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ゆるむ時期に

「最近、うちの子、勉強しなくなった」
なんて、思うことはないですか?

この時期、子どもたちは「勉強」という世界からちょっとはみ出してしまいがちです。
勉強以外の出来事が多くなれば、そうなってしまうのはしょうがないです。
その時期、その時期の中心的な出来事に染まっていきがちです。

だから、塾は「塾の生活に染め直す」ということに勤しまなければならない時期なのです。
生徒たちを取り巻く環境(というかコミュニティ)はたくさんあるはずです。

・学校のクラス
・学校の部活
・学校の委員会
・習い事
・家

とまぁいろいろです。

基本、子どもたちというのは「家」のコミュニティの色に染まっていきます。
当たり前です。それが家庭の役割ですから。

しかし、それが薄まっているように感じる。
そんな時はないでしょうか?

別に子どもたちは、全員が全員「薄めてやる」なんて思ってないです。
いろんなコミュニティがあっても、「自分は自分」といえるような「強固な個」を持ち合わせていないんです。
まだ、「自分」というものを作り上げている段階ですから、しょうがないです。

塾は「勉強する場」です。
しかし、それも薄まって見えるときはあります。
そんな時、怒ってもしょうがないです。上記の通りで、子どもたちは「そうしてやる」とは思っていませんから。

では、どうすればいいのか。
あんまりいろいろ悩みすぎないでください。

遠回りに見えるようでも、最終的には大きな影響になるのは、

「聞き、そして話す場を持つ」

ということです。
塾でも、授業の最初に必要なことを伝えています。

では、家ではどうすればいいのか?
別に、証人喚問のようにしなくてもいいです。
ご飯のとき、リビングでのんびりしているとき、一緒に出かけた時…。いつでもいいです。

今、家でないコミュニティで自分はどういう状況に置かれているのか、そういうことをまず聞いてみてください。
人は、「理解してくれようとしている」と実感すれば、聞いてくれた人の言葉はすんなりと心に届くものです。

そういう「場」をつくったうえで、「家庭の芯」を伝えてください。

塾にも「芯」があります。「こういう方向で行くぞ」というものが。
ご家庭にも「芯」はあるはずです。「うちはこういう方向で行くぞ」というものが。

仮に鬱陶しそうな表情を見せたとしても、必要であることは伝えてください。
外見はそうでも、届いているものですから。

そうして届いた「芯」が、やがて子どもたちの価値観となって、生きる指針となります。
幼き日、というのは思った以上に大切なんです。

小学生も中学生も、家庭以外でのコミュニティを持っているのが大半でしょうから、かならず「聞き、そして話す場」を持ってほしいと思います。

熱意をもって向き合えば、子どもたちもわかりますから。
ただ、一方的な感情でなく、相互のやり取りでより強固な関係をつくっていっていただけたらと思います。

今はゆるんじゃう時期ですから。
それをわかったうえで、子どもたちと向き合ってください。

ファイル 1899-1.jpg

(内田)