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[巻頭言2009/04より] 「学力」とは何か?!

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Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2009年04月号)

「学力」とは何か?!

 入試を終え、さあ新学期と思っていたら、もう春期講習である。

 入試の詳しい報告は開催予定の「難高研SP」「難中研SP」に譲るとして、昨年も取り上げた入試問題の傾向について取り上げたい。 今年の公立高校の入試は昨年より30点程度難しくなった。昨年も30点程度難化しているので2年間で約60点難しくなったことになる。さすがにやり過ぎだろうから来年はいくらか戻るかもしれないが、それ以前までにはならないだろう。

 明らかに求められる学力の意味が変わってきている。知識を知っているのか、つまり何を学んで来たかではなく、これから何を学ぶことができる状態にあるかを見ようとしていると考えるとわかりやすい。物ごとを解決して達成する力、成功する力を持っているかどうか。その力を勉強によって磨いたかどうか。学力のとらえ方としてはとても好ましい方向に進んでいると思う。

 今回の難高研SP特別講演の原田隆史先生は教育界だけでなく、目標達成シート等でビジネス界でも注目の方です。子育てだけでなく新しい出会いとなると思います。ぜひご両親でご参加ください。

※この内容は2009/04塾だよりに掲載したものです。
 この年の公立高校入試の平均点は5教科222.9 点(500点満点)だった。これはもちろん史上最低。どの教科も40点台という驚愕の入試の年だった。
 前にも触れたが、特色化選抜の問題点の学科試験を受けずに高校に合格する生徒が多数になったことと、難関校の独自問題作問の負担を解消するために、2011年の前後期制へと移行するための布石だった。
 その変更以来の大きな変更となった今春の入試。前後期制廃止、一回入試に統合で、出題レベルの変化を予測していたが、易化で大きな変化がなく、入試時点では意外感があった。
 これは今考えると、既報の学校設定問題に「思考力を問う問題」の影響であろう。始めから難関高校での判定は、そちらを想定していたのではないか。コロナ禍で、千葉高校の設定が先延ばしになった結果だろう。
 前に書いた繰り返しになるが、入試で「思考力を問う」ことはよいことだ。
 ぜひ、思考力を磨くために、受験勉強を頑張るべきである。将来に向けて最も必要なことは、単なる知識の詰め込みではなく、知識に基づいて考える力だ。
 私たちは、その「考える力」を磨くためのメソッドを進化させることに全力を尽くすつもりだ。
 千葉高校レベルには、余り難しくはないのではとの憶測もある。どこまで思考力を問う形になるか、これから公表される出題方針とサンプル問題を注目したい。

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[巻頭言2009/03より] 特別の瞬間

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2009年03月号)

特別の瞬間

 この塾だよりが届く頃には、公立高校の一般入試の発表待ち、そして大学入試も終盤の発表待ちの時期となる。

 私たちスタッフにとっては毎年毎年の繰り返しだが、受験生にとっては二度とない特別の瞬間だろう。しかし運命が分かれる瞬間は発表のその瞬間なのだろうか。それとも入試を受験している時間か。

 人生の運命が分岐する本当の瞬間は、毎日毎日の日々刻々すべてだ。一見単調な、どちらに進んでも大差ないように見えるその瞬間瞬間をどう充実して過ごしたかで、運命は少しずつ分かれていく。そして大きな差になる頃にそれに初めて気づくのだ。いつでもすべて、今このときが特別の瞬間。二度と帰らない大切な時間であることに気づいて、充実して過ごしてほしい。

 premium高校部は新年度よりさらに進化します。
 さらに進化する誉田進学塾グループにご期待ください。

※この内容は2009/02塾だよりに掲載したものです。
 入試発表時期の内容で、相変わらず時期外れだがご容赦を。

 最後に、新年度ということで、高校部の進化について触れている。この年の3月に、初めての卒業生を送り出した。開校からの短期間の中で、みんな大きく成長してくれたが、残念ながら希望通りの結果が出ず、志を持って再挑戦する塾生のために、浪人生対象の本科生コースをスタートした。

 だが、実は...
 この開校2年目の年度途中の夏からの次の新しい計画が、すでにスタートしていた。この時点ではまだ公表できなかったのでこういう表現のみに。
 当たり前の話だが、このようにかなり前から計画を立て、準備、段取りをし終えて、発表しています。

 (この話の続きはまたあとの号で)

[巻頭言2009/02より] プロセス!

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2009年02月号)

プロセス!

 入試シーズンが続いている。今年も県内の難関中学はさらに一段と厳しい入試となった。その中で塾生たちはよく健闘している。この塾だよりが届く頃には都内入試の真最中。よい結果がでるのを期待している。

 高校入試も、二極化で今年も難関高校だけが厳しい入試となっている。今年の塾生たちは大活躍。過去最高記録を更新する勢いで、難関高校を突破している。このあとの入試でも良い結果が出るものと確信している。

 昨年からスタートした高校部では、大学入試に初挑戦。今年の受験生たちは3月から高校部でスタートしたので、受験準備としての時間がとても厳しかった。それでも頑張って成果を掴もうとしている。

 どの受験生も持てる力を精一杯発揮して自分の力で成果を掴もうとしている。親が願っていたのは、単なる結果ではなく、本人が努力するプロセスであったはず。今その姿が目の前にある。ぜひその「姿」を承認してほしい。
 (今月から高校部も共通の塾だよりでご紹介することになりました。)

※この内容は2009/02塾だよりに掲載したものです。
 高校部がスタートした最初の年の受験シーズンの巻頭言。
 最初の頃は、高校部も1校舎でいろいろなオペレーションが軌道に乗るまで、毎週定期的に生徒がいる時間帯にずっと常駐してみていた。
 カウンターに座って、高校生たちの質問に答えたり相談にのったりの時間。コロナ禍で、あまりあちこち顔を出さないようにしているので、とても懐かしい。
 受験で結果を残すのは、本人の頑張りに尽きる。そのためには、規律を保てるやる気に満ちた「磁場」と、よき「伴走者」が必要だ。
 今ではスタッフたちが育ってその役を代わりに果たしてくれている。
 一番近い存在が一番力強い味方になる。

 頑張れ受験生。
 そして頑張れスタッフたち!

[巻頭言2009/01より] 次の挑戦

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2009年01月号)

次への挑戦

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 誉田進学塾は昨年秋、創立30周年を迎えることができました。皆様のご理解、ご協力に感謝いたします。

 昨年は高校部を新設するという挑戦を始めました。小中学部の教務力を下げることなく軌道に乗せるというチャレンジなので、まだまだこれから改善すべき課題がたくさんありますが、ここまで予定通り着々と進行しています。

 今年の挑戦は、それに比べればあまり大きな変化のないものに見えるでしょう。しかし進化しないことは停滞ではなく退化を意味します。今年は敢えて一つ一つの事柄の精度を徹底的に上げることを目指します。仮説、実証、検証、そして改善のループを繰り返して進化し続けることを重視します。

 それは子供たちの成長も通じることではないかと考えます。新年を契機に、リセットして0からやり直したい気分になるかもしれません。しかし、過去の失敗の経験に基づいて、より良い道を探すことが大切です。今まで経験したものを無にしないように、高い志を持って次に挑戦することを期待します。

※この内容は2009/01塾だよりに掲載したものです。
 気まぐれに、塾だより巻頭言バックナンバーを順にアップしているので、当然ながら季節感が変である(昨日は一年のちょうど真ん中の日だったそうなので、まあご愛敬ということにしてください)。
 ここで書いているように、日々の小さな進化の積み重ね(数学好きとしては「積分」と言いたいところ)が成果を生み出す。その結果を分かつ変化の瞬間は、外からは目に見えにくい非常に小さな変化(「微分」と言いたいところ(笑))かもしれない。それが時間をかけて大きな岩をも動かす力となるはずだ。
 「経営」という言葉の原義は、「日々の『営』みを『経』て目的・使命を果たすこと」だそうだ。その意味では「経営」するものは、会社だけでなく、個人や家庭などにも当てはまる。公教育では学級経営と呼ぶこともあると聞く。
 優秀な経営者とは、日々、組織の力を引き出し、掲げた目的地に到達させる能力に秀でた人ということになるだろうか。

 その原義通りの、経営者として頑張ります!

[巻頭言2008/12より] フィードバック。

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2008年12月号)

フィードバック。

先日、教育コーチング認定の更新研修を受講した。教務スタッフの認定グレードによって差はあるが、事前の課題レポートに加え、朝から7時間近くの実践セッションを中心にした研修だった。その研修の際、スタッフたちは、研究をより実りあるものとするために、協会の研修官に対して、さまざまな疑問をぶつけ、最後には研修そのものへのいろいろな提案をしながら進める形となった。あとで研修官に聞くと、今までにこのような積極的な形での研修をやったことがないとのこと。すべてものごとに対する真剣で前向きな態度と期待の表れ、スタッフたちを大変心強く思った。

 翻って考えてみると、保護者の皆様から、イベントアンケートや電話相談で、塾やイベントの運営に対して、貴重なご意見、ご提案をたくさんいただいている。さらには耳の痛いお叱りを頂戴することもある。しかし、それもすべては私たちに対する期待からくるお言葉である。大変ありがたいことだ。

 そう考えていくと、子供たちに対しても、教えるために怒る叱るではなく、本人が気づき進歩するためのフィードバックを返してやることはとても大切だ。フィードバックは、評価を一切排して、そのままを端的に返すのがよい。

 ただ単に、今の状態はこうなってるよと、本人に知らせる鏡のような役割だけでよい。ぜひ保護者の皆様の積極的な取り組みを期待しています。

※この内容は2021/06塾だよりに掲載したものです。
 塾は、ただ勉強の内容だけを指導するのでは、得られる成果は多くはない。
 昔は、ただ授業を垂れ流すだけの、いわゆるマンモス予備校が少なくなく、「お客さん」と呼ばれる、受け身でただ聞いているだけの生徒たちがたくさんいたはずだ。また大きな教室に生徒を大量に集めていた昔の塾も同じだったかもしれない。
 だが、徐々にそれでは成果が上がらないことが、生徒や保護者にもわかるようになり、顧客満足を提供できないところは淘汰されてきた(と信じたい)。
 私たちは、かなり昔から、指導するのは内容だけでないという本質を正しく理解して、生徒たちのやる気を引き出し、さらに自らやる気を創りだせるように成長させるメソッドに拘ってきた。このずいぶん昔の巻頭言でも、今も変わらない生徒を成長させるカギとなる考え方に触れている。

 この本質は、不変のもののはず。これからも、さらに進化させ続けていきます。

[巻頭言2008/11より] 30周年、ありがとうございました。

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2008年11月号)

30周年、ありがとうございました。

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 誉田進学塾は、今年10月、創立満30周年を迎えました。ここまで発展できたのは、地域の皆様、保護者の皆様のご理解とご協力、そしてなにより卒業生たちひとり一人の努力の成果のおかげです。ありがとうございました。

 30周年ということで、卒業生のみんなから近況報告をいただいている。へぇあの子がね、というよい意味での驚きの報告も少なくない。勉強に、学生生活にと活躍、そして社会に出てからも大活躍していてとてもうれしい。

 一方、高校部で生徒たちと話しているといろいろなことに気づく。高校部では、誉田進学塾出身でない生徒も通っている。その子たちと話してみると、今やっている勉強と、自分の未来がどうつながっているのか全く理解していない生徒がいる。勉強は大学受験のために我慢してやらなくてはいけないものととらえている。自分自身を鍛えることが自分の未来を輝かすもの、そして今を充実させるもの。新たなものに出会い、それを理解すること自体が素晴らしいものであること。それを伝えるのは先に生まれた人の役目といえる。

 スタッフ一同、新たな気持ちで、次のステップに進む決意である。
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※この内容は2008/11塾だよりに掲載したものです。
 創立30周年のときのものだ。このときは、卒業生たちが教室に集まれるイベントも開催し、懐かしい顔に再会したり近況報告を貰ったりした。
 その記事に写真も掲載されているが、改めて眺めると、卒業生として顔を見せてくれていた中に、現在、教務として活躍してくれている当時学生の2人が(別々に)写っていた。また別の記事では、公開模試Vもぎ全県1位を達成として写真掲載されている生徒も、今ではうちの教務として頑張ってくれている。
 こうして、歴史が積み重なっていくことで、私たちの目指す教育の志が受け継がれ、濃縮されていくことを改めて意識した。
 日頃、過ぎた過去を振り返る習慣がないが、たまには思い起こして決意を新たにするのも悪くない。

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[巻頭言2021/06より] 入試があるから?

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2021年06月号)

入試があるから?

 四国の塾・予備校はどこも大変なのだそうだ。と言ってもコロナの影響ではない。

 うちの塾は同業(異業種もだが)他社に広く門戸を開いて交流しているせいか、もともと各地の塾との付き合いが広い。コロナ禍で、あちこちと情報交換をしていて聞いた地方地域の教育事情、とくにその代表として四国の話を例に挙げたい。

 四国では、少子化の進行速度が上がっているそうだ。出生率減に加え人口減のダブル効果。対する公立高校再編が的確にできなかったせいか、入試倍率が低く競争が成り立たない。ある地域ではトップ校でも不合格は一桁、別の県のあるトップ校では定員160人に対して受験者150名。そのため受験勉強しなくてもなんとかなるという雰囲気が広まり通塾率も低下しているらしい。大学受験も同じ感覚で捉えて塾予備校に通う時期も遅く当然全国レベルでは通用しない。受験期に初めて現実に気づくが既に手遅れ、地元国公立大に受かる少数の生徒はよいが、たいていは地元の地方私大進学となるのだそうだ。あおりで四国の塾はどこも業績不振らしい。

 千葉県は早い段階で公立高校を再編したが、その後の変革が遅れ、今春、郡部の大半や都市部上位校以外の公立高校の多数が定員割れとなった。他人事ではない。

 だが、「入試があるから」「競争があるから」勉強する、でよいのだろうか。

 また、他塾経営者と話していると「受験のために我慢して勉強を乗り越える」とよく聞かされるが、その言い方には大きな違和感がある。もちろん達成のために努力することも価値があり、否定するわけではない。しかしそもそも「学ぶこと」は根源的に「楽しい」ことではないのか。未知のことが氷解する瞬間、できなかったことが、できるようになる達成の瞬間自体に、大きな喜びとやりがいがあるはずだ。

 学ぶことは無意味な難行苦行ではないはずだ。学ぶことに楽しく向かう子供たちを育てたいと願う。そう感じる生徒ほど人生の最後まで学び続けるに違いない。

※この内容は2021/06塾だよりに掲載したものです。
 少々舌足らずで、毎回だが、言いたいことがきちんと伝わるように書けていない。反省。
 この巻頭言はスペースの関係で字数に制限があり、ギリギリに内容を煮詰めて書いている。このブログでのバックナンバー再掲載の通り、近年は少しだけ字数も増えたが、もちろんまだ足りない。

 さて、一番お伝えしたかったこと、それは「受験のために」に「勉強」があるわけではないということ。受験のニーズがなくなったら、塾の経営は大変だということではありません(苦笑)。
 私たちの塾は、未知のものがわかる瞬間の感動とともに、知的好奇心豊かな子供を育て、どこまでも学ぶことを辞めない、知的に挑戦し続ける大人になってほしいと、日々挑戦しているつもりだ。学ぶことが好きになり、やり遂げる喜びを知って勉強すれば、成績や受験という短期的な結果は当然ついてくるはずである。どこまでも知的な根源的原動力で学び続け、解決するまで努力し諦めない人を育てることこそ長期的成果。
 少子化で、難関校以外は厳しい受験の競争が薄れてきたため、近年では「もう勉強は懲り懲りだ」と、いわゆる入学試験を受けずに楽をして大学生になるルートを選ぶ高校生も少なくない。
 一番重要なことは、本人の成長。受験を通して、自らの力で未来を切り拓くことができるよう成長することを目指し続けたい。
 保護者の皆さまがお子様に「受験がなくなったら、勉強しなくてよいの?」と、問いかけたとき、「勉強するのは楽しいから」と即答するような子に育ててほしいと願う。

 頑張ります。

[巻頭言2008/10より] 結果を分けるもの

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Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2008年10月号)

結果を分けるもの

 この夏の模擬試験の結果はどうだっただろうか。志望校判定を見て悲喜交々の時間を過ごしたかもしれない。もちろん模擬試験の結果は全てではない。その日そのときの出来に左右される部分も少なくない。偏差値の「発明者」桑田昭三さんの言葉を借りれば「試験の神様」が握っている点、その範囲を含めて見れば、やはり実力を表していることになるだろう。そして当然ながら、その結果を分けているのは、そのときまでの日頃の「行動」である。

 現在の成績だけを見て一喜一憂しているだけでは解決には繋がらない。「行動」のみが問題を解決する。まず現状を逃げずにしっかりと見つめて分析し、解決するために必要なものの優先順位を決めて、「行動」を起こすしかない。受験生にとって必要なことは、今、するべきことをすぐに実行すること。それがスムーズにできるようにするには保護者のサポートも欠かせない。

 受験生にとって重要な、難関高校受験研究会FPや受験面談の時期となる。保護者の皆様にも、十分に研究していただく予定です。

※この内容は2008/10塾だよりに掲載したものです。
 どんな分野でも、「優れた結果を残すために必要なことは、才能ではなく努力である」と考えている人ほど、諦めずにやり続け、結果を残すという事実がある。
 つまり勉強に努力する「行動」によって、偏差値の「結果」が変わるという因果関係が成り立つということで、これには異論はないだろう。偏差値は、その人の能力(才能に依存し不変のものと考えた場合の)を「評価」するものではなく、その途中経過の現在の能力(努力によって可変のものと考えた場合の)であり、これをみて現状の努力の有効性の度合いを測り、今後を改善するための「指標」に過ぎないはずだ。
 だが、この基本的な概念は、「数字が独り歩きしやすい」ためなのか、ときに正しく理解されず、誤解を受けやすい。「偏差値」は、誤解の被害者として悪者扱いされることが少なくなかった。1993年に起きた、脱偏差値、業者テスト禁止の騒ぎなどはその代表的できごと。「発明者」の桑田さんも、その不遇の扱いをなげいていらっしゃったようである。この稿を書くにあたって確認したら、5年前にお亡くなりになったようだ。業者テスト廃止騒動から少し経った頃だったか、所縁の業者テスト業者の方から、そのうち紹介しますよと、言われたままになっていたことを思い出す。お会いしてお聞きしたいことがたくさんあった。心残りである。改めてご冥福をお祈りするとともに、決意を新たにしよう。

 私たちが、正しく理解して、受験生たちが努力するための重要な「指標」として有効に使用することが、「偏差値」自身のためにもなるはず。
 偏差値を正しく活用して、受験生を指導し、応援していきます。

[巻頭言2008/09より] いよいよ実りの秋

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2008年09月号)

いよいよ実りの秋

 夏期講習が終了、いよいよその成果を発揮する秋、後期が始まる。

 受験生は、このあと模擬試験が次々とあり、その合格判定結果に一喜一憂するかもしれないが、模試とは、自分の現状を分析し、次までに克服すべき課題を具体化して、次の行動を起こすためのツールである。その機能を十分に活かして、勉強への努力が空回りすることなく、確実に実りのあるものとしてほしい。今後の道を切り拓くのは、本人の行動のみであるはずだ。

 そしていよいよ志望校選び。といっても受験生はなかなか時間をとれない。スクールフェアなどを活用して効率よく研究するしかない(併願校などの受験作戦は難高研FPや塾の面談にお任せください)。またシリウスの小4・小5のみなさんは今のうちに文化祭めぐりなどを十分にしておいてほしい。

 最後に中2・中1は、この時期は当面の目標がなく、脱線しやすい危険な時期となる。日頃の様子に目を配ること、そして「譲らない一線」をしつかり維持することが一番大切だ。細かいことばかりの言いすぎは禁物です。

※この内容は2008/09塾だよりに掲載したものです。
 まもなく夏期講習である。コロナ禍に対する対応に、長期的に意識を奪われ続けているうちに、早くも二巡目の夏を迎えようとしている。
 昨年は、最初の緊急事態前後の学校休校に対応する為に急遽、前半のカリキュラムを変則的にした影響で、夏期講習もカリキュラムと時間割を調整して最善を尽くした。今年は、まだ油断はできないものの、なんとか従来の枠組みに戻す形で乗り切れそうな見通しである。
 この夏が、素晴らしい「実りの秋」の準備の夏となることを願って、スタッフ一同、準備します。

[巻頭言2010/11より] [根岸英一博士訃報に接しての掲載です]

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年11月号)

受験勉強とは何か

 ノーベル化学賞を受賞した根岸英一パデュー大学特別教授は、受賞会見の冒頭で、「私は日本の悪名高い受験地獄の支持者だ」と発言したという。高度な研究になればなるほど「基本が大事になるから」、そしてそれは日本の教育で身につけたということらしい。

 確かに基礎基本が大切である。それを鍛えるのに受験勉強は役に立つだろう。そして、保護者のみなさんの多くは、意志の力で自分自身の気持ちをコントロールし成果を掴むまで諦めずにやり遂げるという、困難を乗り越え達成する経験としての受験勉強の効用をあげるだろう。

 しかし、本質的な勉強を続けることで体験することができる、わかった瞬間、できた瞬間の感動を忘れてはならない。学ぶことはとても素敵なことなのだ。ぜひ受験を通して、学ぶことの素晴らしさを感じる心を育ててほしい。

 (公式ブログKan’s Blogに同内容の記事を掲載しています。ご覧ください。)
 (WebTVの若者にエールを贈るインタビュー番組「覚悟の瞬間(とき)」に出演しています。ご覧ください。)

※この内容は2008/08塾だよりに掲載したものです。
続けて再掲載のブログ記事をお読みください。