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色々な速度の平均

おはようございます。
八千代緑が丘校の轟です。

昨日のブログで、早稲田大学で2005年に出題された
気体の噴出の問題についてご紹介致しました。

実際に取り組んでみたAくんから、
問題文を見て、『???』に感じた部分があったと
質問を頂きました。

問題文の中の、以下の記載のところで、
「何を言っているんだろう?」
と疑問に感じた様です。

ファイル 4878-1.png

Aくんの気持ち、よくわかります。
なぜなら、高校の物理では、上記の内容は
扱わないからです。

ちなみに、問題を解く際に、実際に使用する式は
一番上の式になります。
つまり、速度の平均の式を用いることになります。

ですので、きっと当時、試験を受けた受験生たちも
一瞬、頭の中が『???』になった方もいると思います。

ですが、実際の試験会場では、
『自分の知らない物理の世界があるんだな』
ぐらいにとらえて、与えられた式を必要に応じて
活用するようにしましょう。

さて、先に挙げた早稲田大学の入試問題の中で
与えられた式は、速度の平均に関する式が、
厳密な形で与えられています。

ちなみに、大阪市立大学の問題では、問題文中に
このような記載がありました。

ファイル 4878-2.png

つまり、早稲田大学と大阪市立大学では、
速度の平均の仕方が異なっているんです。

つまり、大阪市立大学では、速度の二条平均を
速度の平均値と近似して解かせているんですね。

ただ、数学Bの『統計的な推測』を学習している方なら
気が付いて欲しいのですが、
『速度平均 ≠ 速度の二条平均を1/2条』
という式は成り立ちません!

この点については、高校生でも気が付いて頂きたいな
と思います。

さて、前置きがだいぶ長くなりましたが、
せっかくAくんが疑問を持って質問をしてくれたので、
今回は、速度の平均値には、色々な表現があることを
ご紹介したいと思います。

熱力学的平衡状態において、気体の分子の速さは
マクスウェル=ボルツマン分布と呼ばれる分布関数に
従います。

詳細は、大学で学んで頂くとして、今回は雰囲気だけ
味わって頂ければと思います。

分布図は以下のようになります。

ファイル 4878-3.png

↑の図で、グラフが一番高い値になるときの速さは
最大確率速度(moat probable speed)と呼び、
一般的にVmpと表現します。

また、速度の2条平均速度(root mean square speed)は
一般的にVrmsとと表現します。

では、VmpとVrms、そして、早稲田の入試問題で掲載されていた
速度の平均値をまとめて書くと、以下となります。

ファイル 4878-4.png

というわけで、本日は、速度の平均にも、
色々な種類があるということをご紹介させて頂きました。

イマイチ、よくわからないという高校生が大半だと
思いますので、大学でマクスウェル=ボルツマン分布
について学ぶ日を楽しみにしていてください。

ファイル 4878-5.jpg

では、今日も皆さん、良い学びとなりますように~♪

(八千代緑が丘校 轟)

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