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[巻頭言2012/08より] 夢を語る!!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2012年08月号)

夢を語る!!

 オリンピックもあまり観戦する暇なく、夏期講習前半が終了した。受験生にとってはこの夏は天王山。後期に向けて、お盆休み中に集中してほしい。

 ところで、オリンピックは頂上目指して競い合う者たちの祭典だ。彼らは夢を目指して努力した結果、そこに参加している。はじめにまず夢を描き、そこにたどり着くため、自分自身を磨き、そこにやってきた。

 最初に必要なこと、それは「夢」を描くこと。その点では、勉強も同じ。勉強して、~に合格したいは「夢」にはならない。そのずっと向こうにある心からワクワクするものを描くことが大切。ただし、現在から頑張れば必ずその未来に届くと潜在意識で確信できるものでなければ力は発揮できない。子供たちにとってその未来を描くことはなかなか難しい。反抗期から抜け出し始める高校受験期あたりからやっと出来始めるのだろう。

 大人が少しだけ力を貸してやると、最初は漠然とした夢も、徐々に具体的な映像として描けるようになり、素敵な色彩を放ち始める。ぜひ、親として本人が夢を語る作業に付き合っていただきたい。未来についての話を、ただ聞いてやればよいのだ。それも否定しないように、膨らませてやってほしい。

 そして大人たちも、自分自身の「夢」を描いて語ろうではないか。

※この内容は2012/08塾だよりに掲載したものです。
 成長と夢については、面白い研究がいくつかある。幼児の、年少から年長にかけての年齢別に大人になったらなりたいものと、そのためにどうすればいいと思うかについての分析だ。それによると、成長とともに、非現実的なもの(人間でないものや、TV、アニメなどのキャラクタなど)から、現実的に実現可能なものの割合が増えてくるだけでなく、それが実現するのに必要なものは、成長や時間の経過ではなく、努力と考えるようになるというのだ。また、これには過去、現在、未来という時間概念や時間的隔たりについての把握の成長と相関があり、さらに過去に対しての理解より、未来の長期的隔たりの理解の方が成長する時期が遅いのだそうだ。ただし、幼児の時間に対する連続性や隔たりの理解は、大人のものと同質であることは明らかにしにくいらしい。
 本題の、中高生の勉強に対する目標意識と成長の時期の関係も、経験的には同じように感じる。目標を明確にし、自分の努力で実現できるという確信が強い生徒ほど、努力を継続することができ達成する可能性は飛躍的に高くなる。
 もちろん、これは後天的な成長によるだろう。環境からくる周りからの影響で考え方や確信が変化し、行動が変わる可能性が高い。そうだとすると、高い効果を上げるような環境を作り出すことによって、勉強の成果を高めることができるはずだ。
 私たちは、長い間の経験によって、その差をつかんできたつもりだ。そしてまだまだ大きな余地を残していると考えている。
 塾生たちだけでなく、私たちの挑戦の夏は続く。

 最後に、注目すべき補足。なりたい理由についてのデータでは、成長により、「自分が好きなもの」から、その「役割が重要なもの」への割合が増加するらしい。