記事一覧

[巻頭言2022/07より] 切磋琢磨する場

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2022年07月号)

切磋琢磨する場

 先月は、不祥事およびその対応でいろいろとお騒がせしました。社員一同、厳しく反省し、謙虚に一つひとつを改めながら、指導により一層、励んでいきます。今回に限らず、厳しいお叱りを頂くこともありますが、それは、次への改善、改革のチャンスであると信じています。お気づきの点がありましたら、お知らせください。

 さて、先日、他塾の方たちの訪問見学を受け入れた。以前は、頻繁に機会があったのだが、コロナ禍でしばらく停止していたので久しぶりだ。状況が少し好転しているので、いろいろと警戒はしながらも、少し戻した状態。いつも、訪問で驚かれることは、授業中の生徒の様子だ。当然どこでも塾なので演習を中心とした時間は用意はしているが、導入や解説は、一方的に説明を聞くだけのスタイルがほとんどのようで、うちの塾生たちが積極的に楽しく考え発言している姿には驚かれる。

 しかし、それだけでなく私たちが当たり前と思っているような基本的なことに驚かれることも少なくない。今回は、同じ東進加盟校だったので、そこが際立った。もともと東進の全国大会での優秀事例校紹介で、うちのスタッフ研修について取り上げられたことがきっかけとなった。自分たちの常識は、他では当たり前ではない。

 この研修というものも、生徒たちの授業と同じ構図であろう。一方的に聞くだけでは、一時的な効き目があるかもしれないが長続きはしない。最近は、ディスカッションを中心にした研修も流行りではあるが、単なる形だけの自己流の意見主張に留まり教育的成果につながらないことが多い。学校の授業に目立つ班別の話し合いも同様かもしれない。意見を交わすことで相互に刺激しあい一人では閃かない考えを生み出す集団知性は理想だが、それを発揮できる状態にするのは難しい。

 私たちも持続的に成長するために、スタッフ研修も相互に刺激しあう形に変えてきている。漢方薬的な効果だが、やり続ければ大きく成長できる。頑張ります。

※この内容は2022/07塾だよりに掲載したものです。
 経営品質という考え方がある。とくにサービス業では重要であろう。どうしても各事業所、各スタッフ、そして時期や状況での品質のバラつきが生じる。工業製品では、製品の品質管理をきちんとすることで、このバラつきを小さく抑え込む改善をしているのだろう。それに対してサービス業では、この範囲を一定に抑え込むことは、一般に難しい。それでも定型サービスを提供するなら、いろいろと方法論もあるかもしれないが、対人の非定型業務は一段と困難である。単なるルーティンの作業のサービスではなく、顧客の状況に合わせて、一人一人に対応することが求められるからだ。
 教育の分野は、その典型だろう。学校が代表。
 属人的解決方法に頼りがちになり、そのサービス品質は人に大きく依存することになる。また個々の習熟に頼ることになり、生産性も上がりにくい。組織的に、それを一定のバラつきの中に抑えるのがなぜ厳しいかは、容易に想像もできる。学校の先生も大変であろう。
 経営品質管理のためには、教育に携わるスタッフ自体を「教育する」という、メタ構造の教育が非常に重要であると考える。
 いち早く、それに取り組んできた。だが、その過程は容易ではない。一つ一つを改善するとまた次の課題が見つかりという繰り返し。それでも一歩一歩進むしかないのだろう。
 幸い、私たちの塾の目指す教育に信念を持ち、熱い情熱をもつスタッフが揃っている。遠い道程の先には、大きな果実が待っていると信じて、前進するつもりである。

トラックバック

この記事のトラックバックURL
https://www.jasmec.co.jp/cgi-bin/blog-diary-kanopen0/blog-diary-kanopen0-tb.cgi/606

トラックバック一覧