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高校物理を学ぶ際に微分積分は必要? Part2

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こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。

今回のブログで「高校物理を学ぶ際に微分積分は必要?」
という内容で書きましたが、今日はその続き。

前回のブログ
http://www.jasmec.co.jp/cgi-bin/diaryopen/diaryopen02/diary.cgi?no=2962

本件について、世の中にはどのような意見があるのか
調べてみたところ、興味深いものを見つけました。

1993年 物理学会第48回年間報告の中に
「高校の物理教育で微分・積分を使うことの是非」の報告
と題した報告書があったのです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pesj/41/3/41_KJ00005907961/_article/-char/ja/

大学の先生と高校の先生の意見が掲載されていましたが、
意見の傾向を報告書から抜粋すると以下になります。

<大学の先生のご意見>
・高校で微分積分を使った物理教育をして欲しい。
・理由として、単に公式を覚えて、公式に代入して答える
 学生が多いため。考えていない証拠だ。

<高校の先生のご意見>
・履修する生徒の何%が微分積分を使った物理に
 ついていけるだろうか?
・計算ばかりでなく、自然法則を理解することの方が
 大切である。

というわけで、高校の先生方からは
微分積分の授業への導入は否定的だった様です。
(最近の高校の先生方はどのように感じてらっしゃるのか
聞いてみたいです。)

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<八千代緑が丘 校舎紹介ページ>
http://www.jasmec.co.jp/koushaguide/pym.htm

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上の報告書の中で、特に興味深かった意見を2つ
ご紹介したいと思います。

①電気通信大学 品田正樹先生
学生の大多数の者は、物理学に接する時それは
己自身の日常生活とは無関係のものであると
思っているのではないかと思われる節がある。
加速度aが時間的あるいは空間的に変化する場合でも、
速度v=at+v0、位置座標をx=1/2at^2+v0・t+x0
とする学生が跡を絶たない。

自動車を運転するとき加速度が一定であるものなら、
一度動き出した自動車は無限の速度になるまで
動き続けることになるということが現実的である
と思っているなら仕方がないが。

後半の部分は皮肉を感じますが、
なるほど、このご意見はごもっともだとも感じます。
おそらく1993年当時だけでなく、今現在でも
加速度が時間変化する場合でも公式にあてはめて
用いてしまう場合がありうると思いました。

だからと言って、微分・積分を使うべきだと言うのは
話が飛躍しすぎているようにも思いますが…。
それこそv-tグラフをきちんと理解していれば
加速度aが時間変化することは理解できるわけで…。

②神奈川県立柏陽高等学校 右近修治先生
高校の物理では微積分を使ってはいけないという枠を
外してもっとやれる者は自由にやったら良い。

さらに、こうした理想的な物理教育は
既に一通り高校で物理や数学の履修を終えた予備校での
授業にふさわしいとして、微積分を縦横に取り入れた教材も
大手予備校により出版されている。
確かに力のある生徒が思う存分その能力を発揮できる環境が
容易されていることは大切である
には違いない。

右近修治先生の意見として↓もご参考に。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpsgaiyog/48.4/0/48.4_245/_pdf/-char/ja

ちなみに、右近修治先生って現在東京都市大学理工学部教授の
右近修治先生のことですかねぇ…?
偶然の同姓同名なのか、同じ先生なのか…、興味深々です。
ご存じの方がいらっしゃれば教えて下さい。

右近先生のご意見が多くの高校の先生と一緒であるならば
「本当は高校でも微分積分を使って授業が理想的だけれど
 全員が理解するにはハードルが高いため現実的ではない」
というのが現場の意見ということになりますね。

右近先生のおっしゃる「理想的な物理教育」を受けられる場、
力のある生徒が思う存分その能力を発揮できる環境、
それが、個々の目指す志望校や学力に応じて授業を選択できる
塾ということになると思いました。

この八千代緑が丘校も含め、東進衛星予備校では
苑田尚之先生や三宅唯先生が、
微分積分を多いに活用した物理の授業を展開されています。
ファイル 2963-1.jpg ファイル 2963-2.jpg

微分積分を活用した物理の授業というものが
どんなものなのか興味があるという方は
一日体験として無料で体験することができますので
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(八千代緑が丘校 轟)