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共通テストの化学を振り返って

こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。

早いもので共通テストから1週間が経過しました。
今回は、共通テストの化学を解いてみて、
その振り返りをブログで書かせて頂きたいと思います。

難易度については、大学入試センターの
平均点を見ると、昨年の平均点が54.8点だったのに対し、
今年の中間発表では47.7点だったので、
客観的に見て、難化したと思います。
(知り合いの化学の先生の感想では、昨年も十分に難しかったため、
昨年とそんなに変わらないという意見はありました。)

ただ、今回で共通テスト5年目を迎え、改めて感じることは、
問題の作り方が個別試験に近いなというのが率直な感想です。

以前のセンター試験の際には、センター試験の問題と言えば、
いかにも教科書コテコテの題材だけれど、選択肢の作り方が
工夫されていて、ミスをしやすいという傾向があり、
『選択肢を間違えずに選ぶ』というところにポイントが
あったように思います。

一方、共通テストに関しては、問題の題材自体が難しいと
いいますか、普段見慣れていない題材が出題されるように
なった
点が大きく異なると思います。

例えば、第3問の問4でヨウ素の生成・製造についての問題が
出題されましたが、生徒たちの話を聞いていると、学校では
扱わない内容が出題されたのは、一例だと思います。

ファイル 4690-1.png

普段、あまり扱わない題材をテーマにして、
導入で説明を加えて、反応式でヒントを与えて、
「この反応式があれば、反応量計算はできますよね」
と係数を使えばいいだけだからとか、濃度計算やればいい
だけだからみたいな問題が増えたと感じています。

このような問題に対する対応の仕方と言うと、
試験までに経験してきた様々な題材の問題を解いた
経験を活かして、「ちょっと変わった話をしているけれど、
普段通りの考え方の手順で対応してみよう!」
と思えるかどうか
が大事です。

そう考えると、試験では理科2科目必要でそのうちの
1科目が化学だけれど、もう片方の理科科目の学習に
偏っていて、化学の学習が手薄(経験値が少ない)という
受験生にとっては、共通テストの化学はとても難しく
感じると思います。

また、別の視点で見ると、個別試験で使う解法を
使って解く問題が増えたと思います。

例えば、第1問の問3の二酸化炭素の溶解度の問題や
第1問の問5-bの浸透圧の問題が一例です。

ファイル 4690-2.png

「解法を知らないと、何をしていいのかわからない」
という受験生は感じると思います。

共通テストのなってから、思考力が問われるようになった
というフレーズをみなさんも耳にしたことがあるかも
しれませんが、化学や物理に関しては、個別試験と同様に、
どの解法を活用してその問題を解くか、ちゃんと判断が
できるかが試されていると思います。

解法のパターンというのがいくつかあり、
まずはそれをしっかりと頭に入れて頂いて、
問題を見たら、頭の中にある、どの解法で解くのか
を判断して、その解法に沿って問題を解き進めていくと、
答えが出るという感覚で問題を解いて頂くと良い
かなと思います。

センター試験から共通テストに移行したことで、
頭の中にそろえておく解法パターンが増えたと思います。
だから、センター試験から共通テストに移行して、
難易度が上がったのは必然的なのでしょう。

ファイル 4690-3.png

普段、生徒たちから、「化学のお薦めの問題集はありますか?」
とご相談を頂いた際に、バンバンお薦めしている問題集が
上の写真の『化学の解法フレーム』という問題集です。
著者  :首藤大貴、犬塚壮志
出版社 :かんき出版

(以前、発売したタイミングで、こんな問題集がありますと
ブログでご紹介させて頂いたことがありました。↓)
https://www.jasmec.co.jp/cgi-bin/blog-diary-open1/diary02/blog-diary-open2.cgi?no=3953

生徒たちに、自信を持って紹介している手前、どれだけ
有効かなと、今回の共通テストの問題と照らし合わせて
確認してみました。

結論から言えば、生徒たちにお薦めして良かったなと
感じています。

例えば、先にも紹介させて頂いた第1問の問3の二酸化炭素の溶解度の問題
(ヘンリーの法則を活用して解く問題)においては、解法フレーム 理論編の
260ページの『フレーム50』に、そのまんま、解き方が掲載されています。

この問題において、東進の答案再現の集計によると、
受験生の正解率は43%でした。
解法フレームの『フレーム50』をやって、それを覚えていたら解けたのに…。

また、第1問の問5-bの浸透圧の問題においても、解法フレーム 理論編の
300ページの『フレーム58』に掲載されています。

密閉されたところに両側ピストンで圧力をかけて、その時のその力の関係が
どうなるかってということを知らないと、解き方として関係式1個
作れないんですね。

逆に知っていれば、計算自体は複雑ではないので、
瞬殺問題になります。

東進の答案再現の集計によると、この問題の受験生の正解率は
なんと、12%
でした。解法フレームの『フレーム58』をやって、
それを覚えていたら、瞬殺問題だったのに…。

また、第3問の問2のケイ酸ナトリウムの生成については、
解法フレーム 無機化学・有機化学編の89ページの『フレーム17』で
ガッツリと解法を扱っています。
東進の答案再現の集計によると、この問題の受験生の正解率は44%
でした。

そして、第4問の有機化学の大問では、今年は天然有機物の問題が
全然出題されませんでしたね。
昨年、ガッツリ出題された影響でしょうか…。

その分、今年は合成高分子の問題が沢山出題されました。
この合成高分子に関する計算問題がネックになった受験生は
多かったのではないかと思います。

第4問の問4-bでビニロンに関する問題が出題されましたが、
解法フレーム 無機化学・有機化学編の306ページの『フレーム32』
で反応の解き方がしっかりと掲載されており、そこをしっかりと
理解し、頭に入れておけば、その次の応用問題の問4-cも解けたと
思います。

『フレーム32』をしっかりと抑えておけば、問題番号25-28の
「7点は頂き」というところでした。
ちなみに、問4-cにおいては、東進の答案再現の集計によると、
受験生の正解率は34%という結果でした。

第5問は毎年、総合問題という形式ですが、
今年は原油(石油)の題材が出題されました。

ファイル 4690-4.png

この問題はネットのニュースでも話題になっていましたね。

例えばこちら↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/de2de2d97dbf6013f90bd4577a15545e795e075a

ただ、↑のネットニュースに『「ほぼ東大化学」「理不尽」受験生から悲鳴も』
というタイトルが付いていましたが、これはちょっと盛り過ぎというか、
いかにも、閲覧数を増やすような過剰なタイトルの付け方だなと思いました。

題材そのものは、個別試験の題材と一緒になってきていますし、
センター試験と比較して、難易度が上がったことは確かです。

ですが、いくら、東京大学で過去に扱った題材と一緒だったとしても、
設問の難易度は、さすがに、そこまで言う程は難しくありません!

志望校にもよりますが、国公立大学/私立大学の個別試験では
出題される題材であるため、個別試験対策をしている受験生に
とっては、ビックリするような問題ではなかったと思います。

ただ、難関大の入試問題に寄せていることは確かだと思います。

題材は難関大と一緒で、その題材の入り口を問われるという
問題が出題されているなと思いました。

ですから、センター試験時代のときは、学習する順番として、
各科目、一通りインプットを終えたら、個別試験の過去問を解く前に
まずはセンター試験で基礎レベルの問題を解けるようにして、
それから個別試験対策を行うのが一般的だったと思います。

しかし、物理・化学に関して言えば、日本大学や千葉工業大学、
東洋大学の個別試験の問題よりも、共通テストの問題の方が
難しいです。

そのため、私立大学で言えば早慶上理、、
国公立大学で言えば旧帝国大学・東京科学大学
を目ざす受験生はいきなり共通テストの過去問を解いてみて
良いと思います。

しかし、そうでない受験生は、いきなり共通テストの
問題を解く前に、志望校よりも少し難易度の易しい入試問題から
解き始めて、私立大学で言えば、MARCHの過去問と共通テストの
問題を併行して解く、国公立大学で言えば、例えば千葉大学志望の
受験生であれば、千葉大学の過去問と共通テストの過去問を併行して
解く順番が良いように思います。
(注意:あくまでも物理・化学に関しての話です。)

ファイル 4690-5.jpg

今回は、共通テストの化学の問題を振り返りつつ、
共通テストの化学とはどのような傾向の問題なのか
という話を書かせて頂きました。

新高校3年生に、ご参考にして頂ければと思います。

(八千代緑が丘校 轟)

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