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高校物理を学ぶ際に微分積分は必要? Part1

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こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。

今回は物理ネタで書いてみたいと思います。

巷には微積物理、公式物理という言葉が
あるようです。
要するに、微分・積分を活用して物理を学ぶやり方が
微積物理で、そうでないやり方が公式物理を指して
いる様です。

『微積物理 v.s. 公式物理 さぁどっち?』
的な会話があったりするのを目の当たりにする
ことがあります。

この件でまず最初に私が感じることは
そもそも「微積物理」や「公式物理」
なんて言葉はありましぇーん!
というところです。
(101回目のポロポーズのあの場面!?、古っ!! ってか高校生知らんやろ…。)
「腹痛が痛い」というフレーズばりの違和感でぴえん。

そして、高校生が受験勉強として物理を学ぶ際に
微分・積分を活用した方が良いかどうかについての
個人的な見解を先に言うと…、『正直、どっちでもイイ』
という意見です。

なぜなら、大学受験の物理の問題は
微分・積分を使わなくても解けるように作られているから
です。
微分・積分を使わないと解けない問題は基本的にありません。
ただし、最難関大学になると、微分・積分を使った方が、
解きやすいというのも事実です。

私自身は、入試の物理の問題を解く際には
微分・積分を使うこともありますが、
使わないこともあります。
(力学の単振動や電磁気学の分野では
微分・積分を使いたくなります。)

例えば、位置をx、時間をtと表したとして、
位置と時間が『x=3t+2』という関係で表されていたとします。
その際、「t=2における速度は?」と聞かれた際、
「よし、微分しよう!」って思いますかねぇ…?
1次関数ですよ。中学校で習う1次関数の傾きの概念を用いて
tの係数を見て「3」と考えた方が、微分するよりも
よっぽど簡単だし、早いと思います。

また、以下のようなv-tグラフが与えられているとして
「0秒~8秒までの位置の変化量を求めよ」という
問題があったとしますね。
ファイル 2962-1.png
これを、わざわざ積分の式を立てて、
「0秒~8秒まで1次関数を積分しよう」って
思いますかねぇ…。
教科書に掲載されているように、高々1次関数なんだから
「台形の面積を求めればいいじゃん!!」
と私は思います。
(積分してもいいんですけど、明らかに台形の面積を
求めた方が早く解けると思う…。)

教科書には結果だけ記載のある
ビオ・サバールの法則の導出を学びたい
などのことがあれば、微分・積分は必須になりますが、
あくまで入試の物理の問題の答えを出すという観点で見れば
微分・積分を使わずに学習したっていい
と思います。
(単に公式丸暗記というのは困ったものですが、
微分・積分を使って物理の問題を解くことをマスターするには
時間がかかるため、時間制限のある高校生にとっては時間的に難しいものが
あるかなとも感じています。)

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高校の物理の教科書では微分・積分を使わずに
幾何学を用いて説明していますが、
これはなぜなのでしょうか?
「微分・積分を使うと難しくなるから?」
そうなのかもしれませんが、私は別のところに理由が
あるように思います。

物理の力学の分野を世界で初めて幾何学を用いて世に
説いたのは誰だかご存じでしょうか?

それはかの有名なアイザック・ニュートン。
そう、力学を体系化させたあのニュートン。
微分・積分を確立したとされているあのニュートン。
そんなニュートンはあえて微分・積分を使わずに
力学の体系を確立し、近代科学の基礎となった貴重な書物
である『プリンキピア』においては、数々の数学的証明は
すべて幾何学で厳密になされています。

そこから、高校の物理の教科書では
微分・積分ではなく、幾何学を用いて公式の導出を
行っているのではないかと思います。
(電磁気の分野では、力学の分野とのアナロジーを活かせる部分は
幾何学で説明できると思いますが、さすがに1部分は
幾何学の説明では厳しく、結果だけ掲載せざる終えないのでしょう…。)

今回は、何を申し上げたかったかと言うと、
高校の物理を学ぶうえで、必ずしも微分・積分を使わなければならない
ということはないということです。
また、ニュートンが微分・積分を使わずに力学を世に説いたように
微分・積分を使わなくても、物理の本質は理解することは可能である
ということです。

ですから、例えば、現在高校2年生で、これから塾や予備校で
物理の授業選択をする際に、「微分・積分を使った授業は難しそうだなぁ」
と感じたら、微分・積分を使わない授業スタイルの先生の授業を
選ぶとイイと思いますし、既に微分・積分を使わないスタイルの
授業で物理を学んできた受験生は、そのまま自信を持って
学んだやり方で、入試問題に取り組んでいって頂ければと思います。

p.s.
1.『プリンキピア』は正式には
 「Philosophiae Naturalis Principia Mathematica
 (自然哲学の数学的諸原理)」です。
2.キム・ミンヒョン英エジンバラ大学碩座教授は
 『プリンキピア』が書かれた1687年当時、地中海の
 東と西をイスラムとヨーロッパが二分する状況になっており
 イスラムで習得された代数学より古代ギリシャ文明で使われた
 幾何学を強調する流れがニュートンのプリンキピアに反映された
 という見解を示しています。
 (1453年のオスマン帝国のコンスタンティノープル陥落
  1571年のレパントの海戦。)

(八千代緑が丘校 轟)

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