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[巻頭言2022/08より] 不易と流行

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2022年08月号)

不易と流行

 先日、ある学習塾全国団体から、大変立派な感謝状をいただいた。表彰状には、素晴らしい文面の表彰理由が書かれていたが、その実態は、単に長く会員であったということに対する表彰なので、自慢できるようなものではない。まあ、記憶のためにと思い、知り合い以外には非公開のSNSに祝辞無用と念押しして、何気なく写真をアップしたら、そこそこのおめでとうの言葉をいただいてしまった。意に反して、少々得意げな公開となってしまったかと後から汗顔の至り。

 もちろん、そこまでだけなら、ここに取り上げることではないが、いただいた言葉を読みながら、改めて思い直す。40年を超えて長く続けているということだけでも、意味のあることなのかもしれない。その間に、中小塾、個人塾の多くは淘汰され、塾長の高齢化で廃業になった。大手塾も栄枯盛衰が激しく、昔の有名塾のかなりの数が消えていき、また看板は残っても買収され、人や中身は全く別のものになったところも少なくない。そして世の中からは忘却の彼方へ。

 民間教育に限らずどんな業種、仕事でも、時代を超えても変わらない志を追求し続けながら、時代の変化に適応して存続するだけでも難しい。その盛衰を決めるのは、周りの社会からの評価である。一個人だけなら、それでも体力気力が続く限りは可能かもしれないが、組織化して人の思いを集めながら、存続だけでなく、成長し続けることは、一般的に、非常に困難だということだろう。

 思い返すと、私たちは単調に成長してきたわけではない。少し前との比較だけでも進化し続けてきた。昔と比べたら大きな違い。当時は想像もできなかった多くのことが、挑戦し続けた結果、今はできるようになった。だが、先は遠い。本質的な教育の目指すものを変えずに追求しながら、まだまだ革新への挑戦を忘れないように進むつもりである。年初の目標「不易と流行」へ後半も頑張ります。

※この内容は2022/08塾だよりに掲載したものです。

 「継続は力なり」という。
 しかし、ただ続ける「だけ」でよいと勘違いしてはいけない。常にパーフェクトを目指し、進化し続けなければ、時代の変化に適応できず、継続して存続し続けることはできないだろう。
限界を決めているのは自分の心、ともいう。諦めずに挑戦し続ければ、道は拓けるということだ。このくらいだろうと考えてしまうことで、そこが限界となってしまう。勉強でも仕事でも、人間の営みすべてに共通することだろう。
 この「継続は力なり」という言葉は、児童文学者の久留島武彦という方の言葉だそうだ。アメリカで「考えは力なり」という言葉、「考えは、ダメだと思ったらダメなことばかり、なんとかなると思えば、なんとかなることを教えてくれる。考えは自分が作る」という考えに出合い、さらに、どんなに良い考えを持っていても継続しない考えは役に立たないと考えて、座右の銘にしたのが始まりだという。
 つまり、ただの継続ではないのだ。まずよい考えを持つこと。それに向けての努力を続けること。
 そんな思いを新たにした。

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