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【吝か】

突然ですが上記の漢字、読めましたでしょうか。

答えは「やぶさか」です。通常は否定を伴って「やぶさかではない」と使います。
元々は「しぶしぶながら/気は進まないが~する」といった意味です。それを否定するわけですので、「~するのは嫌ではない / 苦ではない」程度の意味になります。

さて、実はこの漢字の話、先日塾生が話していたのでブログで取り上げた次第です。
昨今はパソコンやスマホの時代で漢字を書く機会もすっかり減りましたが、なんとかまだ覚えていました。
せっかくですのでもう少しだけお話しましょう。

では、【吝】の字の音読みはいかがでしょうか。
答えは「リン」です。吝嗇(リンショク)という言葉を知っていれば出てきやすいかもしれません。
ちなみに、過度に経済観念が発達していることを意味します。有り体に言えば、ケチということです。

もちろん編を伴うこともあります。例えば悋気(リンキ)。妬みや恨み嫉みといった負の感情、特には男女間の嫉妬を指します。
「悋気の火の玉」という落語の演目が有名かもしれません。余談ですが、私の一番好きな噺家は6代目三遊亭圓生師匠です。
ところで、「りっしんべん」に「吝」で悋。元々の意味も含めて考えると、自ら望む感情ではないものの、どうにも抑えたがい嫉妬というものの業が透けてみえるようでもあります。

詮方もない話でしたが、お付き合いの程ありがとうございました。
気の早いものであっという間に年の瀬です。ご自愛を。

(おゆみ野駅前校 渡邉)