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[巻頭言2020/04より] 今、できることに集中

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2020年04月号)
今、できることに集中

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染防止のための休講等の対応に、皆さまから、ご理解ご協力をいただいたことに感謝します。ありがとうございました。

 (これを書いているのは春期講習前なので、まだ先がはっきりしていないことをご容赦いただいた上で)、全国一斉の学校休校要請に対応して、公益社団法人全国学習塾協会の指針に従い、2週間の対面集団授業の休講、自宅学習対応や個別フォロー、時間帯変更による分散登下校での振替授業などの緊急措置を取らせていただいた。実は、休校要請前日、北海道の全道休校に続き、市川市が翌日全市休校発表との事前情報を得て、地域一体の休校に備え、北海道最大手塾との情報交換や市川の状況調査など準備を始めていた矢先の全国休校要請だった。そのおかげで速やかに対処することができ、また以前から情報収集していた映像授業配信システムも急遽準備を進め、siriusで稼働できた。

 さて改めて今、3.11の直後にここ(巻頭言)に書いた以下の話を再度、敢えてそのまま掲載したい。

 この未曾有の自然の猛威に対して、無力であることを感じるかもしれない。確かに、自分一人ができることはとても小さなこと。しかし、それでも自分の力でできることだけに集中することが本当は一番大切だ。

 子供たちにできることは、今はただ勉強することしかない。でもそれは、次の時代を切り拓く「未来の大人たち」にとって、その「未来のとき」に力を発揮するためには、必要なことなのだ。今は他に何もできない。しかし次の主役となるときは、必ず順番に巡ってくるのだ。

 そして、その手本となるべき大人たちも、今、自分たちができることに全力を尽くすことが一番大切。その真剣な後ろ姿を見て、次を継ぐ者が育つ。

 どうか保護者の皆様も、自分のできることに精一杯集中し、充実した日々を送っていただきたい。子供たちの行動にあれこれ言うよりも、まずは自らの姿でお手本を示すこと。その姿を見て、子供はいつか超えていく。

※この内容は2020/04塾だよりに掲載したものです。
 新型コロナ感染拡大によって、全国の学校が休校になり、そのまま春休みに入る時期に書いています。
 誉田進学塾グループは、公益社団法人全国学習塾協会加盟塾として協会ガイドラインを遵守し、3月初めの2週間の通塾停止のあと、停止期間の振替授業と春期講習でいったん通塾体制に戻りました。
 さらに、その時点で緊急事態宣言を想定、発動される日を予測して、それまでにすべての準備を整え、通塾できないときの体制づくりを終えました。
 現在も感染拡大が収まらない状況ですが、最終的な人類の英知の勝利を信じ、長期戦になっても、子供たちの安全を守るとともに、そのような状況下でも学力を最大限に伸ばせるよう努力します。

[巻頭言2020/03より] 本質の追求

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2020年03月号)
本質の追求

 いよいよ入試制度が新しくなる、変わり目の年度の始まり。

 大学入試はセンター試験が廃止、新テストの共通テストに替わる。千葉県公立高校入試もいよいよ一本化となる。千葉県公立高校入試は、推薦導入(10年間)から、特色化選抜(8年間)、前後期制(10年間)を経て、すべてが1回の入試に戻るのは28年ぶり。推薦導入の時期は「ゆとり教育」「業者テスト廃止」などの流れから、(当時の)入試が学力偏重だという批判を受けて変更になった。しかし内申点と面接だけの推薦入試では、入学後の学力の保証がないと難関校が警戒して最小規模でしか実施しないという問題がでて、各学校が入学させたい生徒に合わせた入試を実施することができるという特色化選抜に移行。この特色化選抜時代は、難関高校は学校ごとに出題を凝らした難易度の高い独自問題を実施するなど、一定の成果を収めたものの、中堅以下の高校の多数は、学力試験を受けずに入学する生徒が過半数を超えることになり学力低下。少なくとも全員が5教科の試験を受験する形の前後期制になる。そして前後期に分ける意義も薄れ、入試日程が過密であることから、いよいよ来春の入試から一本化となる。

 ただし「1回に戻る」と書いたが、単純に戻るわけではない。出題内容は、当時からは大きく変化し、単純に知識を問いミスをしないことが求められた入試から、与えられた条件から、思考判断し表現する入試にすでに変化してきている(これは特色化選抜時代に難易度の高い独自問題で選抜した難関高校の意向を反映した形だろう)。

 これは大学入試とまったく同じ流れ。昨秋さまざまな問題から、英語検定の採用と、国数の記述出題が見送りになった。しかしセンター試験に「戻る」のではない。新しい学力観の出題に大きくかわる。

 結局、そこで求められている学力は「本質的な学力」のはずだ。入試がどう変わろうとも、変わらない本質的な学力をまず高めること、そして変わる入試に対応できるように仕上げることを目指したい。

 いよいよ新学期。環境も変わり、新鮮な気持ちでチャレンジに臨むとき。塾では、さらに本質的学力を追求します。これからの新しい一年、よろしくお願いします。

※この内容は2020/03塾だよりに掲載したものです。
 新年度で、公立高校入試と大学入試の新テストの改革に触れていますが、それらの具体的な内容は塾生や保護者の皆様には、塾だよりの他の記事や、別の資料などで、タイムリーに詳しく提供しています。
 この時点では、まだ公立高校の新しい入試制度の実施要項が未発表でしたが、先日発表されました。この発表で、大きな改革が発表されています。一つ目は各校の「配点」に学校ごとの特色が強く反映される形になったこと(満点も学校によって異なるなど)、二つ目は、学校によって、「二段階選抜」の実施が選択できるようになったこと、そして最後に、学校設定検査の中に「思考力を問う問題」が追加されたこと(ただし、新型コロナ感染拡大に伴う中学校の臨時休業実施の影響で令和3年度の実施は見送り)。
 誉田進学塾グループでは様々な情報収集から、発表前にこれらの変更をある程度予測をしていましたが、この「巻頭言」の通り、それによって入試で求められる本質が変わるわけではないのは言うまでもありません。
 常に改革は「本質的学力」をより求める方向に進み続けるはずと確信します。