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[巻頭言2020/11より] 知識の伝達だけでは伝わらないこと

Shingaku Express / 誉田進学塾だより 巻頭言より
(2020年11月号)

知識の伝達だけでは伝わらないこと

 数十年(?) ぶりに、昔からある数学の雑誌(いわゆる受験数学ではなく一般向けの数学誌)を買った。別のあることがきっかけで、数学上の解説が欲しいとネット上で検索していた中で、たまたまこの号の表紙の図を見ての衝動買い(笑)。その表紙の解説記事が読みたかったからなのだが、特集内容にも少々興味があった。届いた雑誌は、昔の記憶に残る独特の厳つい専門誌風の印象とは異なり、現代風のスタイリッシュなデザインになっていた。それでも、通称「エレ解」というエレガントな解答を求める名物コーナーなど、懐かしい部分もそのままあった。

 目当てではない記事の中に、ある東工大教員の方のオンライン授業についての考察があった。緊急に授業をオンライン化する委員となり、1年生1100人の数学の授業を短期間に準備実験、問題点をクリアし授業したそうだ。日本中のほとんどの大学で、前期丸々の長期間、対面ではなくオンライン授業だったので、大学も大学生たちも大変だったはずだ。この方は、オンラインの課題を極力解決した上で、最後に矛盾した結論にたどり着く。結局、講師の方々にはなるべくいつも通りの授業をしてもらったのだそうだ。それは学生に「大学に行って授業を受けたい」と思ってもらいたかったから。なぜなら、自分が大学院から数学を専門にしたきっかけが、海外から著名な研究者がたまたま遊びに来て開いた講演で、内容はほとんど理解できなかったが、その講演者をみてカッコいい、あんな風になりたいと憧れたからなのだそうだ。単なる知識の伝達ではなく、人が試行錯誤、切磋琢磨してたどり着いた叡智には、生でなければ伝わらない魅力があるという。

 そのような知的なものに価値を感じる子供たちを育てたいと願う。それは教える側の熱意次第。叡智に感動する「場」は、渦の中心となる情熱をもち伝播させるスタッフが創り出す。「情熱」の育成が重要と考えている。

※この内容は2020/11塾だよりに掲載したものです。
 塾の世界でも、生でなければ伝わらないものがあるという思いは同じだ。
 映像授業の東進の指導も実は同様だ。授業だけなら映像でも成り立つが、それが効果を発揮するには、校舎スタッフが信念を込めて創る「場」が作用する。
 また個別指導は、学力下位にはある程度有効だが、難関を狙う生徒には向かないのも同じ側面がある。成績が下位の生徒は、ほとんどがそもそも勉強をやっていないことが原因。だから付きっ切りで捕まえてやらせさえすれば、今までまったくやっていなかったので大きな差がでるのは当然だ。だが、ある程度からは、主体的に自分で行動を選択し、脳に負荷をかけて考えるトレーニングをしなければならない。そのためには、横に座ってあれこれ手取り足取り指示されること自体がマイナスに作用する。
 成長のステージに合わせての指導力が問われる。その指導力に、スタッフ一同研鑽し、磨きをかけていきます!

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※数学好きの方ならピンとくるご存じの雑誌です。

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