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[巻頭言2014/06より] 未来を見る

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2014年06月号)

未来を見る

 先日、高校のクラス会があった。クラスメイトたちと久しぶりの再会。今回の最大のトピックスは、東京大学大学院教授Fくんの紫綬褒章授章(もちろん学術分野での授章で芸能分野ではありません)!! みんな知らなかったので、先生へのご報告という形でのサプライズを仕掛けさせていただいた。

 彼のように大活躍するクラスメイトは例外的な存在かもしれないが、昔の友達たちとの時間は、誰しも特別なもの。会うだけで気持ちも若返り、それぞれの近況を聞き、元気も出る。そして旧交を温めに参加できる立場にいる自分の、今ある幸せを感じる。今年初めに大学の同じ学科の連中と集まったときも同様だった。

 そんな大切な友達、思い出すだけで元気が出る親友たちのことや、その親友たちに初めて出会ったときのエピソード。高校時代に挑戦した思いで、若き日の過ちも含めて、反抗期のお子様に語っていただきたいと願う。中学生たちにとっては、これから出会うはずの本当の意味での親友の存在。反抗期の時期は今だけしか見えていない時期。そこから抜け出すには、少しずつ未来を見る気持ちを持つことが重要。子供も大人も、完了した過去にとらわれず未来を見続ける人だけが成果を残す。

 高校生たちにも、大学で知り合った同じ道を志した友達たちとの思い出、大学で学ぶとはそもそもどういうことなのか、そこにだけにある素晴らしいものを、過去の失敗も含めて、肯定的に語っていただきたいと願う。未来が明るく楽しく元気の出るものでなければ、そこに進みたいという気持ちを生み出さない。

 親として、子供に確信をもってぜひ伝えてましょう!! 「君の未来は素晴らしい、素敵な時間が必ず待っている」と!

※この内容は2014/06塾だよりに掲載したものです。
 親は子供に、「そんなことしていると、大人になったら大変」「~しないと、将来困ることに…」というような声のかけ方をしていないだろうか。
 否定語は、脳にブレーキとして働くということは、この「巻頭言」でも繰り返し取り上げてきた。確かに小さな子供に、やってはいけないをダメだと教えるには、非常に効果がある。例えば、赤信号に気づかない子供に「ダメ」と強く手を引くなど、危険な場面で不注意な行動をとらないために、強い否定語と物理的な痛みを記憶させることで、行動が抑止される効果があるのだろう。
 だが、勉強などの成長へのチャレンジが必要なことに対して、その声のかけ方では、結局はブレーキにしかならない。嫌な体験としての記憶が積み重なってしまう。反抗期になると親の言う通りには動かない。それでも親が無理やり押さえつけようとしてしまうことで、様々な問題が生じるのが反抗期の構図であろう。
 「未来は大変」と言い続けられた子供たちは、「そんな未来なら行きたくない」と思うようになるに違いない。
 勉強などの成長への挑戦は、壁に挑み乗り越えていくことが必要となる。その原動力は、壁の向こう側に行きたいという気持ちである。強く行きたいと思う気持ちが、頑張れは乗り越えられると信じる気持ちとともにあれば、強い行動を生み出すはずだ。
 そのために、待ち受けている未来がどれだけ素晴らしいものかを伝えることが、親の役目であろう。それは、勉強の先に待っているもの、大学から先で学ぶ専門的な学問の素晴らしいさでもよいし、高校からの友達との出会ったときの話でもよい。自分で努力して拓いた未来なら素晴らしいこと、大人になって、例え苦しいときがあっても、頑張っている瞬間が充実していることなどを、そのまま伝えればよいはずだ。
 まず、親が子供を信じなければ、子供を信じてくれる人は誰もいなくなってしまう。「君の未来は素晴らしい、素敵な時間が必ず待っている」ことを確信をもって伝えていきましょう。