Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2014年07月号)
苦しいときこそ、力がつく
いよいよ夏期講習である。受験生にとっては天王山。
目前の時期だが、毎年多くの受験生たちが、まだまだ、そしてなかなか勉強に集中できない時期でもある。部活の大会直前で練習に燃える生徒、文化祭や行事の準備が目白押しの生徒、帰宅するとクタクタで爆睡...。
だが、そんなときこそ、頑張りが試されるときだ。調子がよいとき、気持ちが集中しているときに頑張ることは誰でもできる。疲れているとき、気分が乗らないときにこそ、どこまで頑張れるかが大切だ。もちろん、「ベストを尽くせ」といっても、物理的に無理な部分も少なくない。だからといって、ゼロにしてしまうと取り返せない。そして一番決定的ないことは、無理だと思って、限界に挑戦せずに、すぐに諦めてしまうことが習い性になってしまうことだ。
限界を決めているのは本人の心。潜在意識が無理と判断すると、客観的に簡単に達成できることでも頑張れない。自分の心の中の限界を、どこまで高くできるかが、その人の成長を決める。
解決するキーワードは習慣化にある。ぎりぎりまで毎日挑戦する習慣が限界を高くする。そのとき与えられたことを徹底することが道を拓く。
そんな気持ちを自分から引き出せるように、保護者の皆様にも親の役割を演じてほしい。少なくとも塾に休まず通うこと。結果ではなく、そのプロセスを誉めてほしい。誉めることが継続を生み出します。
夏期講習は塾にまた新しい仲間が加わる時期。競い合う本物の仲間がいるから頑張れる。夏期講習、ともに大いに切磋琢磨します!
※この内容は2014/07塾だよりに掲載したものです。
「親の役割を演じてほしい」と書いている。「役割を演じる」と書いたのは、いささかオーバーな表現。「役割を果たす」が適正な表現というところだろう。
子供にとっては、勉強だけでなくいろいろなことが、初めて経験するものばかり。その中でも、受験という壁を乗り越えることは、初めての体験。それが大学受験だとしても、高々2,3回目の初心者に過ぎない。すでに何度も経験して慣れていて、かつ、どうすればよいかの正解を見つけているならば、比較的簡単に道を拓くことができるかもしれないが、実際には、その経験値を積むころには、終わってしまう。経験者の親がそばでみていると、歯がゆく感じるのはやむを得ない。
だが、親として「受験期の子供にどう接すればよいか」の体験という視点でみれば、親も子供と同様「親の初心者」に過ぎない。一人目の子供でないとしても、さらに自分の経験を数に加えたとしても、高々数名の極私的体験を持っているに過ぎない。もちろん、これは受験に限ったことではない。「反抗期に入る前の子供の親」「反抗期に入りかけた子供の親」「反抗期のピークの親」...。その中には「初めて幼稚園などに送り出す親」や「子供の運動会を初めて見に行く親」などもあっただろう…。
数限りない、親として白紙から学ばなければならないことがあるはずだ。
親は、そのままでは「親のプロ」ではない。
親の役割を果たすことは、子供にとってとても大切なことだ。そして、子供もいつか親となり、親の果たしてくれた役割を理解し、感謝する日がやってくるに違いない。
日々、悩み試行錯誤しながらも努力されている保護者の皆さまを応援します。