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【生徒からの質問より】ユニークな気体分子運動論の問題

こんにちは。
八千代緑が丘校の轟です。

現在、八千代緑が丘校に通っている
多くの生徒が定期試験直前になり、
定期試験勉強に励んでいます。

ある生徒(Aくん)は物理の試験範囲が
熱力学の様ですが、
「気体分子運動論の問題で、
 何か面白い問題はありませんか?
とご質問を頂きました。

余談ですが、高校物理の範囲では
『熱力学』において、『分子運動論』
という分野が出てきます。

大学では『熱力学』と言えば、巨視的な観点で
熱現象を扱うため、分子1つに着目した観点で
捉えることはありません。

では、分子1つに着目した観点で考える分野は
と言えば『統計力学』になります。
『統計力学』では分子論的な観点で熱現象を
扱います。

そのため、高校物理では、本来の『熱力学』
に『統計力学』が混じっていると思って頂ければ
と思います。

高校生にとって、高校物理の範囲の気体分子運動論の
箇所を、教科書を読め分には理解できるけれど、
いざ、問題を解くとなれば、話の流れを再現できません
という方を多く見受けられます。

是非、何度も教科書を読み込んで、
また、実際に手を動かして、結論の式に至るまで
スラスラを式変形できるように練習をしていって下さい。

さて、本題に戻ります。

Aくんからの質問の回答ですが、
私が最近の入試問題で、分子運動論の問題で
ユニークだったと思った問題で思い出したのは
2021年 岐阜大学の第2問です。

ファイル 4815-1.png

上手のように、一辺L[m]の立方体の空間を持つ容器の
中の気体分子に関する問題です。

ユニークなポイントは、重力gがかかっているという点です。
(問題の後半から重力gを考慮した問題になっています。)

多くの入試問題では、巨視的な観点で、重力がかかっている場合
上下方向で気体の密度ρが異なることを考察しますが、
2021年の岐阜大学の問題においては、気体分子運動論的な
観点で高い位置になるほど、密度ρが小さくなり、
その結果、平均圧力が小さくなることを考察する問題に
なっています。

ファイル 4815-2.png ファイル 4815-3.png

これまで、様々な物理の入試問題を見てきている中で、
このようなタイプの問題は珍しいなと思いました。

物理の問題集の中でも、気体分子運動論だけに着目
すると、問題数が少ないですので、ちょっと
面白い気体分子運動論の問題を解いてみたいな
と思った方は、2021年の岐阜大学の第2問の問題は
お薦めです。

(八千代緑が丘校 轟)

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