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[巻頭言2011/11より] 決断!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2011年11月号)

決断!

 中3の受験面談のピークの時期だ。高校部でも高1・2の三者面談が始まっている。面談で重要視しているのは本人が自分自身で考えて決めること。保護者の皆様には、その本人の決断のときに、そばでそっと付き添っていただくように、ご協力いただいている。

 成果を達成するには、行動しなければならない。そしてその行動を始めるためには、決意する、自己決定感が重要だ。やる気と自己決定感には大きな相関関係があるといわれている。いつまでに何をどれからどのようにやるのかを、本人が主体性をもって決めることが、やる気を生み出す。ああしろ、こうしろと命令されると、自ら決める余地がない。決められてしまい自己選択感がないと、やらされているという強制感を感じてやる気を失ってしまう。

 できるだけ失敗させまいと、横から最短距離を指示してしまうことが結果としてやる気を奪うことになる。本人の試行錯誤の余地がなければ、やる気は生まれない。決断するのは本人。決断するという行為が完了することで、意思が生まれる。そしてその決断する機会を増やすことだけなら、周りの力でもできる。保護者の皆様の理解と協力が欠かせない。

※この内容は2011/11塾だよりに掲載したものです。
 「自己選択感」「自己決定感」は、やる気を持続するための重要なキーワードである。自発的なやる気を持続し続けるには、内発的動機がカギということだ。
 指導する側、もしくは親が、早急に結果を求めようとすると、強制的に勉強させようしてしまう。この短絡的な選択は、一時的、短期的な効果しか得られない。いやいややらされていることは、脳が常に早く拒否しようとするからだ。
 小学生の間はそれでも大人と子供の力関係で続くことがあるかもしれないが、中学入試で、誤って過度な圧力をかけた状態が続くと、ストレスで様々な悪影響がでることが少なくない。また、中学生後半になると反抗期がピークになり親子の衝突が起こる。
ありがちな、目の前の成果だけを求めるスタイルの塾で行われている指導では、結局、一時的な効果は、長く続かないだけでなく、長期的に見れば大きなマイナスになるのだ。
 それに対して長期的な展望をもち、成長を促すことは非常に手間がかかり遠回りに見えることが多い。だが、その漢方薬的な処方箋が、時間をかけ続けていると、どこからで大きな突破力を生みだし、飛躍的な成果になる。
 私たちは小中高と一貫した教育の現場で、それを実感し、常に改善改良を続けてよりよい方法論を求め続けてきた。まだ究めるには道は遠く険しいが、挑戦し続けていくつもりである。