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[巻頭言2023/10より] 挑戦を願う

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Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2023年10月号)

挑戦を願う

 大学進学フェスタin CHIBA 2023の開催に協力させていただいた。運悪く、台風の大雨で電車が不通になってしまったため、塾生たちや保護者の皆さまの中には、参加できなかった方も少なくなく、大変残念な思いが残った。大学側は、私立大学のみならず国公立大も参加。大変遠い地方からもわざわざ参加いただけた。旧帝大の中には、特任教授が直接生徒や保護者に個別の説明をされていた。また、大学講演のコーナーで、東京医科歯科大学では、医学部医学科長にお越しいただいて講演をしていただけた。広い会場で時間も十分にあり、とても有意義な会となった。

 さて、参加大学関係者の皆さまと順番にお話しができ、どこも少子化に危機感を感じ、自分たちの大学の魅力が高校生たちにどう届いているのかを気にされているのがよくわかったが、少々気になる点もあった。今の大学は「勉強や研究ばかりのところではないですから」と勉強に興味を持たず熱心でない生徒たちでもいいから、大学に来てほしいというような言い方をされている入試担当者の方がいらっしゃった。確かにその側面も否定はしないが、勉学の場を自ら放棄するのはいかがか。

 先日の東進衛星予備校の研修会でも、高校生たちの多くで、大学受験に向けて勉強に立ち向かおうという意識が下がっているとの情報があった。共通テストが難化したせいか、コロナ禍の影響かはわからないが、昨年あたりから目立つという。

 以前から繰り返して述べてきたように、受験勉強を、何かを得るために我慢して突破すべき壁と捉える考え方には強く異を唱えるが、若い貴重な時期に、困難に立ち向かわず、すぐに易き道に逃げる若者ばかりになることは決して良しとはしない。簡単には手に入らないものに向けて挑戦した経験は、例え蹉跌や挫折を味わおうとも意義がある。未来ある若者たちは、困難ばかりを選択する必要はないが、易きに逃げて挑戦せずに終わったことを後悔するばかりの人生になって欲しくない。

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※この内容は2023/10塾だよりに掲載したものです。

 偉そうに書いてしまっているが、自分の若き日を顧みると汗顔の至りである。
 挑戦して届かなかった経験より、躊躇し彷徨い苦悶し挫折した経験の方がはるかに多い。自らの芯に深く真剣に向かい合わず、決断を先延ばしにし、動かない言い訳の理屈を探していた、結局は怠惰な日々。今は、俯瞰して自己を評価できるが、当時の視野は、思っていたよりはるかに狭かったのだろう。若過ぎたのだ。
 その経験があるからこその今であり、挑戦の意味もよくわかる。
 考えなしの安直な行動は制すべきだが、若いからこその挑戦は大いに奨励すべきだ。
 目先の結果論に囚われず、大志を抱こう。

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