基になる知識が必要だ。
 普段の時期も、毎週の時間割に演習テストというコマがあり、結構しっかり時間をとっている。ただしこれはアウトプットする訓練でもあり、基礎だけでなく応用問題も含んでいて、いわゆる実力試験や模擬試験を毎週やる形だ。
 ところが、夏期講習は、毎日のように続く日程のため、演習の準備の学習時間が限られているので、演習は基礎的なものにシフトする。そのかわり追試などで、完全にできるまで徹底してやり抜く訓練をする。
 指導する側も、一人一人に対応するので、とても手間がかかり、エネルギーが必要だが、これがこの後の結果を左右する大切な時間。
 変則的な開催になった夏期講習だが、ことしも一人一人がやり遂げたと言い切ることができる大切な時間にしたい。

 今年は、まだ頑張ります! 夏期講習!

※これも今も続く、塾生から募集する「残暑見舞い」デザインコンテストの2006年の作品たち。
 当時はモノクロだった(今はカラーです)
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[巻頭言2006/08より] 夏期講習前期終了!! (※今年はまだ続きますが)

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2006年08月号)

夏期講習前期終了!!

 夏期講習前期は無事終了した。

 誉田進学塾グループの夏期講習は、どの学年もとても密度が濃い。一般に夏期講習といえば、一学期の復習にちょっとだけ予習を組み合わせた講習が多いのだが、そんなものとは全く違う。塾生のみを対象としているので、年間カリキュラムの一貫として、じっくり時間が取れるときにしっかり考えるところを重点的に学習する形となっている。さらに中学生は毎回毎回演習があり、きちんとやり遂げることが要求されている。追試・直しノートやプラクティスノート提出など「達成」し「乗り越える」ことで成長を促す。

 前期のここまで、ひとり一人よく頑張ってきた。ときには厳しいと感じることもあるだろうが、その成果は必ず自分に返ってくる。
さて、お盆休みで、講習は一段落。受験生は、前半最後の仕上げの一日集中特訓で自分が思っているより頑張れることを実感したはずだ。その勢いで乗り越えてほしい。受験生以外は、充実した休みとなることを期待する。

 休みが明けると後期の講習が再開となる。さあ、気力を充電しよう。

※この内容は2006/08塾だよりに掲載したものです。
 塾だよりは、毎月初旬に塾生のご家庭にお届けする。この年だけでなく、例年、8月初旬までで、夏期講習前期は終了、お盆休みとなる。だからこれは、そのあたりに到着する内容として書いたもの。
 今年はコロナ禍の影響で学校の夏休みが少なくなったため、夏期講習の時間を例年通りに確保するために、お盆休みをギリギリまで短縮し、来週もまだ夏期講習が続く。
 スタッフたちは、お盆の長期休暇を短縮して頑張ってくれている。それが可能なのは、春の緊急事態宣言の始まり時点で、長期的な予測展望のもと、学校休校と夏休み変則変更に対応したカリキュラム組み換えと同時に、休暇スケジュールの調整を行ったからだ。有給休暇消化も含めて緊急事態中から取り組んできたので、この時期に頑張ってくれている。感謝である。
 今日から保護者は長期休暇というご家庭も少なくないだろう。
 それなのに、子供たちの勉強のために、通塾にご理解・ご協力いただき感謝しています。ありがとうございます。

(2006/08の塾だよりに掲載した写真です、この写真に写っている当時の社員スタッフは、全員!、今年も活躍中!!)
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みんな、やっぱり若い...(笑)

[巻頭言2006/07より] 夏、挑戦の時期がやってくる!!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2006年07月号)
夏、挑戦の時期がやってくる!!

 受験生にとっては、この夏が勝負のときであることはいうまでもない。塾では、受験生に必要な全てのものを用意している。とにかく夏、塾に通ってくることが一番重要。あとは自動的に頑張る仕組みが待っている。

 受験生以外は、勉強そして勉強以外のこと、さまざまなことに挑戦してみるチャンスである。教科の勉強については塾が担当するので、それ以外のことにも積極的に挑戦してほしい。もちろん塾の勉強はきちんとすることを前提として。大いなる挑戦を期待している。

 さて、次ページTop Newsに紹介している通り、公立高校合同説明会と当塾主催私立中学高校フェア2006を開催する。受験生にとっては目標を設定するよい機会となるだろう。受験生以外も、先の目指すものを知ることは大切なことだ。まず目標を先に掲げて挑戦してほしい。受験生と保護者の方々にとって価値のあるすばらしいイベントとなるように頑張ります。みなさまお誘いあわせの上、ぜひご参加ください。

※この内容は2006/07塾だよりに掲載したものです。
 後半に書いている「Top News」とは、塾だよりのイベント案内ページの紹介。
 「公立高校合同説明会」は塾団体による共催行事。「私立中学高校フェア」は当塾の単独主催の行事。
 塾団体共催行事は、うちの塾がまだ小さい個人塾の時代から、ずっと参加してきた。しかし、徐々にうちの塾生が増えて会場を埋め尽くすようになり、個別相談形式の会では、難関高校ブースを占有する率が高くなり過ぎた。
運営に迷惑をかけないようにとの配慮と、当塾単独で主催する力をつけたため、こののちすべて単独主催の形へと進化していくことになった。
 その「卒業前」の懐かしい「思い出」ですね。

 今年は、コロナ禍で、秋の会場での開催は不可能となった。
 受験生と保護者の皆様への情報提供も、進学塾としての大切な役割である。
 代わりの形で、情報提供できるように計画、準備しています。

(このときの私立中学高校フェア2006の様子です)
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[巻頭言2020/05より] 脳の能力は∞

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2020年06月号)
脳の能力は∞

 ようやく少し落ち着き、緊急事態宣言の影響下から、今後に向けて進みだすべきときである(まだ宣言中の時期に書いています)。もちろん第2波の危険もあり、予断を許さない状況ではあるが、そのような中でも、受験生は限られた時間内で学力を伸ばすしかない。彼らにとって、受験に限らず、これからの人生で巡ってくるすべての周りの環境は、個人の意思ではコントロール不能な、自分以外から与えられた条件である。その中で、自分の意志で変えられるものにフォーカスを絞って、どこまで自分の力で道を切り拓けるかが問われているということを体験する貴重な機会であるはずだ。今回の与えられた試練も、自分を試されていると信じ、周りのせいにすることなく、自分ごとととらえ、自力で突破してほしいと願う。

(少々自慢話に聴こえそうで恐縮だが)気になったので、感染症の原理SIMモデルを少々調べて勉強してみた。感染拡大のかなり早い段階から、一次データに近いものを拾って、状況をみて判断はしていた。拡大局面の数字は指数関数なので、その動きは学生時代に物理系の勉強をしていた身には「感覚的」にピンとくるものだった。ただ減速局面に対する当初の報道の多くは納得いかない気がして文献を検索してみると、以前からの論文がいくつか簡単に見つかった(便利な時代である)。原理を読み解くと3本の連立常微分方程式(「微分」の「方程式」ではなく「微分方程式」という種類の式です)。見慣れない形の式なのでちょっと難しそうに見えたが、初期段階に限定すれば簡単に解けた。大学理工系の初級段階の物理数学程度であろうか(旧課程の高校数ⅢC範囲ならギリギリ解けるかもしれない)。

 流石に、脳の中でも何十年と使ったことのない部分だろうけれど、過去に「わかって」解けた問題は、思い出すことができる。たぶん当時は一夜漬けの勉強だったのではと思うのだが、わかって解決しておいた部分までは染み込んでいる。

 若いとき(老いても)は脳に負荷をかけて鍛えるべきだ。脳の能力は無限大。本人が諦めなければ限界はない。

※この内容は2020/06塾だよりに掲載したものです。
 文中の通り、緊急事態宣言期間(2020/05中旬)に書いている。
紙面の都合で紹介しなかった、探し出した論文から、理解した連立常微分方程式は以下のもの

 
dS(t) / dt = -βS(t)I(t)
dI(t) / dt = βS(t)I(t) - γI(t)
dR(t) / dt = γI(t)
 (ただし、N(t) = S(t) + I(t) + R(t) = const.)

 これは初期段階だけならば、基本解法だけで比較的簡単に解くことができる(忘れている可能性が気になり、昔の大学時代の教科書などを確認しながら解いたのだが...)。
 巻頭言の「本題」はそこまでの話だったが、実際には、現実の現象はパラメータのβ、γが社会的行動様式の接触確率などで変化してしまうので、このままでは動きが理解できない。
 解析的(数式の計算だけで)に動きをつかむことは非常に難しいので、このあとエクセルで簡単なシミュレーションするワークシートを作成して、意味をつかんだ。
 感染減速時の動きがよくわからなかったのでやってみたのだが、緊急事態から緩めすぎて第2波になる場合やそのあとの動きも非常によくわかる。
 便利な時代である。昔の学生時代は、まだ環境がそこまで進んでいなかったので、意味が掴めず挫折した数学の数々...(単に不勉強だっただけか...)。

 現在、再びの感染拡大が止まらない。経済活動を維持しながら、感染が広がらない行動様式の模索が必須な状況が続くだろう。
 人類の英知が勝利することを信じて、それぞれの役割で最善の努力を続けるしかない。

 頑張ろう、英知とともに!

このまま行動様式の状況が変わらない場合の感染判明者数の動きのSIMモデルによる推測(理工系なら右のSemi-Logグラフの方がわかりやすい)
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[巻頭言2020/06より] 長期的楽観と短期的悲観の両立

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2020年05月号)
長期的楽観と短期的悲観の両立

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言が続いている。今の時点(これを書いているのは4月20日)では、その効果がどの程度出て、先がどうなるか、まだ判断することはできない。

 このような状況下で、子供たちはどう心の状態を保てばよいか。長年、多数の難関校受験生たちを指導してきた経験から、その答えの一つは、何度か紹介した「長期的楽観と短期的悲観」の「両立」であろうと考える。ずっと先の将来の成功は信じつつ、直前に起きる現実に対しては最も悲観的な状況を想定して準備することだ。

 同じ意味のことがらに触れたものの代表が「ストックデールのパラドックス」(Stockdale Paradox / Jim Collins著Good to Great(邦題ビジョナリーカンパニー2))であろう。

 著者のコリンズ教授が、ベトナム戦争時に8年間の過酷な捕虜生活と拷問に耐え生還後成功したストックデール大佐に、その秘訣を聞いた言葉からヒントを得た結論である。大佐は、どんな困難なときでも「最後は米国に帰り、素晴らしい人生を勝利するという確信を決して失わなかった」と同時に「最も厳しい現実を直視する規律」を保ち続けた。そして帰還できなかった人々の特徴にたいして「楽観主義者」と即答し、「クリスマスには帰れるかもと期待し、実現せず、次は復活祭、そして感謝祭と幸運を期待し続け、最後に失望で死んでいく」と答えたという。

 世界が厳しい現実に直面していることは、子供たちにも大きな圧力になっている。その中で、子供たちが刹那的な行動に走ることなく、現実を受け入れ自分のすべきことだけにフォーカスし、同時に長期的に明るく希望を抱けるように、保護者の皆様は、積極的に、子供たちの今を承認して応援していただきたいと思います。

 子供たちの学習環境が長期的に影響を受け、今までの形がどう変化しても、その中で最大限に学力を引き出せるように、私たちも頑張ります! 人類の勝利を信じて!

※この内容は2020/05塾だよりに掲載したものです。
 愛読書というより必読書の言葉を引用して書いたもの。巻頭言では、文字数の制限があり、言葉足らずの感があるので、少々長くなりますが、原文から主要部分を引用しておきます。

※ストックデールのパラドックス(逆説) (Stockdale Paradox / Jim Collins著Good to Great ジェームズ・C・コリンズ著ビジョナリー・カンパニー 2 飛躍の法則)

 コリンズは、アメリカ海軍ジェームズ・ストックデールから、彼が8年にも及ぶベトナムでの捕虜生活と拷問に堪え抜いた秘訣について聞いた次の言葉を、ストックデールのパラドックス(逆説)と名づけ、飛躍のための重要な法則のひとつであるとした。

 I never lost faith in the end of the story, I never doubted not only that I would get out, but also that I would prevail in the end and turn the experience into the defining event of my life, which, in retrospect, I would not trade.
 「わたしは結末について確信を失うことはなかった。ここから出られるだけでなく、最後にはかならず勝利を収めて、この経験を人生の決定的な出来事にし、あれほど貴重な体験はなかったと言えるようにすると」

 どのような人物がそれをできなかったのかというコリンズの問いに対して、ストックデールは次のように答えた。

 Oh, that’s easy, the optimists. Oh, they were the ones who said, 'We're going to be out by Christmas.' And Christmas would come, and Christmas would go. Then they'd say, 'We're going to be out by Easter.' And Easter would come, and Easter would go. And then Thanksgiving, and then it would be Christmas again. And they died of a broken heart.
 「楽観主義者だ。そう、クリスマスまでには出られると考える人たちだ。クリスマスが近づき、終わる。そうすると、復活祭までには出られると考える。 そして復活祭が近づき、終わる。つぎは感謝祭、そしてつぎはまたクリスマス。失望が重なって死んでいく」

そして結論

 This is a very important lesson. You must never confuse faith that you will prevail in the end―which you can never afford to lose―with the discipline to confront the most brutal facts of your current reality, whatever they might be.
 「これはきわめて重要な教訓だ。最後にはかならず勝つという確信、これを失ってはいけない。だがこの確信と、それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視する規律とを混同してはいけない」

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[巻頭言2020/04より] 今、できることに集中

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2020年04月号)
今、できることに集中

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染防止のための休講等の対応に、皆さまから、ご理解ご協力をいただいたことに感謝します。ありがとうございました。

 (これを書いているのは春期講習前なので、まだ先がはっきりしていないことをご容赦いただいた上で)、全国一斉の学校休校要請に対応して、公益社団法人全国学習塾協会の指針に従い、2週間の対面集団授業の休講、自宅学習対応や個別フォロー、時間帯変更による分散登下校での振替授業などの緊急措置を取らせていただいた。実は、休校要請前日、北海道の全道休校に続き、市川市が翌日全市休校発表との事前情報を得て、地域一体の休校に備え、北海道最大手塾との情報交換や市川の状況調査など準備を始めていた矢先の全国休校要請だった。そのおかげで速やかに対処することができ、また以前から情報収集していた映像授業配信システムも急遽準備を進め、siriusで稼働できた。

 さて改めて今、3.11の直後にここ(巻頭言)に書いた以下の話を再度、敢えてそのまま掲載したい。

 この未曾有の自然の猛威に対して、無力であることを感じるかもしれない。確かに、自分一人ができることはとても小さなこと。しかし、それでも自分の力でできることだけに集中することが本当は一番大切だ。

 子供たちにできることは、今はただ勉強することしかない。でもそれは、次の時代を切り拓く「未来の大人たち」にとって、その「未来のとき」に力を発揮するためには、必要なことなのだ。今は他に何もできない。しかし次の主役となるときは、必ず順番に巡ってくるのだ。

 そして、その手本となるべき大人たちも、今、自分たちができることに全力を尽くすことが一番大切。その真剣な後ろ姿を見て、次を継ぐ者が育つ。

 どうか保護者の皆様も、自分のできることに精一杯集中し、充実した日々を送っていただきたい。子供たちの行動にあれこれ言うよりも、まずは自らの姿でお手本を示すこと。その姿を見て、子供はいつか超えていく。

※この内容は2020/04塾だよりに掲載したものです。
 新型コロナ感染拡大によって、全国の学校が休校になり、そのまま春休みに入る時期に書いています。
 誉田進学塾グループは、公益社団法人全国学習塾協会加盟塾として協会ガイドラインを遵守し、3月初めの2週間の通塾停止のあと、停止期間の振替授業と春期講習でいったん通塾体制に戻りました。
 さらに、その時点で緊急事態宣言を想定、発動される日を予測して、それまでにすべての準備を整え、通塾できないときの体制づくりを終えました。
 現在も感染拡大が収まらない状況ですが、最終的な人類の英知の勝利を信じ、長期戦になっても、子供たちの安全を守るとともに、そのような状況下でも学力を最大限に伸ばせるよう努力します。

[巻頭言2020/03より] 本質の追求

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2020年03月号)
本質の追求

 いよいよ入試制度が新しくなる、変わり目の年度の始まり。

 大学入試はセンター試験が廃止、新テストの共通テストに替わる。千葉県公立高校入試もいよいよ一本化となる。千葉県公立高校入試は、推薦導入(10年間)から、特色化選抜(8年間)、前後期制(10年間)を経て、すべてが1回の入試に戻るのは28年ぶり。推薦導入の時期は「ゆとり教育」「業者テスト廃止」などの流れから、(当時の)入試が学力偏重だという批判を受けて変更になった。しかし内申点と面接だけの推薦入試では、入学後の学力の保証がないと難関校が警戒して最小規模でしか実施しないという問題がでて、各学校が入学させたい生徒に合わせた入試を実施することができるという特色化選抜に移行。この特色化選抜時代は、難関高校は学校ごとに出題を凝らした難易度の高い独自問題を実施するなど、一定の成果を収めたものの、中堅以下の高校の多数は、学力試験を受けずに入学する生徒が過半数を超えることになり学力低下。少なくとも全員が5教科の試験を受験する形の前後期制になる。そして前後期に分ける意義も薄れ、入試日程が過密であることから、いよいよ来春の入試から一本化となる。

 ただし「1回に戻る」と書いたが、単純に戻るわけではない。出題内容は、当時からは大きく変化し、単純に知識を問いミスをしないことが求められた入試から、与えられた条件から、思考判断し表現する入試にすでに変化してきている(これは特色化選抜時代に難易度の高い独自問題で選抜した難関高校の意向を反映した形だろう)。

 これは大学入試とまったく同じ流れ。昨秋さまざまな問題から、英語検定の採用と、国数の記述出題が見送りになった。しかしセンター試験に「戻る」のではない。新しい学力観の出題に大きくかわる。

 結局、そこで求められている学力は「本質的な学力」のはずだ。入試がどう変わろうとも、変わらない本質的な学力をまず高めること、そして変わる入試に対応できるように仕上げることを目指したい。

 いよいよ新学期。環境も変わり、新鮮な気持ちでチャレンジに臨むとき。塾では、さらに本質的学力を追求します。これからの新しい一年、よろしくお願いします。

※この内容は2020/03塾だよりに掲載したものです。
 新年度で、公立高校入試と大学入試の新テストの改革に触れていますが、それらの具体的な内容は塾生や保護者の皆様には、塾だよりの他の記事や、別の資料などで、タイムリーに詳しく提供しています。
 この時点では、まだ公立高校の新しい入試制度の実施要項が未発表でしたが、先日発表されました。この発表で、大きな改革が発表されています。一つ目は各校の「配点」に学校ごとの特色が強く反映される形になったこと(満点も学校によって異なるなど)、二つ目は、学校によって、「二段階選抜」の実施が選択できるようになったこと、そして最後に、学校設定検査の中に「思考力を問う問題」が追加されたこと(ただし、新型コロナ感染拡大に伴う中学校の臨時休業実施の影響で令和3年度の実施は見送り)。
 誉田進学塾グループでは様々な情報収集から、発表前にこれらの変更をある程度予測をしていましたが、この「巻頭言」の通り、それによって入試で求められる本質が変わるわけではないのは言うまでもありません。
 常に改革は「本質的学力」をより求める方向に進み続けるはずと確信します。

[巻頭言2006/06より] ともに育てていきましょう!!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2006年06月号)
ともに育てていきましょう!!

 保護者会を順次開催している。今年は、高校受験コースでは、難関高校受験研究会で、入試状況をまとめて報告したので、その部分をカットして学習状況や勉強の進め方の話を中心とした。昨年同様、資料に掲載した内容はご家庭で読んで研究してもらい、重要な部分だけプロジェクタを使いながらの構成となっている。ご期待にお応えできる内容とするため、スタッフ一同、かなりの時間と力をかけて準備した。それでも毎回、なかなか気付かない点をアンケートではご指摘またご提案いただいている。いただいたご意見は必ず次へ反映していくつもりだ。

 ご家庭と連絡を密にとり、子供達ひとり一人が将来に向けて成長できるように努力することが私たちの務めである。なんといっても子供には保護者の方の影響力が一番。それがよい方向に働くように協力していきたい。

 すでにご参加いただいた保護者のみなさまありがとうございました。年に一度の保護者会です。今後開催予定の保護者会には、ぜひご参加くださいますようお願いします。
 
※この内容は2006/06塾だよりに掲載したものです。
 この頃の巻頭言は、まだお知らせの延長のような内容で、あまり教育に対しての考え方まで書いていなかった(字数制限も現在より少ない)。
 ここで触れている「保護者会」というのは、塾生の保護者に向けて、塾での指導方針、指導内容の報告や、保護者の皆様の家庭で教育についての話などを話す会を教室学年別に開催する恒例のもの。開塾当初からの今も続く伝統行事の一つ(今年はコロナ禍でオンライン開催)。入試報告会に当たる部分は難関高校受験研究会Special Programという名前で、大会場での開催としたり、今ではどこでも当たり前となったプロジェクタを使って説明したりといろいろ変革していった頃の話。
 当時も今も、保護者の皆様から提案いただいたことを取り入れて進化させていくのは変わらない。
 才能ある子供たちが素晴らしい成長をするために、自ら成長する心を引き出すように、保護者ともに、育てる信念も変わらない。