Method for Essential Capability & Creativity

鎌取教室教室長 山口修一

4年生って何を習うの?

 小学部の授業は4年生から始まります。3月開講ですから、4年生とは言っても実際にはまだ3年生。家庭と学校以外で勉強を習うのは初めてという生徒が大半ですが、みんな元気いっぱいです。周辺のいくつもの小学校から通ってくるので、別の小学校の生徒と一緒になりますが、あっという間に仲良しになってしまいますね。

 小学部は『予習シリーズ』というテキストを使って学習します。中学受験の老舗、四谷大塚が作るテキストで、問題も解説も非常に優れたものです。私たちは、毎年、教材選定会議を開いています。全出版社のありとあらゆる教材を大教室に並べて、教務スタッフ全員で材用教材を選ぶ会議です。数年前に別の教材に変えたこともありましたが、結局、予習シリーズに勝るものは無いという結論に達して戻りました。ここ数年はずっと予習シリーズです。 予習シリーズは、本来、私立中学受験用のテキストで、小学校で学習する内容とは比べ物にならないくらい難しい問題ばかりです。難関私立中学受験コースであるsiriusでも使用しています。ただ、小学部の生徒達は私立中受験を目指しているわけではありませんので、扱う単元、深さ、問題演習量、単元の順序、進度などを私たちが独自に編成して学習しています。予習シリーズは何万部も売れているメジャーなテキストですが、四谷大塚によると、私立中受験をしない子どもたちが予習シリーズで学習しているという塾は、日本中どこを探しても他にないそうです。授業、カリキュラム編成などのノウハウがあるからこそ予習シリーズを使用出来ていると自負しています。

 4年生の3月は、計算のきまりや順序など、基本的なことから学習を始めます。あっという間に小学校では習っていないことばかりになりますが、家庭学習は復習だけなので心配いりません。私たちは、初めてみる問題や単元に対していかに挑戦するか、その単元の本質をどうつかむかを大切にしています。予習学習は “知っているからできる”というパターン学習に陥る可能性がありますから、家庭学習は復習だけにしています。

 4月に入ると、和差算や植木算など、いわゆる特殊算も学習します。一般には、特殊算は解法を知っていれば解けるものと思われがちですが、私たちの指導はちがいます。たとえば、「100mの道路に5mおきに木を植える」という植木算、100÷5+1=21本 という具合に、間の長さで割って1を足す、と覚えることには何の意味もありません。1を足す場合もあれば、足さない場合もある、1を引く場合もあるわけで、その都度、問題文に示された状況を把握し、必要に応じて図に書き表して考えることが大切です。ようするに、「イメージ化」という、算数の極めて重要な力を磨くのが目的なのです。テキストの問題はあくまでも題材であって、その1問だけを解けるようにするために授業をしているのではないということです。

 9月には、約数と倍数の学習が始まります。小学校では5年生で習う単元ですが、誉田進学塾では、学校でいつ習うかということとは別にカリキュラムを組んでいます。もちろん、単に先取り学習をしようという発想もまったくありません。早くできるようになることにはさほど意味を感じていないのです。たとえば小学生で方程式をマスターしても、それで数学ができるようになるわけではありませんから。私たちは、4,5,6年の3年間について、いつ何を学ぶと最も学力が伸びるかを追求してカリキュラムを組んでいます。どれくらい時間をかけて、どの深さまで学習するかも独自です。たとえば約数と倍数ならば、テキストでは2週間で学習するよう作られた内容を、小学部では倍以上の期間をかけて学習します。倍数と約数の感覚は、その後学習するさまざまな単元の土台となりますから、たっぷりと時間をかけて学びます。その単元をマスターするということだけでなく、3年間トータルでいかに力を伸ばすかを考えているわけです。毎年のように改善を加えているカリキュラムは、私たちのノウハウの結晶とも言えると思います。

2014年3月


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