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[巻頭言2010/09より] 目的と目標

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2010年09月号)

目的と目標

 夏期講習も終了、いよいよ実りの秋を迎える。

 ものごとが成功する方法は、普遍的に共通した形を持っている。そしてそれは勉強の場合も同じだ。受験勉強の場合を考えよう。

 まず目的を持つこと。なぜ勉強するのかという根源的な答えを持つことが大切。できるだけ公明正大で、世のため人のためになる目的を持って欲しい。その方がより強い願いとなり達成する力を増強する。そしてどうしても行きたいと強く願う未来の映像を頭に描く。目的と目標を混同してはいけない。目標は目的達成のための中間通過点。次はこれを決める。志望校を仮にでもいいから決めよう。続いてゴールから逆算して目の前の通過点を設定する。勉強では3週間後に何点取るという目標がよい。最後にそのためにやる行動を細分化してリストを書き、優先順位の高い順に実行することを習慣化する。

 ただし、これは本人が主役。横から口出しして自己決定感が不足するとうまくいかない。親は少しだけサポートするしかないことを覚悟してほしい。

※この内容は2010/09塾だよりに掲載したものです。
 目的と目標、これは繰り返して書いているテーマのひとつである。
 目標を高く、と言われているが、その前に、目的。目的 = 「何のために」が大切だ。なぜ勉強するかの答えである。
 ただし、それは「何か」のために「我慢して」勉強するというものであってはいけない。受験勉強を経験した多くの大人たちは、受験勉強をそういう難行苦行の修行のようなものとらえがちであるが、それでは、そもそもの勉強が必要なものであるということの答えにはなっていない。子供たちに、勉強自体の価値を正しく理解させることが大切である。
 勉強によって、自らの能力を磨くことが、自分のその先の人生にとってどれだけ価値があるか、どれだけ人生を豊かにするか、さらに知識を増やし、分からないことがわかるようになることが、どれだけ楽しいか、面白いのか、を伝えるべきだ。
 大人の役目として、子供たちに勉強の素晴らしさ、面白さを真正面から語るようにしよう。
 私たちの塾での指導はまずそれをベースにしている。今年も受験が間近になってきているが、そういうときほど、勉強の素晴らしさ、面白さの本質を伝えられるように心がけなければならない。