こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。
今回のブログでは、入試物理における波動分野の
学習法について、一般的な戦略を解説致します。
効果的に理解を深め、効率よく学習したい
高校生にオススメです。
【波動分野の全体像】
波動分野は「物理」というよりも、
「中学理科の延長」と捉えるのがよいかもしれません。
なぜなら、一般に物理では自然現象が起こる「仕組み」を学ぶのですが、
高校物理の波動分野では「波が生じ、伝播する仕組み」をほぼ扱わず、
水面波や音波、さらには光(電磁波)などの存在を前提にした上で、
それらがどのような振る舞いをするかという議論をするからです。
それゆえ、必然的に学習法も他分野と変わってきます。
□単元ごとの網羅的学習法が効果的
力学・熱力学・電磁気の分野では、原理からの論理的な
思考・体系的な学習が重要でしたが、
一方で、波動分野では単元ごとに現象を網羅していくという
学習法が効果的です。
波動分野は単元ごとに重要な問題パターンを網羅していけば
対策できてしまうということになります。
また、単元間のつながりが薄く、それぞれが独立に学べる上、
他の分野とも比較的独立に学べるので他分野と並行して進めるのが
オススメです。
□力学は得意なのに波動が苦手な方は…
力学が得意なのに波動がまったく苦手な高校生に多いのが、
作図による理解をサボっているパターンです。
入試ではどちらかといえば、数式より作図による理解の方が優先されます。
作図を優先して学び、数式と結び付けていく学び方がおすすめです。
この際に、イメージではなくパターンをしっかり押さえるという意識を
持ってください。
また、抽象度が低い分野ですので、分かるまでじっくり取り組む姿勢が必要です。
□図形的な考察にセンスは必要なし!
図形的な考察は、閃きやセンスが必要であるという誤解が蔓延していますが、
実際は基礎となるパターンを押さえておけば、難しい問題も基礎の応用で
解くことができます。
□近似計算にも慣れよう
近似計算は、特に波動分野で多く使うので、ここで慣れておくのがよいでしょう。
それが他の分野にも生きてきます。
※ 効率的・効果的にパターン分けされておらず、
やみくもに問題が羅列されているだけの問題集に取り組んでも
力はつかないので注意してください。
※ 近年、数式重視の出題が増加傾向ですが、それでも作図の重要性は
揺るぎません.
※ 世の中に図形的な考察をパターン化しているコンテンツが少なすぎる現状です。
【波動の単元別ガイド】
ここでは,単元ごとに効果的な学習のためのポイントを解説します。
□正弦進行波
・波とは何かを説明し、波に関わる諸量を理解します。
・これら諸量の間の関係式(波の基本式)を理解して運用します。
・波のグラフの基本的な取り扱いに慣れ、横波と縦波の違いも理解します。
□反射と定常波
・重ね合わせの原理を学び、複数の波が重なり合う際の振る舞いを理解します。
・波の反射は、自由端反射と固定端反射の2つの基本パターンを学びます。
・作図に慣れ、波の反射のイメージを視覚的に把握します。
・定常波の生成も作図を通じて理解し、定常波の性質の要点を押さえます。
□波の数式表現
・まず、正弦進行波の式の作り方を学びます。
・波の数式表現は後回しにすることも可能です。
ただし、つまずきやすいですが、理解すればワンパターンです。
・次に定常波の生成を数式で理解します。
※ 波の数式表現の出題は以前より増加しており、
うなり/ドップラー効果/干渉/平面波などが含まれます。
試験では、問題文の指示に従って解く方針で十分です。
□固有振動
・固有振動とは、物体を自由な状態で揺らしたときに起こる振動のことです。
・共振・共鳴とは、物体の固有振動数と等しい周期で外力を加えると、
振幅が次第に増大する現象のことです。
・弦と気柱の固有振動を押さえます。
特に、作図により波長が求められるようにしておきます。
・問題パターンは少々ややこしく、演習量もある程度こなすことが望ましいです。
※ 例えば、気柱の共鳴で「管の長さを固定して音の振動数を変える」や
「音の振動数を固定して管の長さを変える」などがあります。
何が一定で何が変わるかをつかむトレーニングを推奨します。
□うなり
・うなりとは、振動数がわずかに異なる2つの音波を重ね合わせると、
振幅が周期的に大小を繰り返すように聴こえる現象のことです。
・作図で仕組みをざっくり理解します。
・公式の導出と運用ができれば十分です。
□ドップラー効果
・ドップラー効果とは、音源や観測者の運動により、波の波長や振動数がずれる現象
のことです。
・音源が動く場合と観測者が動く場合の仕組みの違いを理解しておくことが重要です。
・作図を通じて公式が導出できるようにし、音源と観測者の運動状況をしっかり描くことが
ポイントです。
・公式の当てはめも確実に行えるように練習しておくと良いです。
※ 近年は波の式での扱いも見かけるようになってきました。
□屈折
・屈折は水面波や音波にもありますが、光の屈折を例に学びはじめると
イメージしやすいかもしれません。
・屈折率の定義を学び、屈折の法則が導出できるようにします。
・公式当てはめもできるようにします。
・臨界角や全反射といったキーワードも押さえます。
※ 細かい点としては、相対屈折率と絶対屈折率の違い、
光の分散も学んでおきます。」
□干渉
・2つの波が強めあう・弱めあう条件を、経路差だけでなく位相差を用いて理解します。
・位相差を優先して学び、経路差でも説明できるようにします。
※ 位相差を求める入試問題も頻出なので注意してください。
□光の干渉実験
・干渉の扱いは音波・光・水面波で基本的に同じです。
・ただし、光の干渉では光の反射の際の位相のずれや光路長(光学的距離)
といった新しい概念も扱います。
・有名な実験装置(ヤングの実験、回折格子、くさび型空気層、ニュートン・リング、
薄膜、マイケルソン干渉計)には触れておきます。
※ マッハツェンダー干渉計などの特殊な装置は、その場で対処します。
□レンズ
・レンズや鏡に関する問題は、以下のパターンに分類できます。
・①レンズや鏡の性質を前提に、公式を導出します。
・②レンズや鏡の公式を前提に、像の位置などを計算します。
・③レンズや鏡の性質を導きます。
(八千代緑が丘校 轟)
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