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学ぶとは?

 中1生が春期講習の社会で扱う単元は「世界の古代文明」と「日本の国の成り立ち」です。
 ちょうど、「世界の古代文明」では、ポリスの成立からギリシャ文明の発展、ローマ帝国の成立、中国での王朝の変遷を学びます。
 中でも、ギリシャ文明を扱っているときに、生徒から出てきたことが「哲学って何?」でした。

 哲学とは簡単にいえば、「人間の内側へ向かって、どこまでも考え続けること」だと思います。
 生とは何か?死とは何か?死後の世界はあるのか?そもそも世界とは何なのか?
 人が人足り得ていることは何か?自分と他人との違いは?そもそも自分とは何なのか?
 「あなたは誰ですか?」という質問に対して、何と答えるでしょうか?
 名前で答えますか?
 では、「○○さん、あなたは何ですか?」という質問に対しては何と答えますか?
 この質問への回答は結構困ります。自分の根源に対する質問ですから。
 しかし、この質問に答えられなくても「あなたと他の人は同じ人ですか?」という質問にははっきりと「いいえ」と答えることができます。はっきりと自分とは何かを答えられなくても、人は無意識に「自分は自分」と思って生きています。その無意識の領域を考えることが哲学です。
 そう生徒に伝えたら…、
 「無限ループじゃん!」「終わりがないよ!?」
 とのこと。
 確かに哲学にはたった一つの正解というものはありません。そこが難しくも面白いところです。

 社会を扱うたびに、折に触れて生徒に伝えていることですが、物事は一面的な見方だけではわかりません。
 人がいればいるだけ、正解があります。世の中は白黒はっきりしたものではありません。人の数だけ観点があり、正解があるからこそ、自分自身の目で物事を見極め、判断し、その結果を受け入れられる人になってほしいと思います。
 だからこそ、社会の授業では生徒からの本筋からずれた疑問も取り上げます。(時間的に授業内で扱えない場合もありますが…)些細なことでも「なぜ?」と思ったことを自分はどう考えるか?他の人はどう考えるか?を知ることができるのは大きいと思います。他の人が自分の刺激になることは集団授業のメリットの1つです。
 社会に限らず、積極的に授業に参加してもらいたいと思います。

(土気教室副教室長 森山)

 ちなみに、4/1の授業で「いつから生きてるんですか?」という質問には「第三次氷河期からだ」と答えておきました。
 さて、いったい私は何歳でしょうか?