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[巻頭言2025/9より] 改めて「学びの楽しさを大切に」

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2025年9月号)

改めて「学びの楽しさを大切に」

 夏期講習も明け、後期リスタート。塾生に「学びが実る秋」の訪れを期待する。

 さて先日、公式ブログの巻頭言バックナンバーのコメントで、いわゆるZ世代(10代~20代)では「ストレス」に対する感じ方が、それ以上の世代と異なるという話を紹介した。その中で「我慢強さ」は「成績」と相関関係はあるが原因因子ではないという結論を紹介した(話の前段までの部分は、そちらをご覧いただきたい)。

 今回の本題は、その続き。「自制心」が「成績」向上に影響するという説は、保護者の世代で受験勉強を経験した人にとっては、納得し易いだろう。さらに、もっと上のいわゆる団塊の世代ならば、「受験戦争」の「難行苦行」に耐え「勝利」する物語として、「スポーツ根性ドラマ」と同じように称賛されるかもしれない。

 確かに、勉強もスポーツと同様に、成績向上には「負荷」をかけた「訓練」が必要であることは、これまで何度も紹介した通りで間違いはない。だから教育の世界で長らく信じられてきたのが「マシュマロテスト」。その結論が否定された今も、大学の教育学部で紹介される例が少なくないらしい(マシュマロテストに触れた巻頭言はバックナンバー未掲載だったので、改めて掲載しました。ご参照ください)。

 しかし、否定されたのは「因果関係」である。つまり「自制心」が強いから「成績」が上がる、は正しいとはいえないということだが、相関は強い。学力が上がる子は、「自制心」が強い子と重なる率が高いということ。「負荷」をかけた「勉強」によって「自制心」が育ち、それが「勉強」に好影響を及ぼすということだろうか。

 問題は「誰」が負荷をかけるのかだろう。本人の「自己選択感」がやる気を引き出し、「自己有用感」が諦めない気持ちを創る。勉強を難行苦行とせず、もっとやりたいと楽しく学ぶものならば、「負荷」をかけることを自分で選択するはずだ。

 改めて「学びの楽しさを大切に」を強く心に刻み、後期をリスタートする。

※この内容は2025/9塾だよりに掲載したものです。

 冒頭のZ世代のストレスの話は下記リンク先にある。
https://www.jasmec.co.jp/cgi-bin/blog-diary-kanopen0/blog-diary-kanopen0.cgi?no=719
 中段のマシュマロテストについて掲載のバックナンバーと、上記の巻頭言に連動したコメントは以下からご覧いただける。
 https://www.jasmec.co.jp/cgi-bin/blog-diary-kanopen0/blog-diary-kanopen0.cgi?no=721

 上記の通り、昨年、これを書いた時点では「マシュマロテスト」について、自制心と大人になってからの成果は、因果関係は成り立たないが相関はあるだろうと考察した。さらに上記リンク掲載のコメントでは、当時の最新の結論から、相関もほとんど否定され、我慢を強いることはストレスを増大させ、我慢を短くすると結んでいる。

 今回、その後の最新の成果を調べてみた。

 2026年現在では、追跡調査の長期的分析により統計学的な因果関係や予測力は完全に否定されているとのこと。家庭環境の差によって、意志の強さとのわずかな相関も、きれいに打ち消されたらしい。

 現在の時点での学術的な結論は、マシュマロテストは「個人の能力」ではなく「環境の安定性と大人への信頼度」となっている。
 教育に対しては「我慢強さを叩き込む」は無意味であり、「子供が安心・信頼できる環境づくり」への注力が必要で、大きく3つのアプローチが推奨されているとのことだった。
 その3つとは、第一に「心理的安全性」。大人が信頼できることを確信させるために、言動に一貫性を保ち、感情に左右されず約束を必ず守ること。
 第二は「共同制御」。目標に対して一人で我慢させるのではなく、親や友達と一緒に達成する体験を積むこと。
 最後に「環境設計」。誘惑に惑わされないように排除する仕組み化。

 別の研究の通り、習熟には、脳に対する適切な「負荷」は欠かせない。これは子供の捉え方の問題と言えよう。負荷を「我慢して」超えなければならない受動的な強制と捉えるのではなく、自ら積極的に挑戦するやりがいのある「壁」として捉えているのか。ゲームにはまる子供は、放っておくといつまでもやめないのと同じように。
 子供が楽しく挑戦し、安心して失敗できる環境を整える視点が大切となる。

 家庭の役割、親の役目は重要だ。

 そして、塾の役割も重要である。