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書くのが難しいのはどっち? 短い要約文 v.s. 長い大作

前回のブログで『要約するスキルを身につけるための
練習方法』について書きました。

すると、ある生徒のこんはコメントが聞こえてきました。
「要約は文章の量が短いから、長文に比べたら書くのが
 ラクなんじゃないかなぁ…」

さて、短い要約の文章と、長い大作のような文章、
どちらの方が書くのが難しいと思いますか?

ここで1つクイズです。
次のうち、東大の入試問題はどちらでしょう?
①次の見解に対して、賛成・反対、いずれかの意見を
 英語で述べよ。40~50語でまとめること。
②次の質問についてあなたの見解を200語程度の英語で
 解答欄にまとめなさい。

正解は①です。

①は1998年の東大の英語の問題文
②は2018年の東京外国語大学の英語の問題文です。

これを見て、「東大の英語よりも、東京外国語大学の
英語の方が難しいんだ」と思われる方もいらっしゃる
かもしれませんが、そんなことはありません。

実はこの「40~50語」という制限は
とても大変
なのです。

興味のある方は、両方解いてみて下さい。
語数は3分の1なのに、東大英語の方が明らかに
時間をとられたり、書きにくかったりします。

語数が少ない分、単に上限まで書くだけならラク
なのですが、少ない語数でちゃんと伝えようとすると
とても難しいのです。

東大の英作文の問題の語数の少なさは何年も前から
続いているものですが、他の大学と比べても
非常に少ない
です。

例に挙げた東京外国語大学が150~200語、
一橋大学が120~150語、大阪大学が70語程度、
北海道大学が70~100語です。

東大の文字数が際立って少ないことがわかると思います。

確かに長い英文を書くのも大変な作業です。
しかし、それよりも実は、短くまとめて書く方が
難易度が高い
のです。

ではなぜ、短く書くことが大変なのでしょうか?
東大はこの制限のきつい作文問題でどのような能力を
測っているのでしょうか?
その答えは『批判的思考力』です。

つまり、人に伝わりやすい文章を書く力、
自分の文章のどこがわかりにくのかを
自己批判する力です。

「ここはちょっと難しくて伝わらないだろうな」
というところは文を削ぎ落としたり、
「ここは長ったらしく語っていて、相手に伝わり
づらいだろうな」というところは文を削除したり…。

このようにして、自分の文章を客観的に見て、
不必要なところを削除し、必要なものだけを書く

という姿勢で作文をする能力です。

文章を書くこと自体は誰でもできます。
文字をただ書き連ねていけばいいのですから…。

しかし、「読む人が読みやすいように」とか
「読む人の立場に立つ」というように、
読み手の側に立った作文は、意識していないと
書けないのです。

そしてそれが測れるのが『短く書けるかどうか』なのです。

ですから、短い要約文と長い大作を比較した場合、
書くのがより難しいのは短い要約文ということになります。

次回は、文章を短く書くためのテクニックについて
書かせて頂きたいと思います。

(五井駅前校 轟)

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