Method for Essential Capability & Creativity |
sirius鎌取教室長 福田渉
「形より実」
5年生のSくんが授業中に板書をノートに写していました。
「Sくん、そんなにきれいに写して帰らなくていいんじゃない? 書きたければ、線分図だけとか、ポイントになるところだけとかだけにして、細かい数字や式までは書かなくていいよ。」
「それじゃ家でわからなくなっちゃう。」
「ちょっとわからないくらいがいいんだよ。あんまりきれいすぎると、見てわかった気になっちゃうでしょ。よくわからなくてその場でう〜んと考えるくらいがちょうどいいんだよ。」
特に算数は、自分ではじめから解ける問題ばかりではないでしょう。それは当然です。でもそんなとき、答えを見てわかった気になることのないように気をつけなければいけません。大切なのは、終わったという「形」ではなく、どれだけ自分で考えたか、本当に理解し、わかって出来る状態になったのかという「実」であることは言うまでもありません。目の前の問題は、それが出来るかどうかということが大切なのではなく、それを題材としていかに考え、思考力を鍛えたかということが重要なのです。そのための問題であり、そのための勉強でもあります。
大雑把にだけ写して帰ったSくんは、きっと家で復習するときに、自分のノートを見て一生懸命考えることでしょう。
2013年9月