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[巻頭言2022/01より] 高い成果を得るために

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2022年01月号)

高い成果を得るために

 「曼荼羅チャート」をご存じだろうか。流行語となった「リアル二刀流/ショータイム」の大谷選手とともにマスコミなどで多数紹介された。真ん中に「ドラ1・8球団」、それの達成に必要な要素を書いた3×3の8マス、さらにその8つに必要なものを書き上げた正方形2重構造で、「運」と「あいさつ」「ゴミ拾い」などが、と言えば「ああ、あれか」とわかった方も少なくないであろう。

あのチャートの考え方のルーツはいくつかあるようだが、一番わかりやすいのは元「日本一」の中学体育教師、ビジネス教育の分野で活躍されている原田隆史氏が目標達成ツール「OW64」という名前で紹介しているものだ。10年ほど前、私達の塾で保護者向け教育講演をしていただいたときにもご紹介頂いた。また例によって楽屋でも「原田メソッド」のお話をお聞き出来、気づきをたくさん頂けたが、有名になり、また著書も多数あるので、チャート自体の話はそれに譲る。

 今回はなぜこのチャートが目標達成に繋がるかの原理的な部分について考えてみたい。まず当然として、必要なものを箇条書きで揃えること、そして日々のルーティンワークとして、その要件をそれぞれ高めていくことが達成につながるのは言うまでもない。またすべてに期限を決めて達成していくことも不可欠だ。

 だが、一番着目したいのは、全体をまず俯瞰し、ゴールから逆算して必要な構成要素へと分解する手順である。これまで、たくさんの生徒や社員を教育してきた単なる経験論だが、日本人の大多数はこれが苦手なのではないだろうか。意識しなければ小さな足元の事柄を集め積み上げることで全体を構築しようとしてしまう。全体から逆算して構成要素へと考えることが少ない。なるほどの側面だ。
何か一つだけやればよいと思う方が楽だが、全ての条件を整えたときでなければ高い成果は得られない。勉強も仕事も同じである。そう信じ今年も進みます。

※この内容は2022/01塾だよりに掲載したものです。
 シーズンなので毎日のように出題されたての入試問題を解きまくっていている。もちろん、正解速報のための援軍。各担当が複数で正解を素早く用意して、受験生の次の受験へフォローするためだ。時間勝負なのでその「助っ人」役。
 大昔は全科目解いていたが、今では数学だけ。その替わり、中学入試、高校入試だけでなく大学入試まで。その中で、ちょっと触れたいのは、中学では、かなり難しい閃きを要求する問題があり、その数学的な本質部分は、大学入試と同じレベルであることも少なくない。例えば、今年の共通テストの数学IAで出題されていた、いわゆる完全順列(攪乱順列)、もしくはモンモール数と呼ばれる問題。この問題自体は中学受験でもほぼ同レベルで出題されていたりする。
 では大学入試と何が違うのかというと、中学入試では閃いて答えにたどり着けば終わりであるが、大学入試つまり数学では、証明が必要なこと。正確に表現するなら、その答えの「十分性」の確認、つまりその答え以外の答えが成立しないことの確認であろう。
 何が伝えたいのかというと、この「全体をまず俯瞰し、ゴールから逆算して必要な構成要素へと分解する手順」の件で述べたのは、「十分性」の吟味ということに一般化できるかもしれないということだ。それが「再現性」を生み出す。
 そういう意味では、高校「数学」を正しく本質を理解し、つかみ取れるまで勉強することは、社会に出てからも非常に役に立つ。

「数学」は重要であることを伝えていきたい。

(原田隆史氏の初期の著書)

[巻頭言2011/04より] 今、私たちにできること

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2011年04月号)
今、私たちにできること

 震災で多くの方々の尊い命が失われたことに、深い哀悼の意をささげます。また被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 この未曾有の自然の猛威に対して、無力であることを感じるかもしれない。確かに、自分一人ができることはとても小さなこと。しかし、それでも自分の力でできることだけに集中することが本当は一番大切だ。

 子供たちにできることは、今はただ勉強することしかない。でもそれは、次の時代を切り拓く未来の大人たちにとって、その未来のときに力を発揮するためには、必要なことなのだ。今は他に何もできない。しかし次の主役となるときは、必ず順番に巡ってくるのだ。

 そして、その手本となるべき大人たちも、今、自分たちができることに全力を尽くすことが一番大切。その真剣な後ろ姿を見て、次を継ぐ者が育つ。

 どうか保護者の皆様も、自分のできることに精一杯集中し、充実した日々を送っていただきたい。子供たちの行動にあれこれ言うよりも、まずは自らの姿でお手本を示すこと。その姿を見て、子供はいつか超えていく。

 入試についてのまとめの詳細はSpecial Programでご報告します。
 毎年好評の「難関中学/高校受験研究会Special Program」の特別講演。今回の木下先生は、4年前の講演で、保護者の皆様に大きな感動をいただきました。ぜひご両親でご参加ください。

※この内容は2011/04塾だよりに掲載したものです。
 3.11東日本大震災直後の号。
 今のコロナ禍感染拡大の状況も同じような気分。
 直接的な猛威では当時の衝撃の方が強いかもしれないが、この長期戦、そして目の前の子供たちへの環境を考えると、今の方が遥かに厳しい。
 だが、考え方は変わらない。
 やるべきことに集中して精一杯やり遂げるしかない。
 入試後半戦。
 スタッフ一同、頑張ります。

[巻頭言2011/03より] 特別の瞬間

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2011年03月号)

特別の瞬間

 この塾だよりが届く頃には、公立高校の後期入試の直前、そして大学入試も終盤の発表待ちの時期となる。

 特別の瞬間、毎年書いているが、大切なことなので敢えて今年も繰り返して書く。入試は受験生にとっては特別の瞬間だ。入試を受けている瞬間、合格発表の瞬間に、人生の運命が分かれたかに見える。しかし本当はそのときだけが特別なのではない。

 人生の運命は、毎日毎日の日々刻々全ての瞬間に少しずつ分岐し続けている。一見単調な、どちらに進んでも大差ないように見えるその瞬間瞬間をどう充実して過ごしたかで、未来が少しずつ変わるのだ。そして差がはっきり見えるまで気づかない。いつでも、今このときが特別の瞬間。二度と帰らない大切な時間であることに気づいて、充実して過ごしてほしい。運命は自らの意思と行動で、どんな瞬間でも常に変わり続けるのだ。

 さあ、塾では新しい学期が始まる。充実した毎日が未来を拓く。後悔することのない一年としよう。大網のみなさんよろしくお願いします!

※この内容は2011/03塾だよりに掲載したものです。
 敢えて繰り返して書いている回。ネタに困って手を抜いているわけではない(苦笑;)。
 とくに私たちスタッフのみならず、教育に携わる人間は、1年周期でいろいろな行事や業務が繰り返しのように過ぎていく。油断すると、つい「また今年も」という気持ちになりがちであろう。
 しかし、子供たちにとっては、二度とない一瞬を毎日過ごしている。人生の中で、どんな瞬間であろうとも、それは取り返すことのできない瞬間のはずだ。
 塾だよりは、保護者の皆さま向けのものであるが、スタッフたちに向けても同じ言葉を、より強く発している。日々の仕事を、繰り返しの「また」の時間と勘違いしてはいけない。子供たちの人生を変えてしまうかもしれない、一瞬の連続なのだ。
 教育の責任は重大だが、だからこそやりがいもある。

 頑張ろう。

(最後に「大網のみなさん」とあるのは、ism大網とpremium高校部東進衛星予備校大網白里校をこの月に開校したからです)
(開校当時の写真)
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[巻頭言2011/02より] 入試は団体戦

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2011年02月号)

入試は団体戦!

 入試は中盤戦である。これがお手元に届く頃には、中学入試は都内入試と県内2次、高校入試は私立高校後期入試直前、そして大学入試はいよいよ個別入試がスタートする時期だろう。

 ここまでの入試では、塾生たちは今年も健闘している。きっとこの後、最後まで自分の力を伸ばして、自ら成果を掴んでくれるものと期待している。

 受験生とは言ってもまだまだ心は子供たち。結果に一喜一憂し、つい周りに気を取られて、自分自身の中にある問題だけにフォーカスすることは難しい。そして意思の力、気力を維持することは簡単ではない。ひとりではなかなか頑張れない。だから仲間が大切。一緒に頑張る仲間がいるから元気が出て、力も出る。今年もすでに志望校に合格している塾生も一緒に頑張っている。自分たちの頑張る姿でこれからの入試に向かう友へ勇気を与えるために。

 そう、入試は団体戦。ともに切磋琢磨してきた仲間たちと最後までお互いにエールを送りあうことで、お互いの力がより発揮できる。がんばれ受験生!

 今年も千葉テレビで公立高校入試解答解説の番組を担当させていただくことになりました。少しでも受験生たちへの励みになればと準備しています。ご期待ください。

※この内容は2011/02塾だよりに掲載したものです。
 いよいよ今年も今日で冬期講習最終日。そして入試直前。
 入試の出願状況などのデータも入り始めて、分析などの臨戦体制もスタンバイ。
 ただ、コロナ禍での2回目の入試である。オミクロン株など、心配な要素は少なくない。年末年始の人の動きの影響からか、今日も2500人近くと感染者数急増。なんとか、これ以上の拡大が止まり入試時期を無事になんとか過ごせ、塾生たちが持てる力を思う存分発揮出ることを願う。
 入試を通じて、最後まで諦めずに努力して乗り越える経験を体験し、そして、ともに切磋琢磨する仲間の大切さも知ってほしい。

 頑張れ受験生。

(2011年に撮影した幕張メッセでの市川中学入試当日の様子)
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[巻頭言2011/01より] 一年の計は元旦にあり

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2011年01月号)

一年の計は元旦にあり

 新年、あけましておめでとうございます。

 「一年の計は元旦にあり」という。初めに志を持つことが大切。そしてその思いを具体的な目標という見える形にする。それが計。言語化することで、強く意識するようになる。数字として見えるようにすることも大切。またゴールした瞬間の映像を目標にするのもよい。ビジョンという。昨年元旦、自分自身の勉強目標としたことは予定通り達成した(はずである。これを書いている時点ではまだだが。くわしくはブログをお読みください)。今年も元旦に個人の目標を決める。目標は具体的なほど達成される可能性も高い。昨暮、毎年5つ目標を立てていると教えてくれた方がいて、大いに刺激を受けた。

 保護者の皆様も、今年一年の具体的な新しい目標を立てたでしょうか。

 塾としての今年の挑戦。大網のismとpremium高校部の開校。そして改めて原点を見つめて教務力の強化に力を入れること。ご期待ください。

※この内容は2011/01塾だよりに掲載したものです。
 ちょうど新年になった。
 「計」すなわち計画、はかりごとである。
 はかりごとというからは、目標とするゴールを数値化することが大切だ。数字にすることで強く意識するようになる。
 またゴールを数字で明確にすることで、そこに至るための途中の行動計画を逆算してたてることができる。目標をただ思っているだけでは達成できない。きちんと行動計画を精密に描いて、それに従って実行し、一つ一つの結果を数字として確かめ軌道修正しながらゴールまで続けることで初めて成果となる。
 この年は、「1年間で自分の勉強のための本を100冊読む」というものだった。そのとき記録を確認してみると、実は大晦日までには4冊間に合わなかったのだが、始めたのが1月2日からだったので元日の夜寝るまでで1年間という拡大解釈によってなんとか滑り込み達成。ただし最後の何冊かはメモも少ない(苦笑;)。また多読を目的化してしまいがちになったことを反省して、翌年は読んだ本を数えるを辞めた。
 さて、皆様は新しい「計」を立てたでしょうか。

 今年も頑張ります。

[巻頭言2021/12より] 才能を引き出すには

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2021年12月号)

才能を引き出すには

 さまざまな分野で非凡な能力を身につけたエキスパートたちが、どのような子供時代を送ったかの共通因子を分析した研究があるそうだ。Benjamin Bloomの Developing Talent in Young People(1985)。残念ながら邦訳は発行されていないため、引用紹介で一部をさっと読んだだけで恐縮だが、紹介しておきたい。

 研究チームが分析したのは、ピアニスト、彫刻家、オリンピック水泳選手、ワールドクラスのテニスプレーヤー、数学者、神経学者という6つの分野のエキスパート120人。その成長過程から共通因子を探しだした。

 するとまず3つの成長段階に分けられたそうだ。第一段階が、出会って楽しむ段階(romance stage)、続いて初級の指導者についてレッスンを受ける段階(work at learning the grammar of the field)、最後に一流のコーチの下でトップクラスを目指す段階(work toward mastery)。それぞれの段階で、子供本人、指導者と親のエキスパートに成長させた特徴的共通因子が存在する(賢明なる皆さまは、既に予想していることと思うが、生まれつき「才能」ではないと結論づけている)。

 第一段階では、最初は子供自身が興味をもって始めること、それ自体を楽しむこと(うまくなることを優先させない)。それには親が興味を持って楽しく取り組んでいるお手本を見せるのがよい。さらに何かちょっとできたときに誉めること。

 次の第二段階では、指導者が練習自体を楽しくできるようにすること。楽しいから熱中する状態にしてやる気を引き出すこと。その中で子供は徐々にもっとうまくなりたい、できるようになりたいと内的動機を高めていく。親は、それを支える役割に徹すること(指導しない、評価しない)。誉めて励ますことは重要。

 さらに数学者(つまり勉強の分野)だけの特徴があり、対象分野に取り組み始める時期が芸術やスポーツよりずっと遅く、親ではなく教師が知的好奇心を刺激し意欲を引き出すことだそうだ。

 つまり私たちの役割。心して頑張ります。

※この内容は2021/12塾だよりに掲載したものです。
 奇しくも昨日の11年前と同じ12月の内容。
 お気づきの通り、昔とは字数制限が少し増え伝えられる量も増えたが、伝えたいことは多く、毎回字数に収まるように推敲するのが厳しいのは変わらない。はたして、内容は、少しは進化しているだろうか。
 さて、非常に興味深い研究である。
 調子に乗って原書も求めてみたが、いささか内容とボリュウムに気圧されて積読になっている。
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 明日は大晦日。
 他にも、やり残していることがたくさんある。
 反省して、新しい抱負とともに新しい年を迎えよう。

[巻頭言2010/12より] 未知との遭遇

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年12月号)

未知との遭遇

 ノーベル化学賞を受賞された鈴木章北大名誉教授のインタビューに「セレンディピティ」という言葉が出てきた。セレンディピティとは、偶然に出会う「能力」を意味している。努力によって「偶然」の起きる確率も変えうるものと考えるのだ。何かを成し遂げた者だけがよく言う言葉のひとつである。

 学びとは何か。

 それは自分の中にない、新しいものに出会い、それを自分の中に取り込む作業ではないだろうか。言い換えると自分自身を「変え続ける」ことである。人の心は弱く常に楽な道に流され、習慣的行動を選択する。それを変えるには習慣を変えるコツを掴みそれを習慣化ことが必要なのだ。

 はたして、大人は、何か新しい「習慣」にチャレンジしているだろうか。毎日の行動が昨日と同じでは、未知なるものにすら出会わない。
 親自身も自らを高める学びに挑戦し続けてほしい。未知との遭遇を大切に。

 (2011年3月、大網に誉田進学塾ismとpremium高校部の併設型新教室を開校します!! 詳細は、後日お知らせします。ご期待ください!!)

※この内容は2010/12塾だよりに掲載したものです。
 新しい年が目の前である。
 親は、子供には厳しく接しても、自分自身は、つい甘やかして過ごしていないだろうか。
 脳科学ですでに分かっていることだが、脳は、よほど強い気持ちでことに臨まない限り、楽な方へと、つまり同じことの繰り返しの、易きに流れる選択を選ぶようにできている。
 親だけでなく、すべての大人が、常に学び続ける姿を見せることが、一番大切だ。もちろん、その「学び」は指導要領で規定された範囲である必要はない。何でもよいから新しいことへの、毎日の少しずつの努力。昨日とは少しだけでも異なる、新しく前進した今日とするために。
 新しい年が、多くの人にとって、何かを新しくチャレンジする年になることを願う。

[巻頭言2010/10より] 実りの秋

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年10月号)

実りの秋

 いよいよ実りの秋である。夏期講習終盤の模試も返ってきて結果に一喜一憂したことだろう。夏の成果がでて成績が急上昇した生徒も多いようだ。

 残念ながら、思ったほど結果につながらなかった生徒もいるかもしれない。しかしがっかりしてはいけない。勉強は長い間積み重ねてきたものが問われている。極言すれば生まれてからこれまでに体験して掴んだもののすべてである。成果はそんなに簡単にすぐに表れるものではないのだ。

 結果がでないからと諦めてはいけない。どんなに遅いボートもこぎ続けていればだんだん加速する。目に見える状態になるまでは時間がかかるだけなのだ。まず、諦めずに挑戦し続けることが大切。結果がでるのは3か月くらいかかるつもりで考えよう。実りの秋ではなく、冬を越して、春に開花すればいいのだ。まだまだ時間はある。これからだ!

※この内容は2010/10塾だよりに掲載したものです。
 入試は、付け焼刃の受験テクニックや詰め込んだ知識ではなく、勉強で積み重ねて鍛えてきた自分の人間力のすべてが試されていると考えてみると、大切な本質がわかるのではないだろうか。
 成果を生み出すのは行動であり、「原因」と「結果」の因果律が成り立つ。ただし、その因果関係は、確率論的な出現をするので、その理解は単純ではなく、また、かなり長期的にみて初めて強く成立するものであろう。
 つい、すぐの結果を求めたくなるが、そのような短期間に、すぐ結果がわかるような「原因」だけでは、結局、本質的なの力を伸ばすという「結果」につながるとは限らない。
 一つ一つの能力を時間をかけて地道に磨くことの中に答えがある。
 受験生は入試が近づいてきているので、つい目の前の成果を求めたくなるだろうが、それでも長期的に成果を生む「原因」を積み増すことをし続けなければならない。勉強は「入試」で終わるのではなく、成長し続けるためには、ずっと先まで続けるもののはずだ。

[巻頭言2010/09より] 目的と目標

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年09月号)

目的と目標

 夏期講習も終了、いよいよ実りの秋を迎える。

 ものごとが成功する方法は、普遍的に共通した形を持っている。そしてそれは勉強の場合も同じだ。受験勉強の場合を考えよう。

 まず目的を持つこと。なぜ勉強するのかという根源的な答えを持つことが大切。できるだけ公明正大で、世のため人のためになる目的を持って欲しい。その方がより強い願いとなり達成する力を増強する。そしてどうしても行きたいと強く願う未来の映像を頭に描く。目的と目標を混同してはいけない。目標は目的達成のための中間通過点。次はこれを決める。志望校を仮にでもいいから決めよう。続いてゴールから逆算して目の前の通過点を設定する。勉強では3週間後に何点取るという目標がよい。最後にそのためにやる行動を細分化してリストを書き、優先順位の高い順に実行することを習慣化する。

 ただし、これは本人が主役。横から口出しして自己決定感が不足するとうまくいかない。親は少しだけサポートするしかないことを覚悟してほしい。

※この内容は2010/09塾だよりに掲載したものです。
 目的と目標、これは繰り返して書いているテーマのひとつである。
 目標を高く、と言われているが、その前に、目的。目的 = 「何のために」が大切だ。なぜ勉強するかの答えである。
 ただし、それは「何か」のために「我慢して」勉強するというものであってはいけない。受験勉強を経験した多くの大人たちは、受験勉強をそういう難行苦行の修行のようなものとらえがちであるが、それでは、そもそもの勉強が必要なものであるということの答えにはなっていない。子供たちに、勉強自体の価値を正しく理解させることが大切である。
 勉強によって、自らの能力を磨くことが、自分のその先の人生にとってどれだけ価値があるか、どれだけ人生を豊かにするか、さらに知識を増やし、分からないことがわかるようになることが、どれだけ楽しいか、面白いのか、を伝えるべきだ。
 大人の役目として、子供たちに勉強の素晴らしさ、面白さを真正面から語るようにしよう。
 私たちの塾での指導はまずそれをベースにしている。今年も受験が間近になってきているが、そういうときほど、勉強の素晴らしさ、面白さの本質を伝えられるように心がけなければならない。

[巻頭言2010/08より] 本物の力をつけるとは

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年08月号)

本物の力をつけるとは

 夏期講習の前半が終了したところである。

 今年の中3生はとても真剣に、充実した毎日を過ごしている。決して楽なメニューではないが、毎日毎日、自分のできることだけを、その限界まで挑戦し続ける経験が自分自身を磨くことになる。
自らを磨き、心を高めてこそ、力を発揮できるようになるのだ。受験勉強の本質は単なるテクニックを覚えることではない。出そうな問題の解き方を詰め込んだところで、できるようになるものはたかが知れている。どんな問題に出会っても、どんな状況であっても自分の持てる力を発揮できるように自分を磨き高めた者だけが本物の力を持つことができる。勉強している中身は、そのための単なるトレーニング課題に過ぎないのだ。

 さあ塾生のみんな、お盆休み、充実した毎日を過ごそう。そして夏期講習後半に、元気な笑顔で帰っておいで。

※この内容は2010/08塾だよりに掲載したものです。
 勉強の成果を決める重要な要素を大別すると、心と質と量であろう。すべてがバランスよく成長しなければ、大きな成果にたどり着かない。
 しかし、その過程はさまざまで、すべてが同じバランスで成長するわけでもない。そのどこかの時点で、量による突破も大切だ。厳しく自分に向かい合い、限界まで挑戦し続け乗り越えることが、質を高め、心も成長させ、飛躍する瞬間を生み出すことがある。
 私たちの講習も、その側面を強く意識して企画している。
 成長へのプロセスは、教える内容だけで決まるのではないのだ。
 今年も、まもなく冬期講習。大きな飛躍する瞬間とできるように、準備します。